長谷部は3バックの守備戦術について、具体的なイメージを口にした【写真:Getty Images】

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5バックにならず、ワイドを押し出すイメージ「後ろで余り過ぎないのが大事」

 日本代表MF長谷部誠(フランクフルト)が、27日に千葉県内で行われたトレーニング後に3バックシステムに言及。

 所属クラブと同じく3バックの中央でミニゲームに参加したキャプテンは「3バックには攻撃的なイメージを持っている」と戦術について語った。

 紅白戦でDF吉田麻也(サウサンプトン)、DF槙野智章(浦和レッズ)、DF昌子源(鹿島アントラーズ)と組み合わせを変えながら、3バックの中央に入った長谷部は「クラブでやっているので個人的にはそこまで違和感がない。ただ、周りの選手との兼ね合いや、やり方も違ってくる。それを合わせていく作業をしている。ピッチでやることで生まれるいろいろなシチュエーションで合わせるのが大事。ピッチの中でも外でもいろいろと話しながらやっている」と、連携面の向上に力を割いている現状を明かした。

 特に、3バックの守備戦術については具体的なイメージを口にしている。

「守備の部分では、あまり後ろで余り過ぎないのが大事。後ろからラインを上げて押し出して、前をサポートすること。5バックにならずにワイドをできるだけ押し出して、センターバックがサイドに出る。4バックのようになる形もあるし、中盤で浮いている選手がいたら3枚の誰かが捕まえにいけばいい。相手が1トップなら、自分が前に出てしまっても良い場面もある。そういうフレキシブルさを出したい」


「そんなに難しいトライではないと思う」

 長谷部はいわゆる“迎撃型”の3バックがイメージにあると話している。両ワイドを含めた5人がベタっとラインを引くのではなく、中盤の高い位置やボランチの脇でボールを受けるような選手を前に出て潰しに行く守備システムだ。現チェルシーのアントニオ・コンテ監督がユベントスを率いていた時期から流行の兆しを見せた守り方を、西野ジャパンもオプションに持とうとしている。

 さらに、長谷部は「中盤に人数をかけると思うので、そこで数的優位を作る。縦に速い攻撃は現代フットボールでは当たり前なので、それを続けつつ中盤を生かした崩しも加えていけたら」とコメント。バヒド・ハリルホジッチ監督時代の攻撃に、ポゼッションの要素もプラスしたいとし、「3バックには攻撃的なイメージを持っている」とまとめた。

 所属するフランクフルトが3バックを採用しているだけに、「4バックにはやり慣れている部分があるので、相手がどう来るかでも変えていくと思う。3バックも真新しいという感じではなく、自分としてはクラブでやっている分こっちの方が慣れてもいるし、そんなに難しいトライではないと思う」と、長谷部自身に戸惑いはない。

「ピッチの上であまり考えて動いているようだと遅れてしまうので、オートマチックになるようにしないといけない」

 少しでも早く戦術の確立を目指すためにも、長谷部を中心にしたコミュニケーションが欠かせない。


(Football ZONE web編集部)