▽ 悪友

編集者/ライターの池田園子が、そのときどきで気になる人、話を聞きたい人に会いにいく連載企画「園子の部屋」。第2回目は同人誌『悪友』を刊行する劇団雌猫の“かん”さんと“もぐもぐ”さん。
時は2017年のはじめ。筆者のTwitterタイムラインに、『悪友』Vol.1の『浪費』が流れていて、なんだこのテーマは!? と気になって即注文したのが、劇団雌猫との出会いでした。2018年5月時点で、『悪友』は4作となっています。
居酒屋に劇団雌猫のメンバー4人が揃い、「娯楽にいくらお金を使っているか」をリアルに話すうちに盛り上がり、みんなの娯楽費事情、なかなか言えない浪費事情を1冊にまとめたのが『浪費』です。
そんな同人誌を刊行するお二人にお話を聞いてまいりました。

推しと恋愛したいですか?

池田: 『浪費』が面白かったので、その後、新作が出る度に買いました。『恋愛』も面白かったです。特に「推し(アイドルグループなどの中で自分が最も応援しているメンバーのこと)と結婚した女」のインタビューは、推しがいる人にとってすごい学びになるなぁと感じました。

もぐもぐ: 某アスリートと結婚した彼女の話、本当に学びがありますよね。私は実は結婚式に呼ばれて行ったのですが、客席が有名人だらけでものすごいことになっていました。席次表は記念に残していますよ(笑)。

池田: 席次表、とっておきたいと思ったことないですね(笑)。ちなみに、おふたりは推しと付き合いたい、という気持ちはありますか?

もぐもぐ: 私はそんなに。

かん: 付き合えるものなら付き合いたいですよ(笑)! まぁ、今の推しは言語の壁があるから、現実的に無理ですね。

中心メンバーに惹かれない理由

▽ かんの推し、SEVENTEENのジョシュア

池田: かんさんは、韓国のアイドル「SEVENTEEN(セブンティーン)」を推してらっしゃるんですよね。

かん: 特にジョシュアというメンバーを推しています。

池田: 何をもって「この人!」という推しができるんでしょうか?

かん: 見た目というよりポジション、ですね(笑)。斜に構えたオタクなので、メインどころを好きにならない傾向があります。

池田: もぐもぐさんは? 宝塚がとくにお好きだということですが。

もぐもぐ: 顔、ですね(笑)。顔が小さくて目がくりっとした、お化粧が映える派手顔が好きで、たとえば月組の愛希れいかさん。

K-POPアーティストの変化が楽しい

▽ 宝塚の公演パンフや写真集、持っているのになぜか無限に買ってしまうブロマイドたち

池田: (写真を見せていただきながら)美しすぎる……。公演はどれくらいの頻度で行ってるんですか?

もぐもぐ: 時期によって頻度は違いますが、自分の好きな月組の公演だと、週1ペースくらいで通っています。宝塚まで“遠征”することもありますよ。

かん: 宝塚は公演の開催頻度が高くていいよね。K-POPアーティストは、CD発売の前後にしか活動をしないんです。テレビもライブもその活動期間だけ。

池田: 活動期間と活動期間の合間は何をしているんですか?

かん: ハードなレッスンや肉体改造です。髪型や髪色を変えて出てくることもあります。次に会えるときはどうなってるんだろう? とワクワクするのもファンの楽しみなんです。ソフトウェアがバージョンをアップデートしていく感覚に近いですよ(笑)。

使うときは娯楽費月10万円!

池田: 面白い! ちょっと聞きたかったんですけど、趣味に使うお金(娯楽費)は正直、月いくらくらいですか?

もぐもぐ: すごく使う月は10万円くらいですね。たとえば遠征に行くと、新幹線代や宿泊費、チケット代、けっこうかかりますからね。

かん: 劇団雌猫内の浪費王です(笑)。使える限界まで使っちゃいます……。仕事でむしゃくしゃしたら、ええい! と輸入コスメとかコンテンツとかに手を出します。

自分を喜ばせるためにお金を使う

池田: 社会人になりたての、給料がまだそんなに多くないときもそうでした?

かん: 少ないときは、少ないなりに限界まで(笑)。昔、銀行口座に500円しか残っていなくて、母から1,000円もらって1,500円を引き出して、給料日までしのいだことがあります。

もぐもぐ: 残高1,000円を割ると引き出せないんですよ、銀行って。学生時代、バイトもしてなくて、お金がかかるから電車に乗るのすら嫌でした(笑)。社会人になって可処分所得が増えると、ちょっと奮発して美味しいものを食べにいくとか、週末に買い物にいくとかするうちに、「お金を使うのって楽しい!」と気づきました。

池田: 自分で稼いだお金ですしね。ご褒美は必要。

楽しみがあるから、元気で生きていられる

▽ 宝塚以外も観ます。帝国劇場「1789」楽しかった!

もぐもぐ: 働いていると大変なことも多いじゃないですか。自分で自分のご機嫌をとっていくのが、楽しく暮らしていくコツなのかな、と思っています。「今週あと3日働けばコンサートの費用になる!」みたいに考えたら、多少しんどくてもがんばれる。

池田: がんばって働いたお金で自分を満たすことで、生きるエネルギーを得ているんですよね。

もぐもぐ: そう思ってはいますね。でも、『浪費』を作ったとき、劇団雌猫のメンバーで話したんですけど、みんな貯金がなかなかできなくて……(笑)。我々は今後どう生きていくのか。

かん: 私、どこかで宝くじが当たると思っているんですよ。小学生のとき、通りすがりのおばあちゃんに「手見せてみ」と言われて見せたら、「アンタは一生お金に困らんわ」って言われたんです。

もぐもぐ: この人ヤバいな(笑)。私は半年先とか1年先の公演のために、お金を貯めようと思うと、励みになるんですよね。「来年の夏までは死ねない」みたいな台詞、オタクはよく言いますよね。私たちもそうで、そういう楽しみがあるから、日々それなりに幸せに生きていられるんだと思います。

池田: 自分を幸せにする浪費には、“投資”の側面もあると思うんですよね。今後の活動も心から楽しみにしています! 今日はありがとうございました。

▽ ゲスト/劇団雌猫

アラサー女性4人組の同人誌サークル。同人誌(浪費・美意識・恋愛・東京)は通信販売で購入可能。書籍化された(小学館)も人気。