自分だけでなく家族にも脅迫めいたメッセージが寄せられているというS・ラモス。当人は公の場で意に介していないような素振りを見せてはいるが…。 (C) Getty Images

写真拡大

 欧州の頂点を決める一戦で起きた“あの”騒動は、いまだ収まる気配がない。

 渦中の人となったのは、先月26日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝で、リバプールのエースであるモハメド・サラーと接触した際に左肩を負傷させてしまったレアル・マドリーのセルヒオ・ラモスだ。

 事件は一瞬の出来事だった。30分、S・ラモスがサラーのドリブル突破を食い止めようとした際に相手の腕を巻き込んでしまう形で転倒。この時に左肩を痛めたサラーは涙の負傷交代となった。

 これでチームの核を失ったリバプールの攻撃力が極端に低下、一方のマドリーは徐々に盛り返し、結局、頂上決戦は3-1で白い巨人が勝利して史上初のCL3連覇を達成。試合後、サラーは最大で3週間の離脱を強いられることが発表された。
 

 奇しくも“加害者”となってしまったS・ラモスは、試合後に自身のツイッターで、「サッカーは酸いも甘いも経験させてくれるものだ。サラー、早期回復を祈っているよ。君には未来が待っている」と謝罪の意を示したが、これが“炎上”に油を注ぐ結果となり、非難の声が相次いだ。

 とりわけ、悲願の13年ぶりの欧州制覇を逃したリバプール・ファン、さらには大黒柱であるサラーを万全の状態で迎え入れられなくなったエジプト代表のファンは怒り心頭で、危険なプレーを見せたS・ラモスにSNSで罵詈雑言を浴びせ、さらには家族に対して殺害を予告する脅迫電話もあったという。

 スペイン・メディア『Cadena COPE』は、数多の脅迫電話を受けたというS・ラモスは電話番号を変更せざるを得ない状況に追い込まれたと報道。さらに、マドリーと地元警察が事態の収拾に動いているとも伝えた。

 6月15日のポルトガルとのW杯初戦に向けて準備を進めるスペイン。2010年の南アフリカ大会以来となる世界制覇を目論む無敵艦隊にとって、不動のキャプテンが騒がしい状況にあるのは芳しい状況とはいえない。それだけに早急な対応が求められるが……。