英国でGoogleに約4760億円を請求する集団訴訟。6年前のプライバシー侵害を追求


イギリスの市民団体がGoogleに対して、約440万人にそれぞれ750ポンド、総額32億ポンド(約4760億円)を請求する訴訟を起こしました。

この訴訟は、2017年12月に同国の市民団体「You Owe us」が、GoogleがiPhone用のSafariでプライバシーポリシーに違反してユーザー行動履歴を追跡していた件につき、補償を求めるキャンペーン「Google You Owe us」が発展したもの。

Googleはこの訴訟につき、被害を受けた可能性のある人物を特定することは不可能であり、主張は不当であるとして取り下げを希望する旨をコメントしています。

そもそもの始まりは、2011年から2012年の9ヶ月間に渡って、Googleがデフォルトの設定を迂回してiPhone用のSafariにCookieをインストールし、ユーザーの行動履歴を追跡して広告に利用していたこと。

この件につき、アメリカでは2012年に連邦取引委員会が罰金2250万ドルの支払いを命じたほか、2013年に37州にて1700万ドルを支払う和解が成立しています。

さらに2015年には、イギリスのネットユーザー3人がGoogleを提訴した訴訟につき、Googleが訴訟を無効にするよう求めていた請求が棄却。こうして同国で、訴訟が引き続き提訴できる下地が用意されたわけです。

2017年12月に「Google You Owe us」キャンペーンが始められた時点では、540万人のiPhoneユーザーにつき一人あたり500ポンドの支払いを求めていました。被害者の人数は減り、一人あたりの請求額は増えたかたちです。

巨大IT企業によるプライバシー侵害は、まさに今年前半、Facebookの個人情報不正流用問題で世界を揺るがした余波がいまだに収まっていないホットな話題です。もしも今回の賠償請求が認められれば、英国以外にも運動が広まったり、他の個人情報を扱う企業にも波及するのかもしれません。