「この人、仕事できる!」と思わせる。ビジネスメールの件名のつけ方

写真拡大

ビジネスシーンで使わない日がないと言っても過言ではないメール。毎日何通も送るものですが、あなたは「件名」まで気を配っていますか? 実は件名を少し工夫するだけで、とてもわかりやすいメールになるのです。今回は、ビジネスメールにおける「件名」の重要さや、おすすめの件名などを、ビジネススキル講師・西部直樹さんに教えてもらいました。

■ビジネスメールは件名が重要

まずはビジネスメールで件名をつける際に、どのメールでも共通しておさえておくべきポイントと、NGな件名のつけ方を知っておきましょう。

◇件名の基本

ビジネスにおけるメールの目的は情報の伝達です。情報は速く正確に伝えなければなりません。情報が遅いと機会を逃し企業に損失を与えてしまううえ、不正確な情報は正しい行動に結びつかないからです。

☆1.具体的に書く

件名は、何を伝えたいのかを具体的に書きます。具体的でないこととは、「おはようございます」などです。あるいは単語だけというのも困りもの。たとえば「会議」だけでは、いつ、どこの、なんの会議なのかわかりません。

具体的にするためには、3W1Hをおさえます。いつ(When)、どこ(Where)、なに(What)、どのように(How)を記しておきましょう。「4月30日(月)13時より、会議室3にて、部内連絡会議開催」というように具体的に書くのがいいですね。

☆2.情報の要約を書く

情報の要約とは、メールの内容の概要を知らせるということ。至急返事がほしいのか? 必ず読んでほしいのか? 再度の確認のためなのか? など、短く書き添えておくと読み手がわかりやすくなります。

たとえば、「打ち合わせ日程5月10日(木)」のような件名のメールは、読み飛ばされてしまう可能性が高いです。読み手は「打ち合わせの連絡か。日程も差し迫っていないから、あとで確認しよう」と思うかもしれません。こうした場合は、件名の文頭に「【日程変更】打ち合わせ日程5月10日(木)」と入れると、内容の把握や重要度もわかります。メールを受けた側は内容を理解し対応も素早くできるので、件名の最初に内容の要約を入れておきましょう。

☆3.何をしてほしいのかを書く

件名には、メールを読んでどのような行動を求めているのかを明示しておきます。どうすることが適切なのかわかれば、読み手も求められる行動を取ることができます。

たとえば、「【会議開催のご連絡】6月7日(木)連絡会議、○社3階第5会議室にて」のような件名では思うような返事がこないことも考えられます。このメールが会議の出欠を確認するものだったとしたら、出欠の連絡が遅くなったり、会議の日程の確認はできても出欠の連絡がなかったりするもしれません。なぜなら「連絡」とあるので、情報の伝達だけで返信を求められているとは思わないからです。

このようなときは、「【出欠連絡お願いします】6月7日(木)連絡会議、○社3階第5会議室にて」とすれば、出欠の連絡をしなくてはならないことがわかります。件名の文頭に求める行動を簡便に記しておくとまちがいないでしょう。

◇NGな件名

ビジネスメールでは、速さと正確さを妨げる書き方は避けなければなりません。NGな件名は以下のようなものです。

☆1.「○○について」

「○○ついて」のように曖昧な表現は避けます。たとえば「8月30日(木)の打ち合わせについて」だと、打ち合わせをしたいのか、打ち合わせの日程を確認したいのか、日程の変更なのか、打ち合わせの内容をすり合わせるのか、内容がわかりません。また、このメールの重要度、求める行動もわからないのです。できるだけ具体的な内容を記しましょう。

☆2.「○○の件」

上記と似ていますが、「○○の件」というのも同様に曖昧な表現です。こちらも避けるようにしましょう。

☆3.「Re:○○」のReを外してしまう

返信に自動的につく「Re:」は、つけたまま返しましょう。「Re:」がつくと失礼だからといって外す人がいますが、外してしまうと失礼ではなく不親切になることがあります。「Re:」をつけることで、相手が送ったメールに対する返信であること、同一の案件に対するやり取りであることがわかります。

