小学生から大人まで絶大な人気を誇る韓国アイドルグループ「TWICE」(写真:TPG/ゲッティ/共同通信)

女子高生を中心に、いま「第3次韓流ブーム」が起きています。韓国のアイドルにあこがれ、コスメやファッションに夢中になり、現地まで赴く高校生もいるほどの流行です。今回は、そんな中高生の韓流ブームについてお話しします。

K-POPだけじゃない第3次韓流ブーム

昨年末の第68回NHK紅白歌合戦はご覧になりましたか。韓国で結成された女性アイドルグループ「TWICE」が初出場して、会場を沸かせました。小学生から大人まで絶大な人気を誇るTWICEですが、ご存じなかった人もいるでしょう。


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TWICEは女性らしいかわいらしさを強調したダンスと歌が人気のグループで、韓国人、日本人、中国人の9人の女性で構成されています。彼女たちがミュージックビデオで行う、指で泣き顔の絵文字を模した「TTポーズ」は、中高生のセルフィーで大いにまねされました。10代を対象とした調査会社AMFが2017年12月に発表した「JC・JK流行語大賞2017」でも、ヒト部門の1位にTWICEが輝いています。


AMFが発表した「JC・JK流行語大賞2017」(画像:AMFのHPより)

さて、ここで注目していただきたいのが、「JC・JK流行語大賞2017」にエントリーされているキーワードです。モノ部門にランキングされている「チーズタッカルビ」「ウユクリーム」も韓国発の商品なのです。チーズタッカルビは甘辛く味付けた肉や野菜にチーズをたっぷりと絡めて食べる韓国料理です。「ウユクリーム」は韓国発のコスメレーベル「3CE」が発売している美白クリームで、かわいい牛乳型パッケージも人気の理由です。

このランキングが象徴するように、中高生は「K-POP」「グルメ」「コスメ」を軸として、韓国のカルチャーに夢中です。「冬のソナタ」に代表される韓国ドラマを基点とした第1次韓流ブーム、少女時代や東方神起といったK-POPアイドルによる第2次韓流ブームに続き、いま第3次韓流ブームが巻き起こっているのです。

インスタ映えを知り尽くした韓国カルチャー

自分をかわいく見せることに余念がない女子高生たちは、YouTubeのメイク方法を指南する動画を毎日チェックしています。そこで数年前から支持され続けているメイクのスタイルが「オルチャンメイク」です(関連記事:白肌に赤リップ「オルチャンメイク」って何?)。「オルグル(=顔)」に「チャン(=最高)」を組み合わせた「オルチャン」がしているメイクという意味で、陶器のように真っ白な肌を作り、平行した太めの眉、垂れ目風に延ばした黒のアイライン、うるんだような赤い口紅で仕上げます。さらに韓国語で「タンバルモリ」というショートヘアやおかっぱ頭との組み合わせも多く見られます。


ショップ内の撮影スポットは女子中高生に大人気(画像:「STYLENANDA」Facebookページより)

韓国コスメも当然人気があります。前述のコスメレーベル「3CE(スリーシーイー)」は、「STYLENANDA(スタイルナンダ)」という韓国の衣料品ブランドが販売する化粧品です。2017年5月に原宿にオープンした日本初の路面店には、インスタ映えする写真ブースが用意されており、女子高生たちの人気スポットになっています。その隣には韓国アクセサリーショップ「REDEYE(レッドアイ)」、そして向かいには、同じく韓国コスメの「ETUDE HOUSE(エチュードハウス)」の店舗と、韓国好きにはたまらない一角です。

STYLENANDA、ETUDE HOUSEともピンクを基調としたプリンセス感あふれるデザインの店舗で、コスメもパッケージに一工夫されており、SNSで人に見せびらかしたくなるようなものが多く販売されています。たとえば、ETUDE HOUSEの人気商品「アイスティント」はアイスキャンディ型のティント(リップ)です。Instagramではコスメを並べて写真を撮る人が多いのですが、アイスティントは公式サイトで「SNS映え必至」をうたうほど、いいねが集まりそうなデザインです。

Instagramで「#韓国コスメ」のハッシュタグが付いている投稿は、約59万件(執筆時点)。「韓国」で検索すると、「#韓国」「#韓国旅行」「#韓国ファッション」「#韓国料理」などのほか、「#韓国好きな人と繋がりたい」といったハッシュタグもよく使われています。

韓国ブームとはいえ、周囲に韓国好きな友人がいない中高生もいますから、SNSで同じ趣味を持つ人を探すのは当然の流れでしょう。ある女子高生は、SNSで知り合った韓国好きな人とコリアンタウンと呼ばれる新大久保で待ち合わせて、コスメやファッションのショップ巡りをすると言っていました。

いま新大久保で人気を集めているのは、韓国式ホットドッグ。形状はホットドッグなのですが必ずしもソーセージは入っておらず、棒状の揚げパンにチーズがたっぷり入っているスナックです。かぶりつくとチーズが伸びる様子がインスタ映えするため、SNSによく投稿されています。韓国ブームとインスタ映えは密接に関係しているのです。

カカオトークは使わなくてもグッズは人気

第2次韓流ブームを牽引したK-POPも、変わらず人気です。「防弾少年団(ぼうだんしょうねんだん)」は、BTSの名前でも活動する人気ヒップホップグループです。また、「EXO(エクソ)」という男性アイドルグループや、女性グループ「BLACKPINK(ブラックピンク)」も人気があります。

ある女子高生は、防弾少年団のファンが高じて、ハングルを覚えたとのこと。母音と子音の組み合わせで音を表記するハングルは、ひらがなの仕組みと似ていて覚えやすいと言います。「ハングルは文字の形も○とかでかわいい」という彼女は、Twitterアカウントの名前やプロフィールもハングル文字で記載していました。

ハングルは中高生たちのLINEのステータスメッセージにもよく使われていますが、何を書いてあるのかが一部の人にしかわからないのもポイントとのこと。ステータスメッセージはコピーできないため、人のステータスメッセージに何が書いてあるのか、翻訳ツールで訳したくても訳せないと嘆く中学生もいました。

先のハングルを覚えた女子高生は、週末に友人と韓国旅行にも出掛けるそうです。アルバイトでおカネを貯めれば2泊3日で遊びに行ける韓国は、女子高生にも手が届く海外旅行です。YouTubeの韓国語講座で覚えた韓国語でグルメを堪能し、防弾少年団の写真やグッズを買い、コスメをおみやげに帰国するそうです。


韓国のカカオフレンズストアでの様子を配信する人気配信者「PKA」(画像:YouTubeより)

韓国みやげの1つとして、メッセージアプリ「カカオトーク」のキャラクター、「カカオフレンズ」のグッズも人気です。日本ではLINEの人気に押され、それほどユーザー数も伸びていないカカオトークですが、カカオフレンズのグッズはかわいいと評判です。

中高生たちに人気のライブ配信者「PKA」(男女3人組の高校生)や「ねお」(高校生のモデル)も韓国旅行に出かけたばかり。彼らはMixChannelやYouTube、Tik Tokなどで積極的に動画を配信しており、旅行でゲットした韓国ファッションやカカオフレンズグッズなどを公開しています。中高生たちが韓国にあこがれてしまうのも無理はありませんね。

ある女子高生は、「お母さんと韓国の時代劇を見たのがきっかけで韓国にはまった」と言っていました。第1次韓流ブームにはまっていた世代が親となり、子どもと一緒に楽しんでいるケースもあるのでしょう。政治的な側面よりも純粋に異国の文化を楽しむ空気が、親子2世代にわたって培われたのかもしれません。