骨を作るほど、全身が若返る!? 近頃アンチエイジングの新たな鍵として注目されているのが、“骨ホルモン”。その仕組みと増やし方を徹底解説!

POINT1 話題の物質「オステオカルシン」に注目!

骨の役割というと、全身の骨格を作り、体を支えることが知られているけれど、実は体全体の美容や健康にも大きく作用していると、近年、明らかに。

「そのカギとなるのが、『オステオカルシン』というホルモンです。これは骨を作る過程で分泌されるタンパク質で、血液中を巡り、心臓や肝臓など多くの臓器の働きを活性化します。また、血糖値を抑えるインスリンを分泌したり、活性酸素の量を減らす役割があることがわかってきました。こうした機能により、私たち人間の体に、さまざまなメリットをもたらしてくれます」(福岡歯科大学客員教授・平田雅人先生)

代表的な効果は、下の5つ。

「アンチエイジングやメタボ予防にもつながる、いわば“スーパーホルモン”。骨の健康に注目を!」

・血糖値が下がるオステオカルシンには、インスリンを分泌し、糖代謝を高める役割と、インスリン自体の働きをよくするアディポネクチンの分泌を促す作用がある。結果、血糖値が下がり、糖尿病の予防と改善につながる。

・シワ・たるみを防ぐ血糖値が下がるとタンパク質や脂肪の「糖化」が抑えられ、肌のコラーゲン線維が正しく構築される。一方、活性酸素を消去する働きもあり、コラーゲン線維の酸化を防ぐ。つまりツヤのある肌をキープできる。

・代謝が上がるオステオカルシンはさまざまな臓器の機能を高めるので、代謝がアップ。免疫力が上がって、カゼをひきにくくなることなどが期待できる。腸も活性化されて消化・吸収を促し、肝機能が上がればメタボ予防に。

・脂肪細胞を小型化中に脂肪を溜め込んでいる脂肪細胞。オステオカルシンにはそれを分解して小さくしたり、中性脂肪が増えて太った脂肪細胞を死に至らしめる働きがある。小さい脂肪細胞ほどアディポネクチンを分泌、脂肪を燃焼。

・我が子を痩せ体質に妊娠中にオステオカルシンの濃度が高かったマウスの子は、脂肪細胞が小さく、生まれてから、たとえ高脂肪・高糖質の食事を摂ったとしても、太りにくいという研究結果がある。とくに女の子に影響が大きいそう。

POINT2 骨にもターンオーバーがあった!

皮膚などと同じように、骨にも新陳代謝があり、およそ5年で全身が新しい骨へと変わるという。

「骨がターンオーバーする時に活躍するのが、『破骨細胞』と『骨芽細胞』。古くなった骨の表面に破骨細胞がはりつき、骨の主成分を溶かして血液中に放出。次に溶けた骨の表面に骨芽細胞がくっついて、新しい骨を形成します。オステオカルシンが分泌されるのは、骨芽細胞が骨を作るタイミング。つまり、新陳代謝が活発に行われなければ、オステオカルシンも潤沢に分泌されないのです」

ほとんどはカルシウムとともに骨の中に取り込まれ、血中で健康効果をもたらす骨ホルモンとして機能するオステオカルシンの量はごくわずか。いずれにせよ、

「増やすためには、骨を強くする生活習慣が不可欠となります」

POINT3 骨ホルモンを出すには毎日の骨への刺激!

オステオカルシンの分泌は「運動と食事につきる」と平田先生。

「なかでもポイントとなるのが、骨に刺激を与える運動。骨に負荷がかかると、その力に耐えようと骨芽細胞が活発に動きだすからです。歩くだけでも刺激となりますが、衝撃を与えるほど促されるため、自重がかかる“かかと落とし”が効率的。また、骨を強くするといわれる背筋運動や生成に必要な栄養素も意識して。貯蔵できないので続けることが大切です」

“かかと落とし”とは「背筋を伸ばして両方のかかとをできるだけ上げ、すとんと落とします。かかとにかかる負荷は、体重の約2倍。これを1日30回、毎日2週間行ったところ、30代の女性で1.4〜1.5倍もオステオカルシンが増えたという調査があります。負荷は少し軽くなりますが、座りながらでも可」(平田先生)とのこと。毎日続けて骨ホルモンアップです。

平田雅人先生 福岡歯科大学客員教授、九州大学名誉教授。基礎歯学研究に長年従事。著書は『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす!1日1分「かかと落とし」健康法』(カンゼン)。

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※『anan』2018年6月6日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・白石智美 イラスト・kalo 取材、文・保手濱奈美