アポイント率が格段に上がる プロが教える超営業術とは

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新規顧客をいかに取り込み、育てていくかは、どの企業にとっても難題中の難題だ。
その方法は「電話営業」であり「ダイレクトメール」であり、時に「飛び込み営業」である。しかし、いずれも「数打てば当たる」の域を出ないのが実情ではないか。

営業支援コンサルタントの熊谷竜二さんは、著書『自社ホームページにアクセスした企業を「見える化」して、10件の電話営業だけで売上をアップさせる技術:3ステップで誰でも出来る無料のWebマーケティング』(誠文堂新光社刊)で、新規顧客獲得の現状に一石を投じている。

今回はその熊谷さんにインタビュー。企業にとって効率的かつ効果的で、営業マンの負担も軽くなる新規顧客獲得営業の手法についてお話をうかがった。

■アポイント率が格段に上がる プロが教える超営業術とは

――熊谷さんは本書で、自社サービスの顧客になりうる層を効果的に特定し、効率よく営業する方法が明かしています。これを導入することによって、営業の効率や成果がどのくらい変わるのでしょうか。

熊谷:今回の本で紹介している方法というのは、まずダイレクトメールを送り、そのメールを見て自社のホームページにアクセスした企業を絞り込み、電話営業をするという3つのプロセスがあります。

通常の新規顧客獲得の営業というと、ダイレクトメールと電話営業の二つがメインになるのですが、ダイレクトメールの場合1000件送って1件反応があればいい方だと言われているんですね。だから、確率でいうと0.1%です。

一方、この本の手法では1000件ダイレクトメールを送ると大体5件くらいはホームページにアクセスがあるので、5%といったところでしょうか。

0.1%と5%だから50倍、と単純な比較はできませんが、やみくもにダイレクトメールを送るよりはかなり高い確率で反応を得ることができるというのはいえると思います。

――その後の電話営業の成果についてはいかがですか?

熊谷:電話営業の代行会社が公表している数字を見ると、100件電話してアポイント獲得まで持っていけるのは1%から2%くらい。電話を100回して1件から2件商談につながればOKという感じですね。

この本の手法だと、相手が自社のサービスに関心があることを把握してから電話をするので、商談に進める確率は上がります。専門のスタッフを使う場合は16%ほど、これまでコンサルティングであちこちの企業を見てきた感じでいえば、専門スタッフを使わない場合で10%ほどでしょうか。

――Webでの顧客獲得は苦労している会社も多いかと思います。熊谷さんが受けることの多い相談ごとはどのようなものですか?

熊谷:やはり新規顧客をいかに獲得するかという相談です。今回の本ではウェブからの集客のノウハウを紹介しましたが、当社は営業支援全般を扱う会社なので、ウェブに限らずどのように新規顧客を増やしていくべきかという相談を受けることは多いです。

特に最近ではウェブに広告を出すことを考える企業が多いのですが、どうしても資金力頼みになってしまいますし、同業他社も同じように広告を出しますから、仮にニーズのある人が見てくれたとしても価格競争になりやすい。

それならばこちらからアプローチをかけて、まだニーズは成熟していないけれども、今後それが高まっていくであろう顧客、言ってみれば「そのうち客」を早めにつかまえておく方が結果的には効率がいいのです。

この本で紹介している、ダイレクトメールの反響で潜在的なニーズを捉えて、そこに電話営業をするという手法は、そのための手法です。

――ダイレクトメールに張る自社ホームページへのリンクURLに、相手企業ごとのIDを埋め込むことで、ホームページにアクセスがあった時にどの企業からのアクセスかを把握することができます。ウェブに強い会社であれば、この手法はすでに一般的に採り入れられているのではないかという印象を持ったのですが、実際はあまり浸透しているやり方ではないのでしょうか。

熊谷:その部分だけを捉えると、ウェブマーケティングに強い企業では当たり前のようにやっていることなのですが、すでに接点を持った顧客企業に対してID管理をしている会社はあっても、新規顧客開拓でダイレクトメールと企業ごとのID管理を組み合わせてやっているところというのは、私の知る限りないと思います。

理由はいくつか考えられて、たとえばメールアドレスをどうやって入手するのかという問題や、法律の問題ですね。あとはIDの管理コストもあると思います。やはり顧客のリストは何百件、何千件になるので。

――法律の話というのは、会社のホームページに連絡先のメールアドレスを載せていても、「営業お断り」的な文言をつけているところにはダイレクトメールを送れないということですよね。

熊谷:そうですね。そういうところにメールをしてしまうと法律違反になってしまうので。

――IDの管理コストも挙げられていましたが、実際には一人で管理できるものなのでしょうか。

熊谷:企業の規模にもよりますし、売ろうとしている商品の単価によってどれくらい売上を立てなければいけないのかにもよりますが、基本的にはこの本で書いているやり方は各営業マン単位に落としていける手法になっています。一人でも管理は可能です。

――自社ホームページのアクセス解析をすれば、ダイレクトメールから来たアクセスは把握でき、埋め込みIDのお陰でどの企業かもわかります。そしてこの企業は自社のサービスにある程度関心があるといえそうです。こうした企業にどう営業をしていくかというところが次のステップになりますが、どんな点が重要になりますか?

熊谷:次は電話での営業になるわけですが、相手にニーズがあるとわかってはいても、電話を取る相手はあくまで「受付」ですから、売り込みや営業の類は大抵の場合断られてしまいます。

じゃあ、企業の電話受付の担当者は営業電話かどうかをどう判断しているかというと、自分の会社と関係性がある人からの電話かどうかで判断しているところがあるんですね。

だとしたら、関係がある人間だと感じていただくような話し方をするのがポイントになるわけです。たとえば、こんな言い方はどうでしょうか。

「はじめまして。実は事前に社長様宛にメールを送っているのですが、社長様がそれに非常に興味を持ってくださって、当社のホームページにお越しいただいたので、その件でお話をさせていただきたく、お電話しました」

――確かに「受付で切ったらマズい人」っぽく聞こえますね。しかし、ホームページに来たことはそこで言ってしまうんですか?「何でそんなことを知っているの?」となりそうですが。

熊谷:言ってしまいます。これが一つポイントで、この段階では関係がある人間だということを電話窓口でアピールすることが優先です。関係がある人間だと思っていただければ決裁者に繋いでもらいやすくなるので。

本のなかでこの時の話し方についてはもっと詳しく書いているのですが、概ね窓口ではこんな感じで話します。
(後編につづく)

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