20日の台湾公演で笑顔を見せる安室奈美恵=超級円頂提供

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(台北 20日 中央社)歌手の安室奈美恵が20日、ファイナルツアー台湾公演の最終日を台北市の台北アリーナで行った。台湾だけでなく、日本からも多くのファンが駆けつけ、約1万1000人の観客が安室の熱いパフォーマンスに酔いしれた。

開演前から会場は大きな「奈美恵」コールに包まれた。1曲目の「Hero」で安室が登場すると大歓声が上がり、場内は一気にヒートアップ。ダンサブルな「Mint」や「Showtime」から、しっとりとしたバラードの「Love Story」、女性ダンサーと可愛らしいダンスを披露した「Girl Talk」や「NEW LOOK」まで、バラエティー豊かな楽曲を織り交ぜ、さまざまな表情を見せた。

中盤に「TRY ME〜私を信じて〜」や「太陽のSEASON」、「You're my sunshine」など90年代のアップテンポな曲を立て続けに披露すると、会場のボルテージはさらに過熱。「a walk in the park」では3つのスクリーンに1997年、2012年、現在のライブ映像が同時に映し出され、過去の映像と同じタイミングで安室が髪をかき上げる仕草をするなどユニークな演出がなされた。

安室の代表曲ともいえる「CAN YOU CELEBRATE?」では、白いドレスをまとい、心を込めてしっとりと歌い上げた。本編最後の「Do It For Love」で安室が「叫べ!台北!」と雄叫びを上げると、場内の盛り上がりは最高潮に。観客はリズムに合わせて飛び跳ねるなどし、興奮を表現していた。

安室は約2時間40分のステージで計30曲を歌い上げた。全ての曲目が終了するとステージに一人残り、ファンにあいさつをした安室。言葉を発する前から観客からの鳴りやまぬ大歓声に目をうるませ、涙をぬぐうような仕草を見せた。9月16日で引退することを改めて自分の口からファンに伝え、声を詰まらせながら「最後にこの場所でコンサートができたことを、心から感謝しています」と25年間応援してくれたファンに謝意を示した。また、「最後は笑顔で」と笑みを作りながらも、目にはきらりと光るものが浮かんでいた。

公演中には台湾のファンから安室へのサプライズもあった。アンコールの終盤、スタンド2階の客席に赤と白のボードで「TWハートNA」(台湾は安室を愛している)などの文字が浮かび上がったほか、安室のあいさつが終わった瞬間には、安室への祝福の思いを込めた色とりどりの紙テープが飛ばされた。

「namieamuro Final Tour 2018 〜Finally〜 in Asia」の台湾公演は19、20日の2日間にわたって行われ、計2万2000人余りを動員した。チケットは販売開始から約3分で完売し、プラチナ化。この日、会場のロビーにはチケットを入手できず、音漏れだけでも楽しもうとするファンの姿も多く見られた。

(名切千絵)