歯茎が炎症を起こす「歯肉炎」は、とてもよくある口内の症状。歯周病学の専門誌、『ジャーナル・オブ・クリニカル・ペリオドントロジー』誌で報告された研究によると、世界中の成人のうち、この症状がある人の割合は最大で90%に及ぶとか。

歯茎が赤く腫れて、弱くなるのが最も一般的な症状ですが、進行すると歯がぐらついたり、抜けたりするほか、歯茎の出血、食べ物を噛んだときの痛みや知覚過敏、口臭につながることも。ひどい歯肉炎は心臓病の原因になると示した研究さえあり、一部の専門家によると、歯周病の人の口内に蔓延する細菌が関係するのだそう。

歯肉炎は主に、口内の衛生状態がよくないために微生物が増殖して起こります」と、ミシガン大学歯学部で口腔病理学・医学の臨床助教を務める歯科医師のユージーン・コーさん。

歯には「プラーク(歯垢)」と呼ばれる薄いフィルム状の物質が蓄積しますが、これは何百万個もの細菌のかたまり。「定期的に歯磨きとフロスを行っていないと、このプラークが固くなって歯石になり、歯茎の痛みや炎症が起こります」とコーさん(歯肉炎には多くのタイプがあり、ウイルスやカビが原因の場合もありますが、プラークによるものが最も多いそう)。

歯肉炎の症状を和らげるには、どうすればいい? 「正しいブラッシングとフロス、そしてプロによる定期的なクリーニングが最もよい予防法であり治療法です。歯と歯の間にプラークができたり、歯茎が痛んだりする前に、くい止める必要があります」(コーさん)。

でも、もうすでにこの方法をやっているのによくならない場合は、次の6つの家庭療法を試すとよいかもしれません

01.精製された炭水化物を減らす

2009年に少人数を対象として行われた、ちょっと変わった研究によると、精製された炭水化物を一切含まない食事を取った人は(基本的に、「旧石器時代の食事、パレオダイエット」にした人)、ブラッシングとフロスを4週間行わなかったのに、歯肉炎にならなかったのです。ブラッシングをしないのでプラークの蓄積は増えましたが、精製された炭水化物を食べなかった人では、歯肉炎をもたらす種類の細菌が増えていないとわかりました。まだ小グループで調べられただけの段階の研究結果ですが、甘いものや白パン、ソーダ、そのほかの精製された炭水化物を減らすひとつの理由になりそう。

02.食物繊維とオメガ3を増やす

やはり食事について調べた別の研究によると、オメガ3系脂肪酸、食物繊維、ビタミンCとDが豊富な食事を取った人は、歯肉炎による歯茎の炎症が50%減りました。この場合も、食事のせいで、口内の細菌の種類が症状を軽くするために役立つよう変化したためではないかと考えられています。米国農務省(USDA)によると、果物まるごと、特にオレンジのような柑橘類は、食物繊維とビタミンCの両方が豊富。一方、鮭はビタミンDとオメガ3系脂肪酸がたっぷり(キヌアとローストしたカリフラワーを組み合わせれば、食物繊維とビタミンCもアップ)。

03.ココナッツオイルで口をすすぐ

「オイル・プリング」と呼ばれています。1日1回8〜10分間、オイルで口の中をすすぎます(「秒」の間違いではありません、8〜10分間!)。2015年に少人数を対象として行われた研究によると、ココナッツオイルで口内をすすいだ人は、歯肉炎の症状が本当に軽減したそう。オイルが液体状の「スクラブ」として作用して、プラークと細菌を拭い去ったのではないかと考えられています。さらに、ヒマワリ油などのほかのオイルでも、同じ効果があるという別の研究結果も。でも、水やマウスウォッシュですすぐよりオイルの方がよいのかどうかはわかっていません。

04.ガムをかむ

唾液は口内にもともと備わった洗浄液、とコーさん。でもドライマウスの人は、有害な細菌から口の中を守るこの唾液が足りないかもしれません。入念にブラッシングとフロスをする人でも、ドライマウスは細菌の増殖と歯肉炎につながる場合があります

ガムをかむと、唾液がたくさん作られて分泌がよくなりますから、ドライマウスの治療に効果がある上、歯肉炎を緩和して、再発を防ぐ助けにもなりそう(ただ、必ず砂糖を使用していないガムに。砂糖はプラークの蓄積と虫歯を助長します)。本物のユーカリを含むガムは、歯肉炎と闘う力がさらに強い可能性があるという研究結果も。

05.もっとヨーグルトを食べる

栄養学の専門誌、ニュートリエンツ誌で2012年に報告された研究によると、カルシウム豊富な乳製品、特にヨーグルトのような発酵乳製品は、歯肉炎を撃退して、歯周病にならないように口を守ってくれるそう。このデンマークの研究は、カルシウム豊富な乳製品に含まれるプロバイオティック・バクテリア(人体によい影響を与える微生物)が、歯肉炎をもたらす細菌の増殖を抑えるのではないかという仮説を調べたものです。

06.緑茶を飲む

歯周病学の専門誌、『ジャーナル・オブ・ペリオドントロジー』誌で2009年に報告された研究によると、緑茶には歯肉炎が広がるのを抑えたり、予防したりする力があるかもしれません。「カテキン」として知られる緑茶特有の抗酸化成分が、歯肉炎をもたらす細菌の増殖を抑え、自然に炎症を鎮めるのではないかと考えられています。

Markham Heid/6 Home Remedies For Gingivitis That You've Probably Never Tried

訳/STELLA MEDIX Ltd.