日本の35人は、いったい誰なのだろう?

 ロシアW杯の予備登録メンバー35人がFIFAに提出されても、日本サッカー協会からはアナウンスがない。スポーツ紙によるちょっとしたスクープ合戦が、ここ数日は繰り広げられている。

 18日午後の記者会見で明らかになるのだろうが、個人的には腑に落ちない。というか、もったいないと考える。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の更迭によって、ロシアW杯への注目度は下降線を辿っている。そもそも関心が高かったとはいえないなかでの監督交代で、ファン・サポーターは諦めムードが一気に増した印象だ。

 前向きな話題が欲しいところで、予備登録メンバーの公開はその手段に成り得たと思う。

 誰もが納得できる35人のリストなど、現実的に作れないだろう。誰かが選ばれれば誰かが外れるわけで、どんなリストでも必ず議論は巻き起こる。

 大切なのは話題になることだ。「なぜこの選手を選ばなかった」といった疑問から議論がスタートしても、最終的には「これで勝てるのか?」とか「どうやって勝つのか?」といったところへ収斂していく。つまりは前向きな意見交換だ。

 各国が発表しているメンバーを見ていると、「この選手が選ばれたのか」とか「この選手が落選したのか」といったように、観戦意欲を少なからず刺激される。W杯への興味が、少しずつでも沸いていく。

 西野朗監督からすれば、Jクラブや選手に配慮しているということのだろう。週末にはJ1リーグがある。そのまえに35人が明らかになったら、選ばれた選手はもちろん落選した選手もコメントを求められる。W杯中断前の最後のJリーグに集中してもらうためにも、発表を先延ばししていると考えることはできる。

 だとすると、18日の記者会見では35人の予備登録メンバーまでは発表されないのか? それはそれでまた、不要な混乱を招く。35人のリストがはっきりするまで、メディアによる追跡は続くだろう。

 Jリーグが終了すれば、予備登録メンバーには通達されるはずだ。バックアップメンバーのひとりを緊急招集しようとしたところ、クラブのオフを利用してハワイにいた、ということが過去にあった。W杯には支障をきたさなかったものの、予備登録メンバーが一般にも発表されていれば事前に防ぐことはできただろう。

 所属クラブのスケジュールがオフだからといって、その選手も同じように休養を取ったら緊急事態に対応できない。35人に選ばれた選手は、変更期限のギリギリまでW杯への準備を進めなければならないのである。

 23人だけでなく35人まで発表することで、メディアが必要以上に騒ぎ立てなくなる。ファン・サポーターの関心をかきたてるためにも、隠すことはない。18日の記者会見で、西野監督は堂々と説明をすればいいのだ。