「いつか結婚するだろう。いつか母のように専業主婦になるだろう」とそう思って気が付いたら30代だったという女性達がいます。中にはずっと実家暮らしで、専業主婦になって仕事を辞めるかもしれないからと、非正規雇用のままキャリア形成せずに来てしまったという方も。

若さもキャリアも生活力もない、その原因は誰のせいでしょうか?

女性の社会進出が未婚化を進めたのはウソ!正社員女性の方が結婚しやすい

「女性の社会進出が進み、晩婚化・未婚化が進んだ」と解説する記事をよくみかけます。そういう時代もあったかもしれませんが、今は違います。確かに、仕事が忙しくて婚期を逃した方は男女ともにいるでしょうし、すっかりオス化して可愛げないキャリアウーマンもいるでしょう。

とはいえ、これが全てではないのです。

日本労働組合総連合会が2017年に女性1000人を対象に行なった調査では、学校卒業後のはじめて就いた仕事が正社員か非正規雇用かで、その後の結婚率に大きな差があることがわかりました。

夫がいる人の割合
・正社員…70.9%
・非正規社員…26.9%

はじめに正社員で就職した女性の方が結婚しやすいのです。「男女共同参画白書平成25年」によると結婚直前の女性の雇用形態は正規雇用64.2%、非正規29.2%、その他6.5%となっています。

横浜市男女共同参画推進会が行なった調査では、独身アラフォー女性の4割が非正規雇用でした。

独身の正社員に結婚しなかった理由を聞くと、多くの方は「仕事が忙しい」と答えるでしょう。私も独身時代はそう言っていましたし、周りの独身の同僚もそう言っていました。

「性格と外見に問題があって結婚できませんでした」なんて言う人はそうそういないでしょう。仕事に責任転嫁すれば、自分は被害者のつもりでいられるのですから。

仕事と家庭を持つ女性と、仕事も家庭も持てない女性が二極化していく

正社員と非正規社員では研修・教育にかけるコストが違います。新卒で入社すれば、正社員ならば手厚い新入社員教育を受けられます。産労総合研究所の調査では平均すると入社前研修約4万円、入社後研修18万円。教育内容は日常的な業務の他に、社会人マナー、課題設定なども盛り込まれていることが多いです。しかし、非正規社員は入社前に研修はまずありません。

なぜ正社員だけなのかと言えば、長期的に働いて欲しい人材だからです。

正規雇用で当たり前のように働いている男性は、同じような価値観の女性を求めます。彼らと「当たり前」が同じなのは、きちんと教育を受けた正規雇用の女性達。

さらに正社員でも、ずっと実家暮らしの女性はやってもらうのが当たり前の女性が多いのも特徴です。

「誘ってくれない」「会話を盛り上げてくれない」「分かってくれない」「決めてくれない」と相手にクレクレ要求してしまいがち。そんな女性を多忙なビジネスマンはパートナーとして選びません。

「結婚」か「仕事」かのどちらかしか選べなかったのは昭和の話です。正社員で就職して、自分のライフステージが変化していく人と、ずっと「娘」のままでライフステージが変わらない人の二極化が進んでいくのです。

10代を勉強に捧げ、20代を仕事に捧げ、女らしいことと無縁で30代になった女性が、30代で女性として輝くことはあります。10〜20代で自分を甘やかして、受け身で誰かに生き方を決めてもらい、30代でも女子気分のままの女性は、ずっとそのままです。これからの人生を立て直そうと思うなら、腹をくくって、そこそこ苦労を覚悟しないといけません。

非正規雇用の独身者にとって「働き方改革」も「ワークライフバランス」も一切関係ないのです。1日でも若いうちに、本気を出さないと結婚以前に社会から孤立しかねないんですよ!

男性からも仕事からも選ばれない、独りぼっちになってしまっていいんですか?

