「前略、僕は日本のどこかにいます。」――。一言ながら、見た人の心をつかむようなキャッチコピーと共に写るのは、中央に2つの待合ベンチがぽつんと置かれたホームとその後ろに広がる海。

これは、愛媛県伊予市にあるJR予讃線下灘駅が写った、青春18きっぷ(2000年冬)のポスターだ。

筆者も2年前の夏、ここに訪れたことがある。早朝、松山駅から電車に揺られること約1時間。下灘は無人駅のため、乗務員に18きっぷを見せて降りた。駅で降りたのは私だけであった。

ホームからは目の前に広がる瀬戸内海が一望できる。スマートフォンを片手に、風景を何枚か撮った。松山駅に戻ろうとし、一緒に乗車したのは地元に住んでいると思われる男子高校生だけだった。

インスタグラムやツイッターには、下灘駅の写真が多く投稿されている。撮影者はどういった魅力を感じ、訪れるのか。そのうちの1人、ツイッターユーザーの@こばさんにJタウンネット編集部は2018年5月、話を聞いた。

「駅のホームに立つと視界に入るのは...」


@こばさん撮影

@こばさんは福岡県出身で、普段は愛知県に住んでいる。下灘駅に撮りに行ったのは2018年5月4日。今回が初めてだったという。

@こばさんは下灘駅の魅力について、次のように話す。

「駅のホームに立つと視界に入るのは、海と待合ベンチとたまにやってくる気動車のみ。勿論これだけでも気持ちの良い景色が広がっていて好きになる。でも、さらに少し見る角度や時間帯を変えるだけで色々と表情が移り変わるので、自分のお気に入りの風景を見つけるのが楽しい」

撮影に適した季節については、「ぼ〜っと海を眺めるのに心地よい」春か、秋を勧めながらも、「お気に入りの季節を見つけに自分で足を運ぶのが良いと思う。湿度が低い時期だと遠く松山市街の夜景も見えて『海の向こうの街の灯り』に旅情を感じるから好き」としている。

時間帯は、夕暮れから日没にかけてを勧めた。その理由について「刻一刻と移り行く景色を楽しむことが出来るから。なお、地元ボランティアガイドの方の話では、朝もオススメとのこと。順光(ホームから列車と海が綺麗に写る)で、なおかつ人も少ないらしい」と話してくれた。

@こばさんは一眼レフを買って7年目を迎える。購入以前も写真を撮るのは好きだったという。

よく撮る写真は、鉄道のある風景写真、旅行中のご当地グルメ、観光地のスナップ写真をあげてくれた。

@こばさんは撮影時、普段から「見てくれた人達にその場の情景や物語が伝わるような写真を撮りたいと意識している」と心がけているそうだ。