【衝撃】大人気マンガ『キングダム』の知られざる極秘情報と噂8連発! 連載終了を救った意外なマンガ家など

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現在『週刊ヤングジャンプ』にて爆発的な人気を誇っている、原泰久先生によるマンガ『キングダム』。中国の春秋戦国時代を描いた作品で、2006年から連載開始となり、単行本はついに50巻に到達。累計3000万部を超える売り上げを記録し、先日は人気テレビ番組『アメトーーク!』でも特集が組まれました。

キングダムの知られざる秘密



作者の原先生はこのキングダムが初めての連載作品。マンガのことは好きだけど、作者のことや制作の背景をあまり知らないという人がきっと多いはず。今回はキングダムファンでも、キングダムを知らない人でも興味を持てるような、秘密や噂話、エピソードを集めてみました。どうぞお楽しみください!

1. 作者は元プログラマー



原先生は大学4年生で「ちばてつや賞」を受賞していますが、当時は連載を勝ち取れず、一般企業で3年間プログラマーとして働いていました。

これだけ聞くと遠回りしたような感覚を受けますが、原先生は逆に「このサラリーマン経験がなかったらキングダムは絶対に描けていない」と語っています。サラリーマン時代で学んだ社会経験があったからこそ、泥臭く汗をかくキャラクターをリアルに描くことができているそうです。また、サラリーマン時代の上司や同僚たちをモデルにしたキャラクターもいるそうです。



2. 作者は泣きながら原稿を描いている



原先生は自身の描くキャラクターに感情移入するあまり、ときには泣きながら原稿を描くことがあります。2016年に放送されたテレビ番組『情熱大陸』では、泣きながらマンガを描いている原先生の姿が紹介されました。番組で放送されたのは、尾平というキャラクターが、失った友情の大切さに改めて気付き、泣きながら「あいつと一緒に命かけて戦いてぇんだ」と訴えるシーンです。原先生は何度も眼鏡を外して涙を拭きながらこのシーンを描いていました。

3. 中国史を舞台にしているのは制約が少ないから



キングダムが春秋戦国時代を舞台にしているのは、読者があまり知らない時代なので自由に描ける部分が多いからだそうです。原先生はもともと大河ドラマや司馬遼太郎作品などが好きで、幕末の話で読み切り作品を描いていたこともあります。ただ、読者がよく知っている時代だと「これは史実と違う」と指摘が入るなど、自由のきかない部分が多かったそうです。

ところがある時、「三国志」よりもずっと以前の、紀元前770年から紀元前221年までの春秋戦国時代は小説や映画の舞台になっていないと気づいた原先生。この時代を舞台に、紀元前221年に中国最初の中華統一を果たした秦の始皇帝の時代を、大将軍を目指す主人公信と後の始皇帝となる政の活躍を描こうと決めたのです。

ただし、融通がきく一方で、『史記』を基準にしているので、史記の中に文献として残っている記述は捻じ曲げることがないように気をつけて描いているそうです。

4. 連載終了から救った大御所マンガ家の一言



今や大人気作品となったキングダムでしたが、連載当初は全く人気が出ず、アンケートで最下位を記録することがありました。そんな打ち切りの危機にあったキングダムを救ったのは、『スラムダンク』のマンガ家、井上雄彦先生の「黒目を大きくしろ」というアドバイスだったそうです。

原先生はかつて井上先生のアシスタントとして働いていたことがあり、井上先生の作品『リアル』の打ち上げパーティーで井上先生に相談しました。すると井上先生は「ストーリーはもういいから、主人公の黒目を大きくしろ」とアドバイスし、原先生はそのアドバイスを受けて、主人公の信の目をハッキリと描くようにしました。また他のキャラクターや背景にも気を配るようになり、描きあげたあともすぐに編集部に送るのではなくよく見直し、より丁寧に仕上げるように変わったそうです。

その結果、読者アンケートの評価が跳ね上がり、ヤングジャンプでの掲載位置もどんどん前の方になっていきました。ちなみにこの絵の変化があったのは4巻くらいとのことです。単行本を持っている人はぜひチェックしてみてください。



5. ジャンプ黄金期の影響が強い



キングダムが支持される理由のひとつとして、少年の成長や熱い友情など、いわゆる王道の“ジャンプ的な要素”が強いことがあげられます。実際に原先生は『キン肉マン』から『Dr.スランプ』『北斗の拳』『銀牙 -流れ星 銀-』
『ドラゴンボール』『シティーハンター』『聖闘士星矢』などが掲載されていた黄金期のジャンプを読んで育ってきたということもあり、特に意識をせずともジャンプ的なエッセンスが作品に加えられているのでしょう。



6. すでに最終回のイメージはだいたいできている



原先生の中では、すでにラストシーンのイメージがだいたいできているそうです。キングダムは第1話で李信将軍になった信の姿から始まり、歴史的にも信が将軍になる、政が始皇帝になることは決まっています。歴史をベースにした作品であるため、当然物語はそこに向かって進んでいくのですが、必ずしも中華統一がゴールにはならないそうです。秦は中華統一を成し遂げたのち、約15年という短い時間で滅亡してしまうのですが、原先生はこのあたりまでエピローグ的に描く予定だと語っています。

7. アメトーク放送後、単行本売切続出



テレビ朝日系列の人気番組『アメトーーク!』で「キングダム芸人」の放送は反響が大きく、放送直後にAmazonや書店で単行本の品切れが続出してしまったそうです。番組放送当時はまだ37巻までの既刊でしたが、番組で興味を持った視聴者が続々と購入し、品切れを待ちきれない視聴者が電子書籍版を購入。その結果、Amazon Kindleでは1〜25位までの売上ランキングを独占。eBookJapanでは前週比売上約40倍という驚異的な記録を打ち立てたのです。



8. ギネス記録を持っている



キングダムは2012年に「史上最多人数(1087人)で描き上げたマンガ」としてギネス世界記録に認定されています。これはキングダムのTVアニメ放送を記念して行われた企画『ソーシャルキングダム』というユーザー参加型の企画で、ユーザーが当時発刊されていた「キングダム26巻」の全コマの中から選んだ1コマを模写してアップロードし、1000人でキングダム26巻を描きあげていくというものでした。

最終的に1087人という史上最多人数で描き上げられ、世界記録としてギネスに認められたのです。読者のほかにもマンガ家の荒木飛呂彦先生、尾田栄一郎先生、岸本斉史先生、本宮ひろ志先生、さらに 声優の森田成一さん、福山潤さん、日笠陽子さん、釘宮理恵さん、小山力也さんといった人たちも参加しています。



単行本は80〜100巻まで続く予定



現在単行本50巻まで発売されているキングダムですが、原先生は「最終的には80〜100巻になりそう」という構想を明かしています。50巻に到達するまでに12年もの歳月を要しているだけに、単純計算するとキングダムが完結するまでにはあと10年前後はかかるということになります。熱い熱量の作品を10年も週刊連載で描き続けるのは並大抵のことではなさそうですが、最高の結末を楽しみに読み続けていきたいですね。

■執筆・監修:Mr. Fox

執筆、撮影、編集家。日本生まれ、生年不詳、トレードマークはキツネの顔。世界各国を回りながら、メディアに関わる仕事をしてます。人のアイデアを転がします! コンコン。https://twitter.com/im_mr_fox/