消費税が10%になったとき、これだけの出費が増える

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これから住宅の購入を検討している方も、していない方も、買い時は「今」がチャンスのようです。「家を買Walker 2018」の特集で住宅情報の解説も行なっている、不動産コンサルタントの畑中 学さんに詳しい話をお聞きしました。今が買い時な理由には、3つのポイントが関わってきます。

【画像を見る】これを知ったら今、買わずにはいられない!?/イラスト=つぼいひろき

■ 低金利時代はどこまで続く? 消費税増税の影響は?

住宅を購入する際にほとんどの人が利用する住宅ローン。バブル崩壊以降、住宅ローン金利は下落が続き、現在は超低金利時代です。2016年2月の日銀によるマイナス金利の導入以降、金利はさらに史上最低ラインで推移し続けています。加えて2019年10月に予定されている消費税増税も考慮すると、今年は住宅の買い時だと畑中さんは言います。

「この超低金利状態が回復・上昇する見通しはまだありません。むしろ、この状態を維持し続けないと破産する人も出てくるので、国の政策としては今後も意識的に低金利を維持し続けていくでしょう。

消費税増税は、中古の戸建てやマンションは個人間売買になるので影響はないですが、新築の場合だと少しでも安く購入したい人には2%は無視できない数字ですよね。加えて、金利が今より少し上がるだけでその負担はさらに増すので、増税前に購入できるならそれに越したことはありません」(畑中)

■ オリンピックの影響で住宅の価格が下がる!

今年が狙い目だとする根拠はまだあります。(公)東日本不動産流通機構が発表した2017年1〜12月の首都圏不動産流通市場の動向によると、中古戸建て住宅の成約件数は3年ぶりに前年を下回りましたが、中古マンション、新築戸建て住宅は3年連続で前年を上回りました。

「2018年に入って1月の中古マンションの成約件数は前年同月比7.7%減となりました。一方で価格は61カ月連続で上昇。これはマンションの価格が高くなり過ぎたため成約率も減少してきていると考えられます。

今後、成約率をアップさせるにはマンション価格を下げなくてはいけないので、今年は去年よりも安くなるのではないでしょうか。加えて、オリンピックの2年前ぐらいは経済が『調整局面』に入り、不動産価格も下落する傾向があります。北京の時もそうでしたし、今回も例外ではないでしょう。戸建ての価格は、現在は横ばい状態ですが、今後は良いと思う物件が出れば、すぐに買っておく方がお得かもしれませんね」(畑中)

■ 人件費の上昇は止まらない? 早いうちの購入がベター

さらに畑中さんは、住宅建築に携わる大工さんの人件費の上昇も無視できないと言います。

「マンション価格の高騰は、マンション建設を請け負うゼネコンの人件費が上がり、建築費が上昇していたのも原因の一つでした。戸建てでは大工さんの人件費はそれほど上がらなかったのですが、今年は戸建てにも影響が出てきています。原因は慢性的な人手不足で、とにかく大工さんの要請が多い。育成もしているが現状追い付かないという状況です。

少なくとも当面はこの状況の好転は見込めず、そうなると、今後は大工さんの人件費は上がり続ける一方となります。その意味では来年よりも今年の方が安いというのは十分あり得ます」(畑中)

さまざまな要因が絡み合いながらも住宅価格が落ち着きつつあるのがまさに今。少なくとも2017年よりも買い時が強まったということは確かなようです。

取材・文=江口和孝(レタスクラブニュース)