焼肉が好調を維持、居酒屋の不振が続く 4月外食市場動向調査

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 日本フードサービス協会の発表によると、4月の外食市場では、焼肉が客数増により好調を維持している一方、ファーストフードやファミリーレストランなどのちょい呑みに押されて、居酒屋の不調が続いていることが分かった。

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■20カ月連続で前年比プラス

 25日、日本フードサービス協会が2018年4月度の外食市場動向調査を発表した。外食全体の売上高は前年同月比101.8%で、20カ月連続でプラスとなった。店舗数は100.4%、客数は99.1%、客単価は102.7%のため、客数のマイナスを単価でカバーした格好となっている。

 花見需要が3月に前倒しとなったことで、持ち帰り米飯/回転寿司やファミリレストラン、居酒屋などで集客の減少となったものの、価格改定や高単価商品が好調だった。

■中華や焼き肉は客数が伸長

 売上が好調だったのは、ファーストフードのカテゴリーでは、洋風(前年同月比:103.4%、以下同じ)、和風(104.1%)、麺類(103.5%)、ファミリーレストランのカテゴリーでは、中華(106.1%)、焼肉(105.7%)、ディナーレストラン(104.3%)、喫茶(103.2%)など。ただし業種によって内訳は異なっており、ファーストフードの洋風、和風、麺類では、客数と客単価がともに前年比プラスとなっているが、ファミリーレストランの中華と焼肉では、客単価は微減(中華:99.8%、焼肉:99.9%)ながらも客数が大きく伸びている(中華:106.3%、焼肉:105.8%)。

 17カ月連続でプラスが好調が続く焼肉は、根強い『肉ブーム』に加え、メディア露出による集客効果などが後押しした。

■不振の続く居酒屋

 売上が不調だったのは、その他のファーストフード(91.2%)、ファミリーレストランの和風(99.3%)、居酒屋(95.7%)で、この3業態のみ前年比マイナスの売上となった。

 特に目立つのは居酒屋業態の不調で、店舗数が95.9%、客数が96.9%、客単価が98.7%と、3つの要因とも前年比マイナスだ。業態別で3つの要因が全て前年比マイナスとなっているのは居酒屋だけ。

 「その他のファーストフード」は、携帯会社とのコラボキャンペーンの規模を縮小した『アイスクリーム』が昨年ほどの集客に至らず、「居酒屋」は、店舗減少に加えて、低中価格帯の店ではファーストフードやファミリーレストランの酒販売やコンビニとの競争が不振の要因となった。