まるで90年代トレンディドラマの、主人公のような男がいる。

彼の名は、一ノ瀬瑛太。ニックネームは“イチエイ”。

華やかなイメージの広告代理店の中でも、「エリート」とされる、大手自動車メーカーの担当営業だ。

慶應義塾大学卒業。港区の大手広告代理店勤務。“花の第1営業部”所属、35歳、独身。

エリート街道をひた走ってきた瑛太は、このまま順調に出世できるのか…?

これは、東京でしのぎを削る30代サラリーマンの、リアルな心の叫びである。

「花の第1営業部」一挙に全話おさらい!



第1話:40歳までに部長になる!広告代理店の花形部署で働く男(35歳)の野心

「いらっしゃいませー!」

木曜日の夜。

瑛太は、第1営業部・通称「1営(イチエイ)」で1つ下の小田原航(おだわら わたる)と、3つ下の松浦浩輝(まつうら ひろき)と一緒に、西麻布の『CHECK』で、“会合”を開いていた。

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第2話:代理店マンが夜な夜な開く“会合”には、女には分からぬ駆け引きがあった

これまでのキャンペーンは、圧倒的なリーチ力を誇る「テレビ広告」が中心だった。テレビの専門部署に長くいた瑛太にとっては、まさに得意分野で、クライアントからも社内からも信頼が厚かった。

だが、今回は「若年層」がターゲットということもあり、クライアントとしても今まで対応が遅れていた「デジタル戦略」をこのキャンペーンから一気に加速させたいという意向がある。

そのため、デジタル専門部署の経験がある航がサブリーダーに抜擢されたのだ。

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第3話:「影が薄いリーダー」になりかけた男を救った、23時の電話の相手とは?

「もしもし、浩司?」

航がノリに乗っている“会合”のカラオケを抜け出し、瑛太はある男に電話をかけていた。

「久しぶり。忙しいところ悪いんだけど、近々飲みに行ける時間無い?ちょっと相談があって」

電話の相手は、同期であり、最初の配属先も同じテレビ部だった浩司だ。

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第4話:何が何でも成功させたい案件がある。男が男を口説き落とすため、準備した秘策とは?

「このままだと、この競合プレゼン、負けるな」

会議の途中、瑛太はおもむろに言い放った。競合プレゼンの準備を始めて約2週間が経過していた。

当初は、デジタルイノベーション部出身のサブリーダーである航が意気込んで準備を進めていたが、ここに来てチームは暗礁に乗り上げようとしていた。

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第5話:代理店マンがキメの会食で見せた底意地。クライアントのキーマンは、こうして落とす

今回の、先方のキーマンは大和田部長、52歳。食べることが大好きと公言しているが、外食続きがたたり、現在はダイエットを意識。好きなお酒はワイン全般。

-よし、あそこのお店にしよう。

こうして瑛太は、いくつか思い浮かんだ候補の中から、お店を決めた。

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第6話:「イケてる男って、こんな感じでしょ?」弱さを隠すため、自分を取り繕い続ける男の悲哀

今回リーダーを任せてもらったのは、本当に実力を期待されていた訳ではない。

チャンスをもらっただけなのだ。そしてこの結果。

瑛太は、連絡を待つチームメンバーに何を話そうかと考えながら歩く帰り道、同席していた部長から不意に声をかけられた。

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第7話:「まさか、俺が?」一度の失敗で“後輩の部下”という立場に追いやられた男の本音

「失礼します。一ノ瀬瑛太、入ります」

初めてチームリーダーを任された競合プレゼン。その敗退が通達された翌日、瑛太は本部長のデスクに呼ばれていた。先日、チームリーダー任命の打診を受けた時とは打って変わって、その足取りは重かった。

「あれ、航?」

ドアを開けると、そこには意外な人物・航がいた。今回のプレゼンを一緒に準備していた、サブリーダーだ。

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第8話:「それってお前にしかできない仕事か?」転職を決めた同期からの、胸を抉られた一言

「俺、実は会社を辞めようと思って」

-やっぱりこれか。

浩司の突然の告白に驚きつつも、ある意味予想していたことでもあった。

-デジタルに強い浩司のことだから、どこかのITベンチャーに役員などで引き抜かれるのか、それともエンジェル投資家にでも出会って、何か自分で会社を立ち上げるのか。

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第9話:「会社に左右される人生」はどこまで許せる?突然の打診に心が揺れる、30代サラリーマンの悩み

「一ノ瀬、入ります」

意を決してドアを開けると、またしても思いがけない人物がそこには座っていた。

「あ、遠藤部長。ご無沙汰しています」

「アホか、お前。俺は今“本部長”や。けど、久しぶりやな」

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