不動産取引によく登場する用語として「坪」というものがあります。「坪」とは尺貫法に基づく日本独自の広さの単位ですが、メートル法が普及した現在においても根強く使用されています。

そして、不動産業界に転身した初日に教わった一つに、坪と平米の換算法があります(もう一つは建蔽率と容積率)。

今回はこの「坪」についてご説明します。

YNS / PIXTA(ピクスタ)

「坪」とはどのようなものか

1坪というのは一辺が6尺(1間)の正方形の面積です。

1尺は1mの33分の10の長さと定義されていますので1坪=60/33m×60/33m=約3.305 785 124平米ということになります。

Happiness* / PIXTA(ピクスタ)

部屋の広さを畳の数で表現するのも日本特有の習慣ですが、主に愛知・岐阜県といった中京地方や東北、北陸の一部で使用されている中京間においては畳のサイズは3尺×6尺と定められており、そのため日本においては「1坪=畳2枚」というイメージが根強く残っています。

「坪」を使用することは基本的に禁止されている

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

日本の計量法において面積に関しては平米を法定計量単位として指定しており、取引または証明において坪の使用は禁止されています。

そして「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」においても土地の面積や建物の床面積は平米で表示することになっています(1平方メートル未満は切り捨てることができる)。

法定計量単位とともに、カッコ書きで非法定計量単位を併記することは認められており、162.29平米(49.09坪)というような表記をすることは可能です。

それでも「坪」はどっこい残っている

PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)

1坪=約3.305 785 124平米というのはメートル法万能の時代においては何とも面倒な単位に思われるかもしれませんが、「1坪=畳2枚」という日本人の生活の中から誕生した単位であるため、「坪」は根強く使用されています。

土地取引ではほとんどの場合で土地面積の表記で坪数が併記され、販売価格を坪数で割った坪単価も明示されますし、戸建においても土地面積と建物面積の両方で坪数が併記されている事例がかなり多くなっています。

平米よりも坪の方が広さをイメージしやすいという人も多いのかもしれません。

売買仲介の営業にとって担当エリアの土地相場を坪単価で把握しておくことはスムーズに仕事を進めるための絶対条件となります。

また戸建住宅においては、延べ床面積である建物面積とは別に地面に接する部分の広さを意味する「建坪」という言葉があり、家の大きさを判断するうえで重要視されています。

「坪」は新築マンションの営業でも重要

shimanto / PIXTA(ピクスタ)

筆者は不動産業界の中でもマンションにかかわっていた時期が圧倒的に長いのですが、新築マンションの場合、販売価格の総額を販売面積全体で割った「平均坪単価」が意外に重要でした。

同じマンションでも広さや階数によって部屋の価格が変わりますが、平均坪単価はそういった要素から独立した共通の物差しになります。

販売価格を他物件と比較することもできれば、新たな物件に値付けをする際の基準にすることもできます。

営業としては「坪〇〇万円ならこれくらいのグレードになる」ということと、「坪〇〇万円までなら売れる」ということを把握しておくことが必要でした。

ちなみに2000年頃神奈川エリアで営業をしていた筆者には坪150万なら手頃なマンション、坪200万以上で高級マンションという感覚が残っていますが、今では全然違うものになっているかもしれません。

平米から坪への換算方法

june. / PIXTA(ピクスタ)

坪というものは正式な表記ではないため、平米から坪への換算には駅からの距離のような正式な計算方法が定められている訳ではありません。

恐らく大半の業者で行われているのは以下の方法だと思います。

平米×0.3025=坪数

この場合表記するのは小数点以下2桁までで、3桁以降は切り捨てます。

ちなみに「1坪=畳2枚」というのはあくまで目安であって、「1畳」の広さが正式に決まっているわけではありません。

そのため筆者の場合、洋室の「約〇帖(畳)」はかなり適当に決めていました。

いかがでしたか。

不動産業界に根強く残る「坪」についてご説明してきました。

様々な相場を比べるための指標としては「平米単価」でも別に問題ないではないかとも思うのですが、法律で強制したくらいでは長年根付いたものをやめることはできないのかもしれません。