もし心臓の健康のために魚油のサプリメントを愛用しているなら、ぜひ知っておきたいのが『JAMA(ジャマ)カルディオロジー』誌に発表されたメタ分析の研究です。お金が無駄になっているかも?

この論文によると、研究者は10の研究を抽出し、オメガ3系脂肪酸のサプリメントを毎日、226mgから1800mgの範囲で摂取する7万7917人のデータを分析しました。女性は39%。平均4.4年のデータが集められました。

この結果、オメガ3系脂肪酸を摂取していないコントロールグループと比べて、オメガ3系脂肪酸のサプリメントを摂取していた人は冠動脈性心臓病の死亡率が7%低く、死亡につながらない心臓発作の発症率が3%低くなるとわかりました。一見、よさそうに思えますが、研究の著者は統計学的に意味のある関係性が示せなかったと説明しています。

「心臓血管病のリスクが高いとわかっている人が、オメガ3系脂肪酸のサプリメントを飲んでも、死亡まで至らない心臓病や心臓血管病を予防できることを証明するに至らなかったのです」と研究者は指摘しています。

魚を食べるとよい理由とは?

今回の発見は、2016年のヨーロッパ心臓学会とヨーロッパ動脈硬化学会の心臓血管病予防ガイドラインとも通じる結果になっているそう。ガイドラインでは、オメガ3系脂肪酸のサプリメントが冠動脈性心臓病を防ぐかどうかは議論の余地があると指摘していたからです。さらに、アメリカ心臓協会は、魚油のサプリメントは魚を食べることを置き換えるものとは説明していません。

魚を食べることがサプリメントを食べるよりもよいというわけなのですが、なぜでしょう? ひとつには、サプリメントが、ラベルで示しているほどの栄養素を含んでいないという点が。さらに、サプリメントでは特定の栄養素しか摂取できないことがあります。

たとえば、「サケなどのオメガ3系脂肪酸の豊富な魚を食べるなら、たんぱく質やビタミンB、カリウムなど別の栄養も一緒に摂取可能」と、栄養学者で、『365スナックス・フォー・エブリー・デイ・オブ・イヤー』の著者のサラ・コスジクさんは話しています。

最近の研究では、魚に含まれるオメガ3系脂肪酸と他の栄養素との組み合わせによって、心臓を守る効果が得られるのではないかと指摘するものもあります。

肉を食べる量が減るからよい?

さらに考える必要があるのは、サケやマグロなどの脂肪の多い魚を週に2回、食べることが推奨されているところです。「赤身肉や加工肉には飽和脂肪酸や塩分が多く含まれていますが、魚を食べることで、これらの摂取量を減らすことができます」と公衆衛生学修士で、管理栄養士のレベッカ・ディッコフさん(ニュートリション・バイ・RDの創業者)。

オメガ3系脂肪酸が心臓を強く保つのに役立たないとしたら、何をすれば? さらに、魚嫌いやそもそも魚介類を食べられないときには? 知っておきたいことをご紹介します。

Q.どれくらいの量の魚を食べるといい?

「オメガ3系脂肪酸を推奨量だけ摂取するためには、100グラム強の脂肪の多い魚を週に2回、食べるようにと言います。サプリメントは、それだけの量が食べられなかった場合の保険にしては」とディッコフさん。

Q. どんなタイプの魚を食べるといい?

「良質な脂肪酸が摂取できる魚は、カタクチイワシ、天然のサケ、マグロ、ニシン、サバなどです」とコスジクさん。メカジキやアマダイは、水銀のレベルが高めなので、食べる回数を減らすようにとのこと。

覚えておくといいのは、ほかの心臓の健康にいい食品を食べることで心臓は守られるということ。「地中海食もおすすめ。魚のほかに、野菜、果物、豆類、オリーブ油、ナッツ類など心臓の健康によい食べ物が多く使われているからです」とディッコフさん。そうした食品を一緒に、丸ごと食べることにも相乗効果があると考えられます。

Q. 魚を食べません。どのようにオメガ3系脂肪酸を取るといいですか?

クルミや粉末の亜麻仁をサラダ、シリアル、ヨーグルトに加えると、健康的なオメガ3系脂肪酸を摂取することができます」とディッコフさん。19歳以上の女性には、毎日1.1グラムのオメガ3系脂肪酸を摂取するよう推奨されています。粉末の亜麻仁大さじ2杯で2.9グラム、クルミ1/4カップではおよそ2.7グラムが摂取できます。

オメガ3系脂肪酸のリッチなサラダドレッシングも。クルミ油1/4カップ、シェリービネガー大さじ2,ディジョン・マスタード小さじ1/2、塩少々。

「野菜中心のベジタリアンやヴィーガンにとってのほかの選択肢は、藻類やコンブです。乾燥したあぶったコンブをつまんだり、炒め物やドレッシング、野菜やたんぱく質の調理に藻類のオイルを使ったりするんです」とコスジクさん。

「ほかに、海苔を砕いてヴィーガンシーザードレッシングに入れて使うとアンチョビのような風味になります」とナチュラル・グルメ・インスティチュートのチーフ指導者のオリビア・ロスツコウスキーさん。

最低限守ること

医師が言わない限り、高い値段の高いサプリメントに大金を使う必要はありません。運動と健全な食事をとれば、健康体重を維持し、心臓病のリスクを減らせるのです。

「魔法の薬はありません。健康的なライフスタイルで生活することが、病気の予防法としては最善のものです。」と、コスジクさんは言っています。

Dana Leigh Smith/This Popular Heart Health Supplement Doesn't Actually Prevent Heart Disease

訳/STELLA MEDIX Ltd.