私たちはこれまでに散々、LINEやデートのHow toを学んできた。

しかし、LINEやデートに漕ぎ着けるまでに、まずは“出会い”という最初の関門が待ち受けていることを忘れてはいないだろうか。

初対面であんなに盛り上がったはずなのに、LINEは既読スルー。仮に返事が来たとしても、いつまでたっても前に進まない。 そんな経験、無いだろうか?

“出会い”を次のステップに繋げる方法を学ぶため、あなたに宿題を出していこう。

さて、今週の宿題は?




「真理子、来週の土曜って時間ある?このパーティー出会いが多いらしいから、一緒に行かない?」

そう言って友人の恵那から誘われたのは、とある企業が主催している婚活系のイベントだった。

「へぇ〜婚活系のイベントねぇ...どんな人が来るの?」

あまり興味もなく、話半分で聞いていたが、恵那が教えてくれた情報で私の興味は一気に増した。

「男性は年収に条件があるから、結構良い人が集まるみたい。とりあえず参加してみない?男性が良い分、女の子も可愛い子が多いみたいだけど」

「まぁ、そこまで言うならば...女性の参加者の子達も、みんなレベルが高そうだね」

そう言いながらも、自信がなかったわけでは決してない。

身長165cm、細身。学生時代は某テレビ番組のアシスタントも務め、一時期芸能界をかじっていた。

27歳になった今でも食事会に行けば必ず誰かに気に入られるし、容姿は人並み以上だろう。少々人見知りのため、愛嬌を振りまくのは苦手だが、性格だって悪くないと思う。

-まぁ、余裕綽々かな。

そう思って参加した会だった。しかし、私のこのプライドはすぐにズタボロにされることになる。


大人数の中でも目立つ容姿。でも彼女に男が寄ってこないのはナゼ


宿題1:大人数での出会いの場で、女はまずどんな所に気をつけるべきなのか述べよ


「わぁ、さすが真理子ちゃん!“THE・いい女”って感じがする!今日の洋服も、すごく素敵だね」

会場前で待ち合わせていた恵那が、私を見るなり駆け寄り褒めてくれた。

私は体のラインが綺麗に見えるようなVネックのニットに、タイトスカート。足元はピンヒールに、そんなコーデを格上げしてくれるブランドのバッグ。

髪もやり過ぎないくらいに上手に巻けたし、自分の中では完璧なスタイルだ。だから恵那の褒め言葉は素直に嬉しかった。

「そう?そんな風に言ってくれてありがとう。恵那もその洋服、可愛いじゃん」

一方の恵那は、綺麗めな黒のシンプルなワンピースだ。

しかしよくよく彼女を見ると、ピアス以外ノーアクセ。そして髪は巻いておらず、肩くらいまで伸びた真っ直ぐな黒髪のストレートヘアーだった。

「さ、さすが恵那。シンプルだね」

それが率直な感想だった。恵那は小柄で、顔もとても可愛らしい。しかし至って“普通”なのだ。

もう少し手を加えればもっと磨きがかかるのに、本人が“私は真理子ちゃんのように華やかでもないし、洋服負けしちゃいそうだから”と至って謙虚なため、いつもこんな感じだ。

「とりあえず、行こうか」

そう言って、私たちは手を取り合い会場に入る。室内は既に熱気に包まれており、なかなか良い出会いがありそうである。

「今日の一番人気は真理子ちゃんで決まりだね」

会場に入った途端、私たち二人に熱視線が注がれる。その視線を感じながら、恵那の言葉に間違いはないと思った。

しかし、実際にはこの言葉は間違いだらけだったのだ。




「こんにちは。今日はお二人で来られたんですか? 」

グラスのシャンパンを受け取ろうとしていた所で、早々に一人の男性から声をかけられる。

恵那は“ほら、来たよ”と言いたげな様子で、私と彼が話しているのをニコニコと見ている。

「そうなんです。あ、こちらは友達の恵那です」

たまに女同士でこういう会に来ると、自分だけが良い人から声を掛けられた時に、 連れてきた友達を相手の男に紹介しない女がいる。

でも、私はそんなことは絶対にしない。友達も大事だし、何より誘ってくれたのは恵那だから。

「こんにちは。お二人とも綺麗だから、すごく目立っていますよ」
「いえいえ、そんな...」
「お名前は?僕はユウジって言います。医者をやっています」
「へぇ〜ユウジさん。私は真理子です」