さらに使っているメールソフトによっては、案件に対するメールのツリー(繋がり状況)が示されるものもあり、メールツリーで案件ごとの整理をしている人もいます。しかし「Re:」を外してしまうと、このツリーからも外れてしまうのです。メールのやり取りを遡って確認するなどの作業がやりづらくなり不親切になるので、「Re:」はつけたままにするのがよいでしょう。

☆4.新しい案件なのに「Re」つきで送ってしまう

新しい案件のときは3とはちがって、件名に「Re:」はつけてはいけません。

たとえば、やり取りしている相手に新たな案件でメールを送るとき、アドレスを入力しなくても済むよう過去のメールに返信するケースがあります。このときは自動的につく「Re」は外しましょう。古い案件に「Re:」をつけてしまうと、メールの件名と内容が合わないため、受け取った相手は混乱をしてしまいます。相手の処理が遅れたり、まちがった行動を取ったりしてしまうかもしれません。新しい案件でメールを送るときは、件名も新しくするのが基本です。

☆5.長い件名

件名が長いとわかりづらくなります。たとえば、「先の○○社との商談の結果を踏まえて、当社の今後の営業方針並びに商品価格見直しについての報告並びに全社的案件の御相談をお願いします」だと長すぎます。これではなんのためのメールであるかがわかりません。件名は端的に表現しましょう。

■【シチュエーション別】件名例

送る相手や内容により、ふさわしいメールの件名は異なります。次に、メールの件名の例をさまざまなシーンごとにチェックしていきましょう。

◇初めての相手へのメール

☆悪い例

「はじめまして、○○社の△△です」

☆いい例

「【御相談のお願い】○○社への価格について」

悪い例の件名はなんのメールなのか見当もつかず、迷惑メールと思われるかもしれません。初めての相手へのメールは、短く要点をおさえた件名にしなくてはいけません。端的に何をどうするのか要件を件名に記します。初めてのあいさつなどは本文中に入力しましょう。

◇お願いをするメール

☆悪い例

「製品の納品日について」

☆いい例

「御社の○○、納品日9月10日→9月9日への変更のお願い」

悪い例では、先ほどもご説明した「○○について」が記載されています。これだけでは、○○についての何を聞きたいのか、また、何を確認したいのかわかりません。何かをお願いするときには、何に対してのお願いなのか、どうしてほしいのかを明確にします。期日などがある場合は、それも記載しておくとより確実でしょう。

◇質問をしたいメール

☆悪い例

「見積もり」

☆いい例

「○○の価格、御相談は可能でしょうか」

単語だけではなんのことなのかがわからず、相手にとってはストレスに感じるかもしれません。質問のメールを送るときは、質問する事柄の大まかなことがわかるように件名を書きます。端的に質問事項を書き、相手の都合を確認するようにしましょう。

◇お礼メール

☆悪い例

「ありがとうございました」

☆いい例

「○月○日、ご訪問のお礼」

お礼のメールはそれほど緊急ではないでしょう。受け手があとから読んでもいいように、いつの、なんのことかわかるように配慮します。また、件名でお礼のメールであることを明示しておきます。

◇謝罪メール

☆悪い例

「申し訳ありませんでした」

☆いい例

「○月○日、誤送信のお詫び」

謝罪のメールも何に対して謝罪しているかがわかるようにします。こちらも上記と同様に、いつ、何に対してなのかを件名で明確にします。

■ビジネスメールの件名は「わかりやすさ」が一番大事

メールの件名は最初に目に入るものであり、そこで対応を判断することも少なくありません。少し気を配るだけでスムーズな業務が可能になり、メール相手にもいい印象を与えられるはず。ビジネスメールの件名は、少ない文字数だからこそ簡潔にわかりやすいものにすることを心がけましょう。

(監修・文:西部直樹、文:篠崎夏美)

※画像はイメージです