雑誌や映画、ドラマと多方面で活躍する新木優子は、24歳らしいフレッシュで爽やかな印象が強い。そんな彼女とは、いわば真逆のイメージがある街・新橋で、仕事への想いを訊ねると、女優・新木優子の新たな一面が見えてきた。




「新橋に行きつけがある女の人ってカッコイイ!」

4月のとある週末。スーツ姿が不在のその街は閑散としていて、小料理屋や居酒屋が所狭しと軒を連ねる路地裏は、平日の夜とは別の風情を湛えていた。

「新鮮で思わずきょろきょろししちゃう! 近くの日本テレビでお仕事があっても素通りしてしまうので、実は右も左もわからないんです」

女優の新木優子さんは、照れたような笑いを浮かべた。

当然と言えば当然だ。新木さんはインスタのフォロワー数ランキングで上位に付ける、いわば注目の的。いくらご本人が外食好きであっても、人でごった返す新橋の街にいるのは現実的ではない。

だが、聞いてみると、彼女自身は新橋に誘われるのもまんざらではないらしいのだ。

「新橋には一番活気づいている世代、もうひと頑張りするぞって階段を勢いよく駆け上がるような大人が集まっている印象があるんです。だからこそ、もし連れてこられたら、仲間として認めてもらえたのかな、って嬉しくなると思います」




そして、新木さんはさらに何か言いたそうな顔つきで、今、いる『ビストロ ミヤマス』の店内をぐるりと見渡した。

「このお店、すごく素敵ですね。特にライムグリーンの壁と木製のテーブルセットのコントラストが最高。代官山や恵比寿エリアのお店に来たのかと錯覚しそうになるくらい。私ぐらいの世代の女性が新橋で、しかもこんなお洒落な穴場を知っていたら、びっくりしますよね」

新木さんは聞き手の目を真っ直ぐみてハキハキと喋る。ファッション誌やSNSで見せるナチュラルな笑顔から、その溌剌としたキャラクターをある程度は想像できていた。

しかし、その一方でドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』を思い浮かべた途端、急に結びつかなくなる。元ハッカーの捜査員に扮した彼女は極めてクールだった。もちろん演技をしているわけだから、別人に見えても不思議ではないのだが、その七変化ぶりには目を見張る。

そうストレートに伝えると、彼女はふっと頬を緩めた。


「私だったらどう演じるか」本を読みながらいつも考えます




「スタッフさんの協力があればこそですが、演じ分けを評価していただくのはありがたいことです。1年間に演じることのできる役、20代で関われる作品は限られているし、今まで演じたことがない役に挑戦してもっと経験を重ねたいと思っています」

いつか、辻村深月の小説『スワロウハイツの神様』に登場する主人公・赤羽 環を演じたいという。根っからの本好きで、作品に登場する人物のイメージを自分なりに膨らませて楽しむらしい。

7月に公開が予定されている『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』で演じる横峯あかりには自身との共通点を見出しているという。

「あかりはファッション好きな今ドキの女の子。困難が立ちはだかっても笑顔で乗り切る強さがあるのも私と似ているのかも。

10年前にテレビドラマで観ていた頃から先輩たちは立派なドクターに成長されました。あかりも将来、冷静な判断力を持った逞しい大人になることを想像しながら今回の役を演じました」




「過去は運命、未来は可能性」

これは新木さんの座右の銘である。

「今までやってきたことに対して反省し、落ち込むことはあれど、それは過去だから、と割り切ることが必要。今、これから先の未来は自分でいくらでも変えられる」ということらしいが、その信念を抱いている新木さんなら、その夢を実現してしまうのかもしれない。

彼女のいつになく毅然とした表情を前にして、そう思わずにはいられなかった。




■プロフィール
あらき・ゆうこ 1993年生まれ。東京都出身。2014年よりファッション誌『non-no』の専属モデルを務めるとともに女優としても活動。最新作に『劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』(7月27日公開)、『あのコの、トリコ。』(10月5日公開)がある

■衣装
ブラウス¥18,000、スカート¥28,000〈ともにダブルスタンダードクロージング/フィルム TEL:03-5413-4141〉イヤリング¥9,700〈L'Attitude/ルイールコーポレーション TEL:03-6427-5521〉リング¥15,000〈JUPITER/JUPITER 代官山 TEL:03-5428-2815〉

■クレジット
Photos/Akira Maeda@MAETTICO,Styling/Reiko Kusunoki,Hair&Make-up/Tomoe Nakayama@ThreePEACE,Text/Mio Amari