長谷部が、西野ジャパンの“3バック構想”に言及した【写真:Getty Images】

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25日から日本代表合宿に合流、3バック導入案には好意的

 日本代表MF長谷部誠は、25日に千葉県内で行われたトレーニングに合流すると、西野朗監督の構想にあるという3バックシステムについて言及した。

 所属のフランクフルトで3バックの中央を務める長谷部だが、「自分が前、後ろと入れるようになればオプションも増える」と好意的に捉えている。

 長谷部は現地時間19日に行われたDFBポカール決勝でバイエルン・ミュンヘンに勝利し、フランクフルトの30年ぶり5度目のタイトル獲得に貢献して代表に合流した。そのことを「カップ戦は良い形で、優勝という最高の形で終われた」とするものの、「ここでの戦いはクラブと違うので、しっかりアジャストしたい」と話す。

 そのなかで、クラブでの経験値を還元できそうなのが3バック構想だ。これまでバヒド・ハリルホジッチ監督の下では一貫して4バックで戦ってきた日本代表だが、ワールドカップ(W杯)直前のタイミングでの監督交代により、システム変更も視野に入る。西野監督も採用の可能性を言及するシステムについて、長谷部はこう語っている。

「個人的には3枚でも4枚でも対応できると思う。試合の中でメンバーを変えずに自分が前、後ろと入れるようになればオプションも増える。自分がどこで出るか、監督がどう考えているかは分からない部分もある。代表チームとしてはW杯までに試してやっていくと思うので、1日、1日が大切になると思う。3バックといってもやり方は違う。チームでやっているやり方と、考えられているやり方には違うこともあると思うので、周りの選手とコミュニケーションを取ることも大切だと思う」

 長谷部はこう話し、代表チームで普段務めるボランチと最終ラインを、試合展開やベンチからの指示に応じて柔軟にポジションチェンジできれば、交代枠を使うことなくシステム変更が可能という点で前向きに捉えている。


コミュニケーションの重要性を強調 「一つの方向にまとまるのが必要」

 一方で、今回の招集メンバーでは浦和レッズのDF槙野智章やDF遠藤航のように、クラブでも3バックを日常的にプレーする選手と、鹿島アントラーズのDF昌子源とDF植田直道のように、その経験が多いとは言えない選手が混在する。西野監督が考える3バックと、フランクフルトや浦和の3バックでは細かい守備の約束事が違うことも予想されるため、それをすり合わせるコミュニケーションの必要性を重要視した。

 長谷部は「チームの方向性を最終的に決断するのは監督。そのなかでコミュニケーションを取って意見を出し合って、一つの方向にまとまるのが必要だと思う。こういう組織の中では意見の相違はあるもの。芯となっている勝つことは、みんなが持っている。それがあれば、まとまれると思う」と、西野監督の決断に対して選手たちが一枚岩になることには自信を見せた。

 西野監督はメンバー発表会見で、長谷部をキャプテンに任命したい意向を明らかにしていた。合流初日だけに「まだキャプテンについての話はしていないです」という長谷部だが、本格的に3バックを採用するとなれば、クラブでの経験値に加えて求心力という意味でも、より一層のキーマンということになりそうだ。


(Football ZONE web編集部)