家が片づかない、ものが減らない…。不要なものをためこんでいると、収納スペースのムダ使いになり、自由に使える場所が減ってしまいます。ものがあふれてイライラすることもあるのでは。

「そのイライラの一因は、『どの家にもあるから』『あるのが普通だから』ともち続けている、意外に不要なものかもしれません」と話すのは、これまで500軒以上のカウンセリングをしてきた、整理収納アドバイザーの村上直子さん。

村上さんに、その「意外に不要なもの」の見つけ方について、詳しく伺いました。


必要だという「思い込み」こそが片づけの大敵!家の中の不用品を見返そう

村上さんによると、「もつのが当たり前」と思い込んでいても、よく考えてみると自分の家には必要がなかったり、別のもので代用できるケースは多いそう。
これまでのカウンセリング経験から、家庭にありがちな「じつはいらないもの」を具体的にピックアップしてもらいました。●水きりカゴ

キッチンで、洗った食器の一時置きとして使う水きりカゴは、意外と場所をとってしまい、カゴ自体を洗うのも面倒。
「代わりに食器用の吸水マットを使うのがおすすめ。使わないときはたたんでしまえるし、簡単に丸洗いできるので衛生的です」●洗いオケ

食器やふきんなどの漂白やつけ置き洗いに使う洗いオケは、大きな鍋やボウルでも十分代用できます。
「鍋でつけ置きをすれば、使う鍋もキレイになるので一石二鳥。シンクも広々と使えますね」●キッチンマット&トイレマット

自宅のキッチンやトイレにマットを敷いていない村上さん。
「子どもたちがトイレを使い始めた当初、マットの洗濯や周囲を掃除する回数が増えてしまい…。じつはマットがない方がラクかも、と思ったのがきっかけです」
床が汚れても、こまめにふけば問題なし。●替えのシーツ類

村上家ではシーツや布団カバーの替えをもたず、朝洗ってその日の夜にかけ直すのが習慣。
「たたむ手間が省けますし、収納スペースもいりません」
バスマットも洗い替えをもっていないそう。●ミニゴミ箱

各々の部屋や洗面所、ダイニングなどに小さなゴミ箱が点在するお宅は多いもの。
「手軽に捨てられるからと、むやみにゴミ箱を増やすのはオススメできません。部屋がゴチャゴチャしますし、衛生面を考えてもイマイチ。また、ゴミの日にそれぞれの収集に回る手間を考えると、その都度メインのゴミ箱に捨てる方が良いのではないでしょうか。集めたゴミを分別するのも面倒ですよね」●旅行用歯ブラシ

携帯に便利なトラベル用の歯ブラシセット。でも、前回の旅行時からそのままになった歯ブラシを使うのは、衛生上心配なことも。
「わが家では旅行用のものを別に用意せず、自宅で使っている歯ブラシをそのまま旅行にもって行きます」●<番外編>古くなった使い捨ておしぼり

「ここまでのものとは少し違いますが、使い捨ての紙おしぼりが干からびて、ごっそり出てくるお宅が多いんです」と村上さん。
いつか使うかもと大事に取っておいても、機を逸すれば結局ムダに。存在を覚えているうちに使いきってしまいましょう。
「網戸掃除用のウェットシートなど、年に数回しか使わないものも同様です」

すっきりした家づくりを阻んでいる、さまざまな“思い込み”。あなたにも思い当たるものはありましたか?

村上さんが監修を手がけた、イラストレーターまめこさんの新刊コミックエッセイ『ちらからない“おうち”でもっと幸せ家族になりました』(扶桑社)にも、このありがちな思い込みがたっぷりと掲載されています。ぜひチェックしてみてください。

●教えてくれた人
【村上直子さん】
整理収納アドバイザー1級・2級認定講師。整理収納アドバイザーとして、コンサルティングやセミナー、雑誌などで活躍中。村上家のインテリアを見ながら収納と整理を学ぶ「おうちサロン」も人気。著書に『子どもとすっきり暮らすシンプル収納ルール』(PHP研究所)がある

<イラスト/まめこ 取材・文/ESSE編集部>