学生の窓口編集部

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すれ違いが切ない! おすすめ恋愛映画ランキングTop20

恋愛気分に浸れる、おすすめ恋愛小説

1.『白夜』ドストエフスキー 〜オタクの青年が美少女に恋をした〜 

『白夜』を大胆に現代風に解釈すると、友達もろくにいないオタクの青年が、美しい女性に一目ぼれしてしまったお話です。相談相手もおらず、不器用ながらに奮闘します。ついに女性は主人公に傾きますが、悲しい結末が彼を待っているのでした……。
滑稽に見えなくもないですが、舞台はサンクトペテルブルクの白夜。おとぎ話のようにロマンチックな物語です。

2.『高慢と偏見』J.オースティン 〜素直になれば、すべてうまくいく〜

19世紀初頭のイギリスを舞台に、数人の男女の恋模様を描いたこのお話は、男女のすれ違いを巧みに表現しています。惹かれあっているはずなのに、男は余計なプライドで女を傷つけ、女は思い込みで男を見て冷静な判断ができません。つい「あるある」と頷きたくなる、男女ともに共感してしまうお話です。

3.『若きウェルテルの悩み』ゲーテ 〜ひとり悶々と悩む男の物語〜

若きウェルテルは婚約者のいるシャルロッテに恋をします。結ばれない恋とわかりながら悶々と悩み、追いつめられるウェルテル。若さゆえに思いつめてしまいますが、ここまでの激しい恋にはなかなか出会えません。だからこそ小説でどっぷりと片思いの世界にひたってみてはいかがでしょうか。

4.『ロミオとジュリエット』シェイクスピア 〜争いは、恋人たちの未来も奪う〜 

悲恋の話として有名な『ロミオとジュリエット』は、恋に狂った男女の悲恋を描いたのではありません。内戦により敵対関係にある2人が恋をし、親族を殺めてしまったがゆえに結ばれない運命をたどってしまいます。戦争は命だけでなく自由な恋愛も奪ってしまうということを伝える一方、軽快なやりとりも多く、悲恋のなかでも読みやすい小説です。

5.『植物図鑑』有川浩 〜ある日突然、イケメンと同居することになりました〜

女性向けマンガによくある「イケメンを拾ってしまった」というストーリーからこの物語ははじまります。イケメンなうえに、料理も得意な彼に好意を持ちつつも、どんな人生を歩んできたのかわからない、名前も本名じゃないかもしれない、でも、一緒にいたいから聞き出せない主人公。甘く切ない、女の子の妄想がふんだんに描かれたロマンチックな恋愛小説です。

6.『言い寄る』田辺聖子 〜本気で好きな人にはうまく気持ちを伝えられない〜

好意を抱いてくれる男性にまんざらでもない対応を返す主人公の乃里子には、ただ一人、どうしても自分から言い寄れない男性がいました。告白されることは慣れているけれど、告白することはできない……そんな女性の心理を描いた小説です。心当たりのある女性にぜひ手に取ってほしいおすすめの一冊です。

学生が主人公のおすすめ恋愛小説

7.『恋愛寫眞』市川拓司 〜好きだから、遠くで見守りたい〜

恋をすると死ぬ運命にある女性、静流は人生で一度だけの恋をしました。
一度恋に落ちてしまったら、止めることはできません。恋をすれば多かれ少なかれ傷つくことは必須です。自分が傷ついてでも、相手への思いを貫けるか。そんなメッセージも感じられるファンタジー恋愛小説です。

8.『キッチン』吉本ばなな 〜恋よりも深い、大切な存在〜

唯一の肉親だった祖母を亡くし、ひとりぼっちになったみかげは、ひょんなことから男性の住む家で同居をはじめます。彼女の落ち着く場所は、キッチンでした。
愛する人を失った悲しみを少しずつ癒しながら、新しい出会いに臆病になってしまうみかげ。恋愛だけではなく「死」についても優しく向き合えるおすすめの一冊です。

9.『砂漠』伊坂幸太郎 〜合コン、麻雀。恋愛も青春も、今しかない!〜

仙台の大学に通う5人の男女が繰り広げる青春物語です。大学生らしく麻雀や合コンなど、まっすぐに青春を謳歌している様子が描かれています。リア充すぎる彼らに羨望の眼差しを向けてしまうかもしれませんが、そこは伊坂幸太郎。単なる青春小説ではなく、ミステリー要素も含んだバラエティのあるストーリーとなっています。

10.『ナラタージュ』島本理生 〜一線は越えたのか、越えないのか〜

主人公が好きになってしまったのは、どうしようもなくズルくかわいい高校時代の恩師。病を抱えた別居中の妻を持つ身とわかっていながら、少しずつ道を踏み外していきます。がむしゃらに恋ができる、最後の時間を愛する人と過ごしたひとときの夢。物語の中心となるのは主人公が大学2年生の頃です。作者はこの小説を大学在学中に執筆しました。

11.『シューカツ!』石田衣良 〜恋も就職活動も、束でかかればこわくない!?〜

有名大学に通う大学3年生の主人公は、6人の友人とともに「就活プロジェクトチーム」を経ちあげ、大手マスコミ採用試験に挑みます。彼ら7人の恋愛模様のほか、インターンやOB訪問など、「就活あるある」も多く登場します。就職活動とはどんなものなのか、予習を兼ねて手に取ってみてはいかがでしょうか。

