旭山動物園/ヒツジ(サフォーク)の目/(C)旭川市旭山動物園

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目の中にある黒目の部分を「瞳孔」といいますが、私たちヒトの目って、この瞳孔が丸いんですよね。ちなみに、黒目の周りにある色の付いた部分(茶色など)は「虹彩」といって、伸びたり縮んだりして光の量を調節する役目を持っています。

旭山動物園/「こども牧場」で飼育されている天売島のネコ「ひじき」/(C)旭川市旭山動物園

「いきなりなんの話?」と思われるかもですが、この黒目=瞳孔、動物によって違うって知ってました? 今回は、旭山動物園にいる動物たちのいろんな「目」を紹介しますよ!

まずは、ネコ。ネコの目が縦長の細いスリット状になるのは、なんとなーく見覚えがあるのでは? 実は、北海道のマスコットキャラクター的動物・キタキツネの目も、同じ縦長の瞳孔をしてるんです。

一方、瞳孔が横長の形をしている動物といえば、ヤギ。ヤギの目ってなんとなーく怖いイメージがありません? 「悪魔的なイラストのモチーフで使われたりするのも、この怪しげな目のせいなのか!?」なんて思ったりしますが……。草を食んでいる姿は、このうえなくほのぼのとした気持ちになるんですけどねぇ。

そして、同じく「第2こども牧場」にいるヒツジも、ヤギ同様に横長の瞳孔をしています。

「ね、動物園で動物の目だけ見にいこうよー」なんて風に出掛けないので気づかないんですけど、アップで見るとかなりの迫力。

お次は「カバ」。よーく見ると、カバも横長の瞳孔をしているんです。「こども牧場」と違ってなかなか接近するのは難しいですが、もし近くにやってきたら覗き込んでみてください!

このほか、エゾシカやトナカイ、キョン、キリンといった動物も瞳孔は横長。結構いるんですよねぇ。

ちなみに、「ネコの目(瞳孔)は縦長」と紹介したんですが、「ネコ科がみんな縦長」というワケじゃないんです。アムールトラやアムールヒョウ、ユキヒョウといった大型の猛獣の瞳孔は「マル」。

加えて、イヌ、シンリンオオカミ、ニホンザルやチンパンジーといったサルの仲間もマルなんですね。

どうして動物によって瞳孔の形が違うのかというと、そもそも「目のついている位置」が重要なようです。

ヤギやヒツジなどの草食動物は目が顔の側面についていて、片方の目で前方から後方にかけてのほとんどを見渡すことができるそう。彼らが野生で暮らすのは広い草原ですから、敵をいち早く認識しないと危ないですからね! このため、瞳孔も横長になっているのだとか。

一方、肉食動物やサルの仲間、人間の目は顔の正面についています。これは立体的にモノを見るのに適しているそう。なかでも、縦長になるネコやキタキツネの瞳孔は、明るいところで細長く縮み、夜間の行動に適している目なのだとか。ちなみに、瞳孔が横長でも縦長でも、暗いところになると瞳孔は丸い形に変わりますよ。

いやー、なかなか面白いですね、「目」! 旭山動物園に行ったら、今度はぜひ「目」観察してみるのもオススメですよー。

※写真提供:旭川市旭山動物園

旭川市旭山動物園 ■開園期間:夏期開園4月28日(土)〜11月3日(祝)  ■時間:夏期開園9:30〜17:15(入園は〜16:00)、10月16日(火)〜11月3日(祝)は9:30〜16:30(入園は〜16:00) ■住所:旭川市東旭川町倉沼 ■電話:0166・36・1104 ■料金:大人820円、中学生以下無料(北海道ウォーカー・出村聖子)