ICBM「火星15」型(2017年11月29日付朝鮮中央通信より)

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北朝鮮が保有するミサイルのうち、米国にとって最大の懸念材料は液体燃料を使用する大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」型だ。だがそれ以外にも、まだ発射実験の行われていない固体燃料タイプのICBM「火星13」型も完成済みであることが、北朝鮮内部からの情報でわかった。(丹東=カン・ナレ記者)

全国120カ所に配備

平安北道(ピョンヤンブクト)の内部情報筋によると、米国全土を攻撃できる「火星15」型は、道内の塩州(ヨムジュ)、雲田(ウンジョン)、亀城(クソン)、平安南道(ピョンアンナムド)の成川(ソンチョン)、陽徳(ヤンドク)、銀山(ウンサン)、両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)など全国120ヶ所に配備されている。(参考記事:【画像】「炎に包まれる兵士」北朝鮮 、ICBM発射で死亡事故か…米メディア報道

「火星15」型は、燃料タンクの直径が1.9メートル、全長が25メートルで、小型の水素爆弾を3発搭載できる多弾頭ミサイルとされる。また、三池淵に配備されたものは、移動式発射台ではなく、固定式発射台に装着され、任意のタイミングで秘密裏に発射できるようになっている。

北朝鮮の高官筋は「中距離クラスの『火星10』型固体燃料ミサイルは、すでに2度の打ち上げに成功して配備が完了した」「『火星13』型も15基製造され、平安北道の雲田と亀城の地下基地に隠されている」と述べた。

また、「『火星13』型の固体燃料は、潜水艦発射ミサイル『北極星』や、中距離弾道ミサイル『火星10』型と同じものだ」と明らかにしつつ、今のところ発射実験は行われていないが、成功に自信があると述べた。

さらに「米国がいくら北朝鮮にICBMを放棄させると言っても、隠し場所をすべて見つけることはできないだろう。たとえ処分しても設計図と技術が残るため、いつでも新たに作れる」として、米国が北朝鮮のICBMを完全に除去することは不可能だと述べた。

また、小型の水爆や核弾頭の原料を生産するウラン精製施設を見つけることは、大陸間弾道ミサイルよりも遥かに困難だろうと付け加えた。

最後に情報筋は「核保有計画は金日成時代に始まり、金正日時代に成功したもので、金正恩党委員長にとっては先代の首領たちの『遺産』だ。彼は、『朝鮮半島の非核化は先代の首領の遺訓』であると語ったが、ミサイルと生物兵器には一切言及していない。そのことを覚えておいて欲しい」と締めくくった。