最近では珍しくなったテーブルゲーム機。テレビ番組『ゲームセンターCX』にも登場したことがあるという

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おひとりさま率は40%ほどだという浅草の「デンキヤホール」。土地柄、観光客の姿もちらほら見られる。間口に比べて、店内は奥行きがあり全部で36席。常に常連さんが座っている入口横の席、奥にはボックス席がある。注目すべきは、今では懐かしいテーブルゲーム機3台が現役であること。

【写真を見る】ゲームが楽しめるのは店内奥の3席。ひっそりプレイするのはなかなか難しそう…

「パックマン」や「ディグダグ」など往年の名作から、ちょっとエッチな麻雀ゲームまで1プレイ100円で楽しめる。普段は電源オフになっているので、遊びたい場合はスタッフにお願いしよう。ちなみに、麻雀ゲームは18歳未満お断り。周りの目を気にせずプレイすることは至難の業だが、強靭なハートをお持ちのおひとりさまは挑戦してみては。

デンキヤホールの店名は、もともと電気店として開業したことに由来する。しかし世は戦時中。男手が不足し「女性や子供だけでも成り立つ商売を」と、喫茶店を併設したのがはじまりだという。今も「元祖オムマキ」(650円)と「ゆであずき」(500円)など、創業時から続く味を忠実に守り続けている。淑江さんによると「関東大震災の時は、トタン屋根の上で営業していた」とのこと。震災・戦災にも負けず、1世紀にわたり受け継がれてきたのだ。

そんな歴史を裏付けるものが店内の随所に見られる。そのひとつが、名古屋発祥の洋食器ブランド「ノリタケ」のオールドコレクションだ。明治〜大正頃の貴重な品だが、ガラスのショーケースに入っており誰でも見学できる。ほかにも、錦絵や懐かしい扇風機などが飾られており、ちょっとした博物館状態だ。アンティークに囲まれながら、ひとりノスタルジーに浸れる貴重な場所となっている。【東京ウォーカー】(東京ウォーカー・東京ウォーカー編集部)