12.『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦 〜天然女子と一途な学生のラブ・ファンタジ〜

天然女子大生「乙女」に恋をした「先輩」が、なんとか彼女の「視界」に入るよう、彼女のいる飲み屋を探し、彼女の求める絵本を求め、彼女の参加する文化祭に参加します。
一筋縄ではいかない乙女に、まわりくどい方法で攻める先輩。コミカルな2人のかけ合いが楽しく、ファンタジー小説としても楽しめる一冊です。

13.イニシエーション・ラブ 〜社会人になると、学生のような恋愛は難しい〜

大学4年生の主人公は、社会人である繭子と付き合います。恋人を優先し、地元の静岡で就職を決意しましたが、東京への転勤を命じられます。遠距離恋愛を始める二人ですが、徐々に距離は離れていき……。
社会人になると、今までできたことができなくなり、恋愛も思うように行きません。社会人になるとき、今の恋人とどう向き合っていくか、について考えさせられる恋愛小説です。

「結婚」の悲喜をとりあげたおすすめの恋愛小説

14.『きみに読む物語』 ニコラス・スパークス 〜記憶をなくしても、変わらない愛がある〜

認知症を迎えた妻に、毎日ひとつずつ物語を聞かせる夫。若い2人が主人公の物語に静かに耳を傾けていた彼女は、ある一言を夫に告げます。
長年添い遂げてきた2人だからこそ、語れる物語があります。過去があったからこそ、今この幸せがある。愛し抜くことの幸せを教えてくれる物語です。

15.『風のむこう、きみへ続く道』飯田雪子 〜今君に贈る、大切な贈り物〜

結婚式を目前に控えた主人公は、結婚前にやり残したことがある、とひとり旅に出かけます。それは彼と長い人生を共に生きるために、必要な旅でした。
結婚は幸せばかりが続くわけではありません。だからこそ、結婚前にある程度の覚悟を決めたい。主人公の旅の理由が明かされるとき、あたたかい気持ちになります。

16.『きらきらひかる』江國香織 〜大切に思う気持ちは変わらない〜

アルコール依存症の妻と、ゲイの夫と、その恋人。3人の奇妙で、アンバランスな関係の元に成り立つ結婚生活を描いた小説です。
結婚しているからと言って、誰もが満ち足りた絵に描いたような幸せを過ごしているわけではありません。夫婦の数だけ、愛の形がある。既存の価値観に左右される必要はないはずだ、と伝えてくれる一冊です。

17.『星の王子さま』サン・テグジュペリ 〜どんなに傷つけられても、愛しく思う気持ち〜

『星の王子さま』は実は愛の話である、ということはご存知でしたか? 奔放なバラに愛想を尽かした王子さまはさまざまな星を訪ね、地球に辿り着きます。そこで、パイロットにバラのことを話していくうちに何よりも大切で愛しい存在であることに気づきます。
自分が傷ついても、相手を愛する気持ちを教えてくれる、世界中に愛された物語です。

18.『異類婚姻譚』本谷有希子 〜結婚は、甘いばかりじゃない〜

あるとき、夫婦の顔が似てきたことに気づいた主人公は、はじめはもがくものの、やがて似て行くことで楽になることに気づき、受け入れるようになっていきます。
だらしのない夫と、それを許容してしまう妻。相手のことが「好き」だから結婚したのか? 一緒にいて「楽」だから結婚したのか? 結婚の影の部分にスポットをあてた民話的小説です。

19.『マチネの終わりに』平野啓一郎 〜心に想う人があっても違う人と結婚できるのか?〜

運命の相手とも言える女性と出会った主人公。彼女には婚約者がいたものの、やがて結ばれます。しかし、ある1通のメールにより2人は別々の道を歩んでしまうことになるのでした。
それぞれ別の人と結婚し子供を授かりますが、2人の心からお互いの存在は消えることがありません。心から愛した人と、今目の前にいる必要な人。どちらを選ぶべきだったのか。自身が結婚を決める際にも参考になりそうな一冊です。

20.『初恋温泉』吉田修一 〜実在する温泉地を舞台に、様々な「結婚」を描く〜

自慢話しかしない夫に愛想をつかせた妻、妻に内緒で不倫旅行に精を出す男など、「結婚」をテーマに5つの短編が収録されています。
登場する温泉は、すべて実在する温泉です。夫婦の些細なすれ違いが細かく描かれており、これから社会に出ていずれは結婚を考えている方がいれば、躓いたときの参考になるであろうおすすめの小説です。

ふと気がつけば、あの人のことを考えている。昨日まで気負わずに接していたのに、今日はどう振舞っていいかわからない! 恋は、ある日突然始まります。この戸惑いを友人に話すにはまだ勇気がいる。あるいは干物男・女になりかけで、恋愛なんて忘れてしまった……そんなときは、恋愛小説に頼って恋のレッスンを受けましょう。

執筆者:絵ノ本 桃子(ナレッジ・リンクス)
出版取次、図書館などに勤務した後、ライター・出版プロデューサーとして数々の書籍の執筆や企画制作に携わる。現在は親子で読書を楽しむ提案を発信するWebメディア兼本屋 「親子絵本専門店NanuK」を運営している。