獣医師に聞いた!猫ちゃんの変な好物。なんでこんなものを食べるの!?

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猫を飼っていて、「え、そんなもの食べて大丈夫?」と、ビックリしてしまった経験はないだろうか。猫といえば、魚好きなイメージがある人も多いかもしれないが。「猫ちゃんの変な好物」という「教えて!goo」の投稿では、ブロッコリー、カーネーション、フライドチキン、奈良漬け、南高梅など、「え、こんなものまで食べるの?」と、ビックリする猫の好物がたくさん紹介されていた。猫=魚が好きというイメージも強いと思うが、人間のように個体ごとに好みが違うのか、猫の好みがどう決まるのか、などを獣医師の千田純子先生に教えてもらった。

■子猫の時に食べたものが好物に

「我が家の猫はそうめんが好物です。焼きのりも大好きですよ」(千田先生)

「教えて!goo」に寄せられた回答にも負けず、千田先生の猫も珍しいものが好物のようだ。

「我が家の猫は、野良猫から保護された子。そうめんや焼きのりは、子猫の時にゴミを漁ったりして食べた経験があったのではないかと推測します。なぜなら、子猫の時、すなわち社会化期(生後2週齢から9週齢)と呼ばれる時期に食べた物を好むようになると考えられているからです」(千田先生)

■猫は個体により、食の好みが違う?

猫の好物は子猫の時に食べたもので決まる。ということは、猫は個体により、食の好みが違うのだろうか? 「猫=魚好き」というわけではなく、やはりそこは人間と同じで、猫によって食べ物の好みが異なるのか?

「猫によって好物は異なります。確かに日本では『猫は魚』というイメージがありますが、猫はネズミや小鳥、小動物をとって食べます。野良猫上がりの我が家の猫は時々、生きたトカゲを家にお土産に持ってきます。その一方で、生後1〜2週間で捨てられ、人間の手で育てられたもう一匹の我が家の猫は、缶詰やキャットフードなどの人間が作った食べ物を好みます」(千田先生)

■猫に食べさせてはいけない食べ物

ちなみに、いくら欲しがってもこれは食べさせてはいけないNGな食べ物はあるのだろうか……?

「欲しがっても与えてはいけないのは、玉ねぎやネギ類の入っているものです。ドッグフードなども食べる猫がいますが、猫と犬の必要な栄養素が違うので、たくさん食べさせないように注意が必要です。ビニール袋を食べる猫の相談を受けたこともありますが、これは『異嗜』と言って病的な状態です」(千田先生)

しかし、なぜ玉ねぎやネギ類が猫にNGなのだろう……?

「玉ねぎ類の中に含まれているアリルプロピルジスルフィドや、その類似物質を犬や猫がとると、赤血球を破壊し、溶血性貧血を起こします。重度の場合は死に至る場合もあります」(千田先生)

ちなみに「イカを猫が食べると、腰が抜ける」という言い方をされることがあるが、これについてはいかがだろうか。

「生の魚介類やイカには、ビタミンB1チアミンを分解する酵素チアミナーゼが含まれています。多量に食べるとビタミンB1欠乏症になって、人間で言えば『脚気』になって、食欲不振、嘔吐、体重減少、脱水、心臓機能障害、浮腫、神経炎などの症状を起こし、重度であれば死に至る場合もあります」(千田先生)

愛猫によって、それぞれの好物があるだろう。しかし、いくら欲しがっても、なかには上記ケースのように与えてはいけない食べ物もある。いままで気に掛けていなかった飼い主の方がいたら、これを機会にくれぐれも注意したい。

●取材協力
ペット行動コンサルタントSENDA

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)