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 第90回アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞した「ファントム・スレッド」の出演者ダニエル・デイ=ルイスとビッキー・クリープスのインタビュー映像が、公開された。

 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン監督とオスカー俳優デイ=ルイスが再タッグを組んだ異色のラブストーリー。舞台は1950年代のロンドン。オートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコック(デイ=ルイス)と、ウッドコックのミューズとなった若きウェイトレス、アルマ(クリープス)の危うくも美しい恋の駆け引きを描く。

 デイ=ルイスは、「監督が昔から持ってる短編小説を持ってきて、一緒に読んだんだ。その物語について僕が覚えているのは、年上の男と年下の女がいて、男が病気になり、女に看病してもらうということ。そこから、物語を作り上げていったんだ」と本作の成り立ちを語る。さまざまなアイデアを取捨選択して物語を作り上げていったといい、「共演者と一緒に脚本を読むときにしか、セリフの良し悪しは分からないものなんだ。あとでよくないと気づいたら、現場で工夫すべきだよ」と持論を展開。

 出会った直後に撮ったというクリープスとの初共演シーンについては、「あのシーンは緊張したね。僕はあがり症なんだ」とはにかみ、クリープスを笑わせる。そのクリープスは、「もちろん緊張したわ。でも必死に、緊張していないフリをしたの。彼のような大物と共演しても、平気に見えるよう振る舞った。でも、そのことばかり考えてしまい、床を見ずにつまずいちゃったの」と初々しい失敗談を語っている。

 だが、デイ=ルイスは、「つまずいた彼女は最高だった。恋に落ちてしまったよ」と振り返り、そのアクシデントが打ち解けるきっかけだったと証言。実際にそのシーンが映画でも採用されており、「登場人物の人生のすべてを演じることは不可能だから、僕と彼女は役の人生を加速させなくてはならなかった。つまり、僕たち役者は現実の世界よりも素早く親密になる必要があった。恋人同士を演じる上で、とても重要なことだった」と語る。

 終始、なごやかな様子で進んだインタビューでは、質問者がデイ=ルイスに「あなたの引退を引き止めたいのですが、説得しても無駄ですか?」と本作限りでの引退を表明しているデイ=ルイスに迫る場面も。デイ=ルイスは「説得してみても僕は構わないよ」とほほ笑み、「心が不安定なときに、決断を下すのは良くない。こんな言葉がある。『危機にひんしているときは引っ越すな』。ビッキー(・クリープス)もそうだろうが、1つの映画を撮り終えると役者は抜け殻のようになる。そんな状態で、大きな決断を下すべきではない」と続ける。だが、さまざまな経験を経たからこそ、「今回で最後にしたいと強く感じた」と改めて語っている。

 「ファントム・スレッド」は、5月26日から全国公開。