30代実家暮らし非正規雇用年収200万円台女性の言い分

ある結婚相談所の会員データを見せてもらったことがありました。その会員の中には、昭和生まれで「パート」「派遣社員」「契約社員」、さらには「家事手伝い」までいらっしゃいました。それでも大半の女性の職業欄は「会社員」「看護師」等になっていますので、決して結婚相談所には経済的に自立していない女性が集まっているわけではありません。

結婚相談所は男性が入会する条件は定職に就いている等がありますが、女性に関しては条件をもうけていないところがほとんど(この辺が時代錯誤だと思うのですが……)。

私のところにも、独身なのに、非正規雇用で年収は300万円前後のまま30代になってしまったという女性がたまにご相談に来られます。多くは実家暮らしです。

「いつか結婚するからキャリアとか自分に関係ないと思っていた」と言うのです。婚約者がいるならばいざ知らず、彼氏もいないのに結婚して主婦になるつもりで人生ノープランだったとか。

20代後半ぐらいで危機感を持たなかったのですか?と、何人かに聞いてみると、

「周りも似た様な人ばかりだからそう思いませんでした。職場にはアラフィフで実家暮らしの派遣社員もいます」

「親が働きすぎると結婚できなくなると言うんです」

「真面目に働いているから、別に派遣でもいいと思っていました。一人暮らしは親から『結婚する時に出ていけばいい』と言われて反対されて、ずっと実家暮らしです」

「実家暮らしなので自分の収入が低いっていう自覚がありませんでした。経済ニュースとか見ないので気が付かなかったです」

見えてくるのは、甘やかす親と依存する娘の関係でした。そういう女性が社会には一定数いて、同僚のほとんどが非正規雇用という職場はそういう実家依存娘のたまり場になり、危機感が無くなっていくというサイクルです。

「結婚できるかも」という奇跡を待つのは宝くじを当てにするようなもの

「生き方も働き方もそれぞれでしょう」という言い分もあるかもしれません。しかし、多様性を尊重することと、格差拡大を肯定することはまったく別でしょう。

「私の同僚で非正規アラフォーだけれど素敵な男性と結婚した女性がいた」「40代実家暮らしでも結婚した女性もいたから大丈夫でしょう」というご意見もよくいただきます。もちろんそういう可能性はあるでしょう。

じゃ、現状のままで、その少ない可能性にかけますか?

宝くじは絶対に当たる人がいるのも事実です。しかし、当たることを期待して購入するのと、宝くじに当たることを想定して人生設計するのはまるで違います。

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反抗期が無く親の昭和の価値観を鵜呑みにし、ずっと「いい子」な娘たち

私の友達でも、親が「女の子は勉強しなくていいから」「女の子は働かなくて永久就職すればいい」という古いタイプだった方がいます。

「なに時代遅れなこと言ってるのよ!」と親のいうことを聞き流して、まともに相手にしなかったそうです。

一方で、親の話を鵜呑みにする幼い30代女性達は、そんな反抗期らしいものがなくずっと「いい子」のままなのです。

過干渉で甘やかしすぎる親が悪いのか、自立心がない娘が悪いのか判断はしかねますが、おそらく親はずっと変わりません。「母親」で居続ける為に、娘を自立させずにいるでしょう。だって、親は高確率で娘より早く亡くなってしまいます。逃げ切ってしまえるのです。

35歳女性が40歳までに結婚している確率は2%程度とも言われています。一人暮らしの経験もなく、責任の軽い楽な仕事しかしたことがなく、年相応のキャリアも生活力もない女性はこの2%に入れるのでしょうか。そんな独身の娘を置いて、親が先に逝ってしまうのは何年後でしょうか。

婚活以前に親離れをしましょう。誰かの娘をやめない限り「女」になれないのですよ。

少ない可能性を追い続け、ずっと娘で居続けると、想像よりずっと辛い未来が待っていますよ。

出典
アラフォー独身女性4割非正規の記事
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO06162820X10C16A8TY5000

日本労働組合総連合会の調査結果
https://joshi-spa.jp/764803

新入社員の教育コスト
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/kyoiku/daisotsu/pr1504.html

35歳以上の女性が結婚できる確率
https://wedding.gnavi.co.jp/howto/42248/


 恋愛・婚活の賢人菊乃

出会いがない女性向けの恋愛婚活コンサルタント。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活ブログが人気になり2011年に出版独立。著書は「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。具体的で分かりやすいアドバイスは何からやったらいいか分からない方に好評。
ブログは今も毎日更新。https://ameblo.jp/koakuma-mt/  山形県出身、静岡大学卒。