世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第184回は、たかせ藍沙さんがあのエアラインの機上の美食に迫ります。

機内なのにアラカルトメニューが充実!


オランダから来日して新サービスの説明をする、KLM本社のマルティーヌ・ファン・ストルン氏。

 KLMオランダ航空ビジネスクラスの機内食が新しくなった。2018年3月26日(月)から成田発アムステルダム行きKL862便で提供が始まり、関空発KL868便は7月2日(月)からとなる。都内でプレス発表&試食会があった。


「Anytime for youーお好きな時に」のパルマ産生ハム入りイタリアンサラダ、フレッシュフルーツサラダとおかき付き。

 新サービスの名称は、「Anytime for youーお好きな時に」。メニューのチョイスが広がっただけでなく、その名の通り、いつでも注文することができる。しかも、まるで普通のレストランのように、メニューのなかからアラカルトで選ぶことができるのだ。

 新サービスでは、レストラン並みの盛り付け、より上質な食事、好みのタイミングで、という、利用する側にとってはなんとも嬉しい内容。ワールドビジネスクラス機内プロダクトサービス担当ディレクターのマルティーヌ・ファン・ストルン氏によると、多数の顧客の意見や要望が反映されているという。

「Anytime for youーお好きな時に」では、カートが機内を巡る回数を減らし、レストランのように注文を受けてから盛り付け、1食ずつ運ぶというスタイル。選ばれた客室乗務員たちが、さらに特別なトレーニングを経てから、34席に対し3人乗務する。


「Anytime for youーお好きな時に」のなかでも人気があるというチーズバーガー。牛豚合い挽きのハンバーグにレッドチェダーチーズ、ピクルスなどが挟んである。コールスローサラダとベイクドチーズケーキが付く。


洋食は、ミシュラン3ツ星をもつオランダ人シェフ、ジョニー・ボア氏が監修している。

 メニューは、料理8種類とデザート2種類で、オーソドックスなコース、離陸直後のクイックミールサービスのほかに、常時5種類のチョイスを用意。夏期と冬期で内容を変える。

 既に提供が始まっている成田便の2018年10月28日(日)までのメニューは、パルマ産生ハム入りイタリアンサラダ、和風弁当、チーズバーガー、野菜のヘルシー丼、デザートディッシュ。2018年10月29日(月)〜2019年3月24日(日)は、とんかつ、和風弁当、シーザーチキンサラダ、ベジタリアンクラブサンドイッチ、デザートディッシュを予定している。


温かいデザート、冷たいデザートのほかに、オランダ名物のストループワッフルも用意されている。

 テーブルウェアは、世界的に有名なオランダ人デザイナー、マルセル・ワンダース氏によるデザイン。白地に鮮やかなブルーの図柄が特徴だ。


左:塩&コショウの容器が、赤い木靴の形でかわいい!
右:到着直前にサービスされるグッバイドリンク。キウイ、野菜などを使った爽やかなジュースで、長時間のフライトの疲れを癒してくれる。

星付きの和食と
オランダデザインのアメニティ


「Anytime for youーお好きな時に」の和食弁当。秋刀魚甘露煮、煮豆(大豆)、はじかみしょうが、焼き蒲鉾、シメジ艶煮、栗甘露煮、紅葉麩、大根膾、蟹の柚子風味、サーモン箱寿司、照り焼きチキン、小松菜ナムル、赤パプリカ、竹皮包み俵にぎり、お味噌汁、和菓子。

 KLMオランダ航空の日本発着便は、和食メニューにも力を入れている。考案しているのは、「ホテルオークラアムステルダム」和食部門の富川正則総料理長。同ホテル内のレストラン「山里」は、ヨーロッパの懐石料理店としてミシュランの星(1ツ星)を獲得した最初のレストラン。


和食コースの前菜例。海老の手まり寿司、蟹のきゅうり砧巻き梅ソース添え、花蓮根、博多卵焼き明太子添え、スモークサーモン燕巻き黄味酢添え、鶏モモ肉照り焼き、茎ブロッコリー、お新香。


和食コースの主菜例。筍ご飯、人参、えんどう豆、どんこ椎茸旨煮、ロール白菜巻き、鮭の木の芽味噌焼き、鯛とわかめの茶碗蒸し、お味噌汁、お新香。

 富川総料理長は、日本の味付けにこだわりながら、ご飯が乾かないように炊き込みご飯にしたり、前菜を美しく盛り付けたり、工夫をしているという。「Anytime for youーお好きな時に」には、とんかつや和食弁当が用意されている。


「オテルオークラアムステルダム」和食部門の富川正則総料理長。

 会場内では、機内アメニティも紹介された。ファッションデザイナー、ヤン・タミニュ氏のデザインで、「デザインの国」と呼ばれるオランダらしいハイセンスなデザインのポーチだ。


ヤン・タミニュ氏のデザインのアメニティポーチ。


KLMオランダ航空のオリジナルコスメと、2018年10月から配られる新デザインのアメニティポーチ。

 機内のウォッシュルームやポーチの中身に使われているコスメは、KLMオランダ航空が、オランダの自然派コスメブランド「リチュアルス」と、ライクス・ミュージアム(アムステルダム国立美術館)とコラボレーションして、オリジナルに開発した製品。容器のデザインは、同美術館所蔵の、東インド会社が製造した壺の柄を模している。

 また、ビジネスクラスで配られる「デルフトブルー」のミニチュアハウスは、中に「ジュネーヴァ」と呼ばれるオランダのジンが入っているギフト。

 コレクターズアイテムとしても人気が高く、「KLM House」というアプリをダウンロードすれば、それぞれのハウスの歴史などを知ることができるうえ、もらったハウスにマークを付けることもできる。ミニチュアハウス集めがますます楽しくなるアプリだ。


「デルフトブルー」のミニチュアハウスは98種類もある。

 アムステルダムの運河沿いに実在する家々のミニチュアで、98種類もある。同社のリピーターのなかには、同時に配られるリストを見て、欲しい番号を指定する搭乗客もいるという。

 KLMオランダ航空のビジネスクラスは、従来からの様々なサービスに機内食の新サービスが加わり、ますます快適なフライトとなっている。

文・撮影=たかせ藍沙