ゲームにハマリ500万円の借金を作った主婦も(写真/アフロ)

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 スマホ向けのオンラインゲーム、通称「ソシャゲ(ソーシャルゲーム)」にハマった末に、「ソシャゲ依存」と呼ぶべき状態に陥り、身を滅ぼしてしまう主婦が増えているという。

 夫と子供と3人で幸せな家庭を築いていた主婦A子さん(茨城県在住、41才)も、ソシャゲ依存で生活が立ち行かなくなったひとりだ。

「主人公が強くなるレアアイテムが欲しくて、夫の稼ぎだけでは足りなくなり、消費者金融に手を出しました。すぐに返済するつもりだったのですが、あっという間に借金が200万円に膨らんでしまって…」(A子さん)

 夫に真実を告げることができず、A子さんは借金返済のため、高収入を謳った副業の“初期投資”として教材費300万円を振り込んでしまう。

「借金額は合計500万円。夫にはもちろん、親にも言えなくなり、パートと嘘をついて昼間に人妻専門の風俗店で働き始めました。ここで地道に返していくしかありません。仕事の間は、小学生の子供を親に預けていますが、正直、空き時間に心置きなくゲームができる喜びも感じていて…そう思ってしまう自分がとても怖いです」(A子さん)

 男女関係のトラブルも多い。埼玉県在住の主婦B子さん(35才)は、ソシャゲの中で出会った男性と不倫に発展し、関係を断ち切れないでいる。

「ゲームの中で意気投合し、恋愛関係になってしまったんです。ゲームの中だけの関係にとどめるつもりでしたが、相手の男性が『どうしても会いたい。会わなければゲームの中の関係も終わりにする』と言うので、断り切れずに現実世界でデートすることになったんです。でも、そこに現れたのは私の好みとは真逆の男性。正直、嫌悪感を覚えましたが、ゲーム中の関係を壊したくなくて、ホテルまで行ってしまいました」

『ネトゲ廃女』(リーダーズノート)の著者で、ノンフィクションライターの石川結貴さんはこう話す。

「理解できないかたも多いでしょうが、ソシャゲが生活のすべてになっている人にとっては、ゲームの中の人間関係はとても重要。たとえバーチャルな世界だとしても、関係を壊してゲームができなくなることの方が嫌なんです」

 なぜ、彼女たちはこれほどゲームに依存していくのか。石川さんが語る。

「ママ友に気を使ったり、日々の人間関係に窮屈さを感じている主婦にとっては、ゲームの中で出会う人たちは刺激的な存在です。

 例えば、パーティを作って複数でゲームを進めていた場合、働いている人よりも時間に余裕のある主婦が強いプレイヤーになることがあります。そうなると、必然的にリーダー的存在になって仲間に頼られるようになる。普段は家事をしても感謝されることはありませんが、ゲームの中では感謝され必要とされる。“この人たちのためにもっと頑張らなきゃ”という思いが増し、ますますゲームにのめり込んでしまうのです。

 またソシャゲでは、ユーザー同士のランキングが出たり、何かと“他者”と競争する仕組みになっている。外で働いている人たちのように、目に見える形で評価される機会が少ないので、高ランクになると達成感が大きいのでしょう」

『ネトゲ廃人』(リーダーズノート)の著者でノンフィクションライターの芦崎治さんも指摘する。

「“自分の人生はおもしろくない”と思っている人ほどゲームの世界に没頭する傾向が強い。日々の生活はうまくいかないことの方が多いですが、ゲームの中では自分がお姫様になって王子様と結婚することだってできる。これほど自分の承認欲求を満たしてくれるものは他にないと思い込む人も多いです」

 ソシャゲにハマる主婦は、性格にも共通点があるという。

「少しでも強くなるために時間もお金もかけて毎日コツコツ頑張る、仲間のために攻略法を入念に調べる。そういう真面目で責任感が強いタイプが依存しやすい。実際、ソシャゲにハマる前は、編み物やアクセサリー作りなど地道な作業を趣味にしていた人が多くいました。手芸が家庭を壊すことはありませんでしたが、時間の使い方がゲームに変わったことで、新たな問題が生まれるようになったといえるでしょう」(石川さん)

※女性セブン2018年6月7日号