透明ボディーなスマホ登場 HTC U12で仕掛けるマニアの購買心に響くポイントとは

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HTCから新型スマートフォン「U12+」が発表された。
昨年発売されたU11から1年ぶりの登場となるこのU12+は、HTCらしいちょっとマニアックな機能に溢れた製品に仕上がっている。

まずは本体を見てみよう。ボディーカラーは3色、
・セラミックブラック
・フレームレッド
・トランスルーセントブルー
となっている。
セラミックブラックは、どこまでも真っ黒な深い色、フレームレッドは、鮮やかながらも派手さを抑えた明るい色合い、そしてトランスルーセントブルーは、なんと背面が青地の半透明素材でおおわれている。


これまでスマホの背面を透明仕上げにした製品は、LGのFx0があったくらい。
その意味でもU12+は、非常に珍しい背面を持つスマホだ。

実は最近、海外の一部のユーザーで、スマホの背面を透明にする改造がYouTubeなどで人気になっている。

現在のスマホは、背面をガラス仕上げにしているモデルある。
こうしたモデルは、内部に色を表示するためのカラーフィルムが貼り付けられているおり、そのカラーフィルムの色が本体の背面の色になっている。

スマホの背面を透明化するには、スマホを開封し、そのカラーフィルムを剥がせばできる。
とはいえカラーフィルムはしっかり装着されているので、無理やり、きれいにはがさるのは、簡単ではない。失敗すれば。背面が情けない姿になることもあるのだが、そんなリスクも承知で透明化の改造をしている強者がいるほど、透明化は魅力があるのだろう。


HTC U12+の3色のカラバリの中でも目立つ、半透明ブルー


ところがHTC U12+の場合は、最初から背面が半透明なのだ。
内部のパーツも外からちらりと見えることを考えた配置になっている。
つまり、たまたま裏側を半透明にしたのではなく、最初から内部を見せることを前提とした設計になっているのだ。

半透明のボディーから見えるU12+の内部は、まるで職人が仕上げた機械のような美しさを見せるという。

スマホの機能とは全く関係ない部分に力を入れるあたりがHTCらしい遊び心といってもいいのだろう。とはいえこうした手法にでたのは、ここ数年のHTCが販売数で低迷していることもあるのだろう。

そうした諸事情もあって、ここまで楽しいスマホを出すことができたとも言える。

だがHTC U12+は、本体が美しいだけのスマホではない。
カメラ機能も大きく性能アップしているのだ。
スマホのカメラのパフォーマンスを評価するDoXによると、U12+のスコア(DxOMark)は103となっている。


デュアルカメラを横に並べたデザイン。前面もデュアルカメラだ


なんとこの数値により、今夏のスマホの中で非常にカメラ性能が高いと証明された。
1位は、トリプルカメラを背面に搭載したファーウェイ「P20 Pro」のスコア109で、HTC U12+は。P20 Proに次ぐ数値なのだ。
ちなみにGalaxy S9+は99、グーグルのPixel 2は98、iPhone Xは97と、100にも到達していない。

HTC U12+のカメラは背面に2つ、前面に2つと、合計4個も搭載されている。
背面のカメラは中央に横に2つ並ぶという、他社にはあまり見られないデザインだ。
1600万画素とズームの1200万画素の組み合わせで美しい写真が撮影できる。また前面カメラは800万画素が2つ、この組み合わせで一眼レフカメラのようなボケの利いたポートレートも撮影できるのである。

HTC U12+の大きな特徴はもう1つある。
それは本体を握ることで操作できる、「Edge Sense 2」の搭載だ。
スマホの画面をタッチしなくても、本体を握った手に力を入れるだけでアプリを起動することができるのだ。


本体を握ると操作できるEdge Sense 2


この機能は「Edge Sense」として前モデルのU11でも搭載されていた機能だ。
しかしU11は5.5インチ、縦横比16:9のディスプレイを搭載するため横幅は75.9mmもあり、片手で握る操作は難しかった。

しかしU12+では6インチと大型化したにもかかわらず、縦横比が18:9となり横幅は73.9mmとU11よりもスリム化している。さらに本体の断面形状もより丸みを帯びたことで、握る操作も行いやすくなっているのだ。

U12+のEdge Sense 2ではジェスチャーが増え、握るだけではなく側面のホールド、また側面片側をタップすることでアプリの起動や画面回転のOFFなど様々な機能に対応している。

そしてもちろんスマホとしての性能も優れている。チップセットは他社も採用する業界最高スペックのSnapdragon 845を採用、RAM6GB、ROM64GBまたは128GBと動作も問題ない。

スマホアニアも唸る購買心を刺激する
・透明ボディー
・4カメラ
・握って操作できるEdge Sense
を実現したHTC U12+は、は、日本で発売されれば確実に日本のスマホマニアに響く一台となるだろう。


山根康宏