VRを誰でも作れて、立体映像が見られる! 画期的な「Mirage Camera」は今を残せるタイムマシンだ

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レノボ・ジャパンは5月11日、スタンドアローン型VR(バーチャルリアリティー)ヘッドセット「Lenovo Mirage Solo with Daydream」とグーグルが提唱する3Dの180°静止画および動画を撮影できるVR180カメラ「Lenovo Mirage Camera with Daydream」の発売を開始した。

VRヘッドセットといえば、目の前に広がる映像を自由な視点で観て楽しめる没入感に特化したデバイスだ。
立体映像のゲームやインタラクティブコンテンツや360°の写真や動画など、TVやスマートフォンの平面的な映像とは異なる新しい体験にその価値がある。




Mirage Soloは、
・スマートフォンを中に入れる
・ゲーム機やPCとの接続をする
といった手間や外部装置を用意する必要がない。
つまり、単体で動作するVRヘッドセットなのだ。
さらにVRヘッドセットには
・頭の向きや回転を検知するセンサーを搭載
・前後の移動も検知するデプスセンサーを搭載
など画期的なヘッドセットだ。

これまでは移動を伴うVR環境を楽しむためには
・高性能なPC
・対応するVRヘッドセット
・VRヘッドセットの位置を認識するセンサーの設置
この3つが必要であった。

しかしMirage Soloは高性能PCや接続するためのケーブルが必要もなく、移動できるVRヘッドセットが5万円台でそれを実現しているのだ。

Mirage Soloの登場によって、対応するVRコンテンツの中で、
・歩いたり
・しゃがんだり
・飛び跳ねたり
といったことが可能となりバーチャル空間の中を自由に行動できるようになった。

例えるなら、
今までのVRは部屋の中で椅子に座って窓の外の景色を見ていたようなものだ。
ところがMirage Soloは、その椅子から立ち上がって窓辺まで歩き、その窓から身体を乗り出して外の景色も楽しめるようになった。

まったく以前とは異なる世界を体験できる、そんなイメージだ。
VR体験がよりリアルになったのである。

Mirage Soloの使い方としては、
前後左右、上下360に対応したカメラの静止画・動画の視聴だ。自分の周りに広がる映像の世界を自由な視点で楽しむことができる。


立体映像は左右の目に相当する2つの映像を同期させて撮影する必要がある


Mirage Cameraは、簡単にVR映像が制作できるカメラだ。
実は個人でVRの“立体映像”を制作することは、なかなか難しい。
VRヘッドセットで立体視するには、左右の目に当たる2つの映像を同時に撮影する必要があるためだ。

立体映像を制作するには、
・人間の左右の目にあたる同性能な2台のカメラを同タイミングで撮影するシステム
・2台のカメラで撮影した別々の映像をVRヘッドセット用の映像への編集作業
この2つが必要だ。

こうした高いハードルを一気に取り除いたのがVR180対応のMirage Cameraだ。
VR180は、上下左右180°を撮影した静止画および動画のフォーマットである。

360°撮影できるカメラは前だけではなく後ろも記録されている。
このため、
・自分を取り巻く空間の中にいるという楽しみ方ができる
というメリットもあるが、
・撮影時にはカメラマンも写り込んでしまう
・前後2つのカメラの繋ぎ部分で映像がズレてしまうカメラもある
というデメリットもある。
また、VRヘッドセットで視聴する際にも、後ろを振り返りながら見るのは回転する椅子でも使用しない限りなかなか辛い体勢を強いられてしまう。

そこで、VR180では、
・後ろ側を写さない
・360°撮影に使用していた2つのカメラを前面に搭載する
と割り切ったことで、前方に見える180°を左右の目でとらえた立体映像の撮影を可能としている。


Mirage Cameraは上下左右180°の静止画・動画を立体映像として撮影できる


Mirage CameraはVR180による立体映像を、コンパクトデジカメ感覚で気軽に静止画として撮影できるほか、撮影した動画も前述したように面倒なVR用の編集することなくVRヘッドセットでの視聴やYouTubeにアップして手軽に楽しめるのだ。
こんな撮影が楽しめるカメラが、なんと38,664円(税込)で買えることが画期的なのである。

撮影した静止画や動画は、芸術作品というより記録映像に近いものとなるのだが、それは二度と巡り会えない“今”を切り取った貴重な映像だ。
旅行の思い出や、子どもやペットの成長記録、家族との日常、変わりゆく街並み、全てがその場にいるような立体映像として残すことができる。

実際にMirage Camera使ってみると同時発売のMirage SoloやひいてはVRの映像コンテンツを作るためのカメラとい役割以上に、映像を記録することに価値があることがわかった。

数年後、数十年後にこの立体映像の世界に立って、どんなことを思いだすのだろうか。タイムマシンのようなSF体験はもう始まっていると言って良いだろう。


執筆  mi2_303