編集者/ライターの池田園子が、そのときどきで気になる人、話を聞きたい人に会いにいく連載企画「園子の部屋」。初回は気象予報士・防災士・プロレスキャスターの元井美貴さんが登場です。
元井さんといえば、私が初めてプロレスを観にいった日、売店付近でお見かけして「プロレス会場にはこんな美人がいるんだなぁ」と感じたのが印象に残っています。プロレスをいろいろ調べるうちに、元井さんがプロレスキャスターであり、ウェザーマップに所属する気象予報士だと知ってからは、気になる素敵女性としてTwitterでフォロー。今回念願叶ってお目にかかることができました。

“正装”はプロレスTシャツ

池田: わぁ! 素敵なプロレスTシャツでお越しいただいて。

元井: 毎週金曜日、MCを務める「速報! バトル☆メン」(プロレス・格闘技専門チャンネル「FIGHTING TV サムライ(以下、サムライTV)」)の放送があって、そこで着る衣装なんです。

池田: キャスターというと、かわいい系・きれい系の衣装を着るイメージでした。だいぶカジュアルですね。

元井: おっしゃる通り、最初はワンピースや花柄の服など、 キャスターらしい格好をしてたんですけど、冬くらいになるとお招きするゲストのプロレスラーの方との格好の温度差が出てきまして(笑)。

池田: 皆さん季節に関係なく半袖Tシャツですもんね。

元井: そうなんです。なので、プロレス番組だからプロレスTシャツが正装だ! と頭を切り替えて、以来ずっとプロレスTシャツを着て出ています。

調べすぎる、知りすぎるのも良くない

池田: サムライTVでは2010年10月からMCをされている、ということですが、7年に渡って契約更新され続けるのって、すごいことだなぁと純粋に思いました。

元井: ありがとうございます。でも、改編期前の3月と9月頃はけっこう緊張しますよ(笑)。

池田: ですよね(笑)。毎回プロレスラーを1〜2名ゲストとして招くじゃないですか。その“準備”ってどんなことに注意していますか?

元井: ゲストのことを調べるのはもちろん大事ですが、調べすぎないようにはしています。自分が知りすぎているあまり、ファンの方、視聴者の方が知りたいことを質問として出せない可能性もあるので。

池田: キャスターの立場と見る人(ファン)の立場を行き来する姿勢が大事なんですね。

元井: 昔、ゲストに中邑真輔選手(アメリカWWE所属のプロレスラー)がいらっしゃったとき、「(元井が)本当に聞きたいことを聞きなよ」と言われたんです。そうだよなぁ、とはっとしました。以来、個人的に気になること、ファンの方が聞きたいと思われることを、意識的に質問するようになりました。

初恋の相手はテリーマン

池田: そもそも元井さんがプロレス好きになったのは、何がきっかけだったんでしょう。

元井: 2歳上の兄の影響が大きかったですね。幼稚園時代、我が家に「キン肉マン」ブームが来たんですよ。作品に登場するヒーローのテリーマンが初恋の相手でした(笑)。

池田: 幼稚園の同級生とかじゃないのが、なんかいいですね(笑)。

元井: 幼稚園にテリーマンみたいな人が迎えにきてくれたらなぁ、とか妄想してましたね。そのときから「マスク」を神聖なものとして見て育って、中学生のときは「ファイヤープロレスリング」というプロレスゲームに没頭していました。

池田: 本物のプロレスを観たのはいつ頃ですか?

元井: 中学生のときですね。プロレス中継を観たり、「週刊プロレス」「週刊ゴング」などのプロレス専門誌を購読してました。

デビューからスターになるまで。リアルタイムで追いかける喜び

池田: 当時から既に本気のプロレスファン……!

元井: 男の子の同級生とはプロレス話で盛り上がりましたよね(笑)。

池田: 男性はわりと小さい頃からけっこう観てますよね。初めて会場で観た試合は覚えていますか?

元井: 大学を卒業する前後だったと思います。先ほど話に出た中邑真輔選手は同級生なんですよ。彼がデビューする直前に観にいったんです。

池田: 2002年ですか。初々しい感じだったんでしょうね。

元井: 今では考えられないくらい、硬い感じで登場して、四方に丁寧にお辞儀をしていました。ひとりの選手が日本でデビューして、スターになってかけ上がっていくのをリアルタイムで見られるのが、プロレスファンとしての喜びだなぁ、と思います。中邑選手もまだまだ追いかけていられますから。

天気が気になってたまらなかった

池田: 気象予報士としてのお仕事についても聞かせてください。元井さんは20歳のとき、2回目の受験で気象予報士の資格をとられています。その夢は幼いときからずっと?

元井: アニメ「アルプスの少女ハイジ」の歌詞に、「あのくもはなぜ わたしをまってるの」「あのかぜはどこに かくれているの」っていうのがあるんです。子どものときに、その歌詞と出会ってから、天気そのものに興味や疑問を持ち続けていました。

池田: そんなエピソードが……! 気象予報士になるべくしてなった方なんですね、元井さんは。

元井: でも、小学校の文集には「動物園の飼育係になる」「ムツゴロウ王国で働く」とか書いていました。冷静に考えると虫が苦手なので、仕事としては成り立たないなと気づいて断念しましたが(笑)。

池田: そのときも、内心はお天気キャスターに憧れていたんですよね。

元井: 叶えるのは難しいだろうな、とも思ってましたね。初めて口に出したのは、高校の卒業式後、クラスメート全員で一人ひとり将来の夢を一言ずつ言っていこう、という場でした。

池田: はっきり「将来はお天気キャスターを目指します」と言ったんですか?

口に出せば、夢に近づける

元井: いえ、「お天気キャスターにもなりたいんですけど、難しいと思うので……」とかゴニョゴニョ言った後、「大学を卒業したら結婚してママになります!」とか言った覚えがあります。結果的に、後者のほうが難しかったんですけど(笑)。

池田: 世の元井さんファンの男性にとっては、希望が残されていて何よりだと思いますよ。

元井: あはは。でも、思うんです。新日本プロレスの内藤哲也選手もおっしゃっていますが、「思いは口に出すと実現に向けて動き出す」というのは本当だなって。サムライTVでMCの仕事をいただけたのも、常々プロレスのことを話していたし、プロレスの仕事をしたいと口にしていたからですし。

池田: やりたいこと、目標を口に出す、言葉にする――その意識、忘れかけていたので、私も改めて心に据えたいと思います。最後に、今後目指すことを教えてください。

元井: ありがたいことに、プロレスの仕事の割合が高くなりつつあります。女性解説者があまりいないこともあり、きちんと語れるように勉強したいです。“プロのプロレスファン”として、ファンの気持ちを持ちながらも、日々番組や取材などで仕入れている選手の情報をうまく織り込んで、面白い解説ができればと思っています。

池田: 元井さんの明るく丁寧で、小ネタが面白い解説が私は大好きで、「新日本プロレスワールド」を中心に楽しく拝聴しています。これからも楽しい解説、聞かせてください! 本日はありがとうございました。

▽ ゲスト/元井美貴(もとい・みき)

気象予報士、防災士、プロレスキャスター、ルチャリブレ研究家。1980年3月29日生まれ、東京都出身。青山学院大学在学中の2000年、気象予報士資格を取得。大学生お天気キャスターとしてデビュー。以降、数々の番組で気象キャスターを務め、現在はサムライTV金曜22:00「速報! バトル☆メン」/TBS土曜6:15「JNNニュース」/TBSニュースバード水曜昼/新日本プロレスワールド「CMLL日本語配信」などに出演中。