飲み代や売春料を支払わないと、場合によっては殺傷事件に発展するという

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 ここ最近、バンコクのナイトシーンで働く女性たち数十人を取材をしていると、日本人に対する苦情が以前より増えていることに気がついた。

 日本人といえば、中国人観光客やアジア人蔑視をする欧米人よりも、タイ人に対してずっと紳士的な態度をすると、筆者自身も信じていた。

 タイのストリートやゴーゴーバーで働く女性が、ホテルなり男性と夜を共にしたのちにその対価を払わないということはよくある話だったが、それは主に欧米人や中国人だとしてそうした女性の間では評判が悪かった。日本人男性の場合、“バーの女性とホテルで過ごしたが、うっかり現金を持ち合わせていなかったが、翌日帰国をするため、女性に謝り倒し、次に来たときに必ず払う約束をして帰国。半年後にタイに戻ったときに約束を果たしただけだが、女性にひどく感激された”なんて話が語られているくらい、「ヤリ逃げ」をしないという評価だった。しかしそれがどうも最近は変わってきており、今や日本人が一番多いのだという。

◆「ヤリ逃げ」する日本人男性

 2016年にはこんなこともあった。タニヤという、日本人向けのカラオケ店が乱立するエリアにある人気店で、日本人男性の顔写真と共に、「ペイバー(連れ出し)をしたのにお金を払っていません。気をつけてください」といった張り紙がされたのだ。(参照記事:「G Diary」)

 そうした被害に遭った女性の何人かに直接話を聞いてみると、共通していたのは、連れ出す前に店内で事細かにプレイ内容を男性側から交渉に盛り込んできたという点だ。おそらく、日本の風俗同様のイメージなのだろう。ただ、タイ人はプレイとしての性交渉にあまりバリエーションがない。つまり、SMやコスプレなど楽しむための「プレイ」はそれほどには浸透していない。それ故に女性は理解しきれないところがあるが、交渉時に言葉の障壁もあってOKとしてしまい、ホテルに向かう。

 いざコトが始まっても、彼女たちとしてはそもそもどんなことをするのかはっきりと理解していないため、プレイに応じることができず、日本人男性はプレイが終わったのちにいくつか挙げたプレイ内容のひとつでも欠けていると、約束と違うといってカネを払わないという。

 これならまだマシ(それでも十分「タイでは通用しない」)なほうで、ほかの女性の証言では、事前交渉はなく、事後になにかと難癖をつけてディスカウントしようという人は払わない人よりも頻繁に遭遇するとも言っていた。最初から払う気がなく、騙すつもりだった可能性がある。

 また、あるバーでは盗撮用の小型カメラを仕込んで店に来た日本人中年男性がいたそうだ。タイの夜の女性たちはプライバシーの侵害を非常に恐れる。親や親族にバレたくないからだ。特にスマートフォンが普及し、その注意力は格段に上がっている。そのため、ちょっとした盗撮カメラはすぐにバレてしまう。その日本人もすぐにバレたが、暴言を吐き続けた。おそらく風俗関係の店だから警察を呼ぶことはないと見たのだろう。しかし、警察がやってきて彼は逮捕された。泣きながら謝ったそうだが、あとの祭りである(その後、起訴されたかは不明)。

 こういうマナー違反が今、日本人に増えているのだと、夜の店で働く多数の女性たちから聞いた。

◆性風俗産業だけではない、マナー劣化の日本人

 こうしたマナーのない日本人客は、日本人経営の店でも増えている。

 ある日本人経営の和食店では、こんな招かれざる客がやってきたことがあるという。ある晩、日本人男性ふたりがふらりと店に入ってきた。20代30代の見た目は若い人だ。筆者も防犯カメラの映像で顔を見たが、いっていても30代前半。ハーフパンツなどだったので、旅行者と思われる。