今月のテーマ「プロポーズ」

【MAN】
熱い言葉だけでは足りない
大事なのは運とタイミング

 大江戸湾岸高校1年A組の樺山プリンくんが、2年A組の金剛寺金剛さんに一目惚れ。「金剛寺さん好きです!! 大好きです!!!」。その告白を、柔道の体落としで拒絶。そもそも金剛寺さんは超が付く論理主義者で、恋心なんてあやふやなものを寄せ付けない。そのこともまた論理で(くどくど)説明していたら、プリンくんが二の矢を放った。「僕は金剛寺さんの面倒臭い所が大好きです」。自分でも気にしていたところを、肯定してもらえた。「私も、君が好きだ」。そればかりか第3話では、「私は君と結婚し、生涯共に過ごすよ」。そんなこと、まだ想像すらしていなかったのに! その前に、付き合うって段取りが必要なのに……。

 作中で繰り返し描かれるのは、幸福や奇跡が出現する瞬間の、歯車の動きだ。熱いプロポーズの言葉だけでは足りない。運とタイミングの存在が、互いの「好き」を増幅させ、互いのハートをこじ開けるのだ。

『金剛寺さんは面倒臭い』(既刊1巻) とよ田みのる

天然系超純愛マンガ『ラブロマ』の作者による新連載。「説明しよう!!」と言って語り出す実況中継ナレーションが、少年少女の恋の運とタイミングを解説してくれる。少年は実は、地獄からやって来た鬼だ……という設定が今後どう活かされるのか? 
「ゲッサン」連載中。
小学館 552円

【WOMAN】
11年前の伝説の短篇集が再刊
プロポーズの言葉で涙腺崩壊

 プロポーズという英語を直訳すると、「提案する」。自分の意思や希望を相手に知らせる、という意味だ。『ちはやふる』の作者の幻の短篇集は、プロポーズが物語のピークを形作る。

 第1篇「ハルコイ」は、23歳保育士で彼氏いない歴23年ののんちゃんと、彼女のウブな恋を見守る50歳の友人・綾子さんの物語。職場近くのリストランテの店長に一目惚れしたのんちゃんは、私なんかじゃ「絶対ダメ」とうずくまってしまう。綾子さんは言う、「『絶対ダメ』なんて言えるくらい何度も失敗した?」。その言葉を引き金に、向かっていった。うまくいった、でも……。とびきりのプロポーズは、のんちゃんから綾子さんに向けて放たれる。その後も、男性から女性へ、女性から男性へ、女の子から母親へと、プロポーズが連鎖する。たとえ桜が散って悲しくとも、必ず春はまた来る、と信じればいいんだ。全4篇はきっと、作者から読者へのプロポーズ。

『ハルコイ 新装版』(全1巻) 末次由紀

『ちはやふる』の連載を始める直前(2007年)に描き継いでいた、全4篇収録の短篇集の新装版。ウエディングプランナーのアラサー女性と離婚歴アリの恋人との間に渦巻く、結婚を巡る複雑な感情を描いた「指輪の片想い」も珠玉。その他、「美彩食堂」「ななつの約束」を収録。
講談社 429円

文=吉田大助