しかしユウジと名乗るその男性と話している間に、また別の男性から声をかけられた。

「お話中、割り込んですみません。普段は、何をされているんですか?」

その時だった。質問に答えようとした瞬間、私は面食らった。

その男性は、私ではなく恵那だけに向かって話しかけているのだ。

-…そっか、私は今、ユウジさんと話しているから仕方ないか。気がきく人だなぁ。

それくらいにしか考えていなかった。しかし、ユウジと連絡先を交換した後、私は衝撃の事実を知ることになる。

どの男性も、私ではなく恵那ばかりに話しかけてくるのだ。


男性陣が恵那にばかり話しかけ、真理子に話しかけない理由とは


宿題2:美人なのに、圧倒的に彼女に欠けていたものを探し、答えよ


「今日は友達と来ているんです。こちら、友達の真理子ちゃんです」

他の男性陣から話しかけられている間も、性格の良い恵那は、笑顔で私のことも忘れずに紹介してくれる。

私は恵那から紹介を受けるたび、男たちの方に挨拶をして、真剣な表情で話を聞くのに徹していた。

しかし、明らかに男性陣の興味の矛先は、恵那のみに向いているのだ。

「今、時間いいですか?さっきから凄い人気だから、なかなか話しかけられなくて」

そんなセリフと共に、どこから湧いてくるのか分からぬくらい、恵那の前には次から次へと男が現れる。

毎回私に気を使ってもらうのも悪いし、初対面の人と何を話して良いのかも分からず、私はそっと一人でドリンクを取りにバーエリアへと移動した。

遠巻きに見ていても、恵那の周囲には男性が群がっている。

一方で、私は医者のユウジと、あとは恵那に声をかけてきた男性の友人とか、バーター的男しか今のところ話していない。

-どうしてなんだろう...

シャンパンを一人で飲みながら、眉間のシワは濃くなるばかり。益々ふくれっ面になっていく。

食事会ではいつも人気を博しているのに、今回ばかりは全くの惨敗だ。

しかも、仮に自分の性格に難があるならば理解はできるが、性格云々を判断する前に、話し始める“キッカケ”さえない。

男性は、大勢いる中の誰に話しかけるかを、”ファーストインプレッション”で決めているはず。

恵那は恵那でもちろん可愛いが、顔面とスタイル偏差値だけで見ると誰が見ても私の方が優れているだろう。それなのに…。

しかしさっきから皆、私のことをチラチラ見るものの、近寄ってこないのだ。




「さっきから、何を見ているんですか?」

ドリンクコーナーの前でぼうっと突っ立っていると、一人の男性から声をかけられた。

「いえ、別に何も...喉が渇いたので飲み物を取りに来たんです。ゴメンなさい、ここに立っていたら邪魔ですよね?」

そう言ってそそくさとその場を去ろうとすると、その男性は後を追ってきた。

「お友達、大人気ですね。僕の友達も、彼女と話そうと必死ですよ(笑)」

「本当に、大人気で。お友達といらしたんですか?」

啓介と名乗るその男性は、とても好感が持てる人だった。年齢は30歳前後だろうか。私たちはバーエリアからラウンジエリアの方へと移動し、なんとなく話し続ける。

「でも真理子さんが会場に入ってきた時、男性陣は圧倒されたんじゃないかな。綺麗な人が来た〜!!ってみんな思った気がする」

啓介の言葉は嬉しかった。しかし、それと同時にますます疑問は深まる。

「そんなことないですよ。そんなふうに言って下さるのは、啓介さんくらいです。実は人見知りで、今日もほとんど話してないですし」

「ナルホド、人見知りだからかぁ...真理子さんって、こんな美人なのにすごくいい人ですね。話してみると性格の良さが伝わってきます!」

たしかに、会場に入った時には男性陣は皆こちらを見ていたし、掴みが悪かったわけでもなさそうだ。

-それなのに、どうして誰も私には話しかけてこず、恵那ばかりに話しかけるのだろうか...

ニコニコと笑顔で話し続けてくれる啓介の横顔を見ながら、男性は女の第一印象のどこで判断し、ふるいにかけているのか全く分からずにいた。

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