AIのおすすめで新たな発見があるかも

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 かつてはSF映画に登場する未来の技術だったAI(人工知能)は、いまや急速な進化を遂げ、身の回りのサービスに活用されるようになった。東宝と日本マイクロソフトがタッグを組んだプロジェクト「HIBIYA2018」では、AIがおすすめの映画を提案するサービスが体験できる。

 「HIBIYA2018」は、2018年3月にリニューアルオープンした「日比谷シャンテ」で、マイクロソフトクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のAI(人工知能)サービスを活用し、近未来の消費体験を創造するプロジェクト。そのひとつとして、同施設の地下2階に設置された、「シネマビジョン」と呼ばれるデジタルサイネージでは、モニターの前に立った人の年齢や性別、表情などをAIが分析し、最適な映画の予告編を自動で上映する。

 報道向けの内覧会がこのほど行われ、20代女性がシネマビジョンの前に立つと、3秒ほどで木村拓哉と二宮和也が映画初共演を果たした「検察側の罪人」(8月24日公開)の予告編が始まる、続いて東出昌大と新田真剣佑が兄弟を演じた「OVER DRIVE」(6月1日公開)の予告編が流れた。おすすめパターンが複数用意されており、AIの判定結果よってそのうちの1パターンが選ばれるという仕組みだという。日本マイクロソフトの浅野智氏(クラウド&エンタープライズビジネス本部本部長)は、「AIから見ると私はこんな人なんだ、といったような自分自身についての新しい発見があるのもおもしろい」と語る。

 ちなみに無人の場合は、一般的な宣伝が表示される。反対に複数の人物がいる場合は、任意に代表者がピックアップされ、その人物を判定するという。女性向けの施設のため、男女のカップルが立った場合は女性が優先される設定の模様。現状では東宝配給作品12作品がラインナップされているが、今後、変更していく可能性も十分あるという。

 今回の取り組みでは、「シャンテでシネマビジョンを見た」と日比谷ゴジラスクエアにある「ローチケ HIBIYA TICKET BOX」で伝えるとオリジナルグッズを先着限定でプレゼントする施策と組み合わせられたが、予告編の後にQRコードを表示させてチケット購入を促す、あるいは劇場にも同様の顔認識システムを導入して効果測定を行うなど、応用・発展の幅は広いだろう。

 日本映画製作者連盟によれば、2017年に公開された映画は邦画・洋画あわせて1187作品。そのなかから、見たい映画や自分の興味に合う映画を見つけ出すのは容易ではない。一方で、見てみたら意外と面白かったというような掘り出し物に出合うことを楽しみにしている映画ファンもいる。AIを活用し、映画ファンのニーズを満たしつつ、映画人口を拡大させるサービスには大きなチャンスがありそうだ。