さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYOFMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。5月19日(土)放送のテーマは「幕末」。NHK大河ドラマ「西郷どん」で注目を集めている幕末の英雄・西郷隆盛。薩摩藩(現在の鹿児島県)の下役人の頃に島津藩主・島津斉彬に見出された西郷は、その人柄と才能で道を切り開き、幕末・明治維新の立役者として名を残します。今回は、激動の時代を駆け抜けた「西郷隆盛」の素顔を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方に教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2018年5月19日(土)放送より)


幕末・明治維新の立役者「西郷隆盛」その素顔は?(後編)



◆「西郷隆盛はこんな人でした(その2)」
東京学芸大学 教授 大石学さん


(その1からの続き)
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【あわせて読みたい】
★幕末・明治維新の立役者「西郷隆盛」その素顔は?(前編)(2018年5月26日(土)配信) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/1w48jIUBwG.html

── 入水自殺からの生還後、西郷隆盛はどうなりますか?

表向きは死んだことにされて、名前を変えて島流しになります。ちょうど大河ドラマでも島での流人生活が始まったところですが、その間に桜田門外の変が起こって井伊直弼が暗殺され、激動の時代に突入します。西郷はそれを遠い島から眺める傍観者という立場ですね。

西郷本人はやきもきしていたでしょうし、いつでも帰るつもりはあったでしょう。でも、島から出られなかったので、クールに歴史を見る立場になっていました。後で表舞台に復帰しますが、この期間にいろいろ考えながら静かに過ごせたのは、ひとつのステップとして大きかったと思います。

── 西郷はどうやって復帰したんですか?

大久保たちが一生懸命に西郷復活の運動をして、島津久光の了解を得て西郷は表舞台に帰ってきます。当初は幕府に対して死んだことにした手前もありましたが、対立が深刻になって遠慮がなくなったという部分もあるでしょう。まあ、家族や友人は生きていることを知っていましたから、そこらへんは周囲が上手く庇ったんだと思います。

ただ、大久保利通は幼い頃から西郷を慕っていましたが、ある段階からふたりの間に距離が生まれます。江戸や京都で大活躍した西郷に対し、大久保はずっと薩摩で久光の側にいました。さらに、西郷を引っ張り上げた斉彬が江戸育ちだったのに対して、大久保の久光は薩摩育ち。そのあたりの微妙な人間関係も影響があったでしょう。

── 結末はわかっていても、今後の展開が気になります!

ちなみに、死んだことにされた西郷とは裏腹に、桜田門外の変で死んだ井伊直弼は、しばらく生きていることになっていました。首を取られたなんて彦根藩としても幕府としても恥なので、生きているという形にして病欠の届け出をして、後で「病気が治らず死にました」という体裁にしたんです。井伊直弼が弾圧しようとした西郷と真逆なのが皮肉ですね。

それから、西郷は吉之助という名前でしたが、隆盛になったのは明治2年に正三位という位をもらってから。上野の銅像が犬をつれているのは本当に犬が好きだったからなんですが、政府に反逆して戦争を起こした人なのに銅像というのもミラクルですよね。ただし、奥さんは完成した銅像を見て「これはウチの旦那じゃない」と言ったそうです。どうも「浴衣で人前に出るような人じゃない」という意味だったみたいですが。

TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)の博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・シンイチと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

※「ピートのふしぎなガレージ」では、毎週3名の方にホットサンドクッカーをプレゼント! 詳しくは番組サイトをご覧ください。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。6月2日(土)の放送のテーマは「歯の健康」。お聴き逃しなく!

<番組概要>
番組名:ピートのふしぎなガレージ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage