【ソウル聯合ニュース】2016年に脱北して韓国に亡命した元駐英北朝鮮公使で、韓国情報機関・国家情報院のシンクタンク「国家安保戦略研究院」の諮問委員を務める太永浩(テ・ヨンホ)氏が23日、辞意を表明した。同シンクタンクの関係者が24日、伝えた。早ければ同日中に辞任する見通し。

 この関係者によると、太氏は「100%自発的な辞意表明」としながら、「対話と平和を望む国民のために南北和解と協力の流れをつないでいくべき状況について悩んだ末、出した判断」と理由を説明した。

 別の関係者の話では、シンクタンクと国家情報院に負担を与えていることも理由の一つに挙げた。また、太氏は今後自由に活動するとしながら、ブログでの発信にも意欲を示したという。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は16日未明、同日開催予定だった南北閣僚級会談の無期延期を伝えながら、「人間のくずまで国会に立たせ、われわれの最高尊厳と体制をそしり、板門店宣言を誹謗(ひぼう)中傷するお遊びを堂々とできるよう放置している」と非難していた。名指しはしなかったが、太氏の国会での講演と著書出版記念の懇談会を指摘したものと受け止められる。

 同氏は今月出版した著書で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の性格を「せっかちで荒い」と表現した。