飛び降りなどの異常行動の報告が相次いでいたインフルエンザ治療薬「タミフル」について、厚生労働省の専門家会議は16日、平成19年から原則中止にしていた10代への投与を再開する方針を決めた。

 異常行動は高熱などによるもので、他の治療薬と変わらず、タミフルによる因果関係は不明と判断した。

 厚労省は、インフルエンザが流行する11月ごろまでに、製薬会社にタミフルの添付文書の改訂を指示するとともに、異常行動への注意を促す記載を新たに求める。

 タミフルは13年に成人用、14年に乳小児用の販売が始まったが、中学生が服用後、自宅マンションから転落するなど死亡事例が相次いだ。厚労省は19年3月、「因果関係は不明」としながらも、緊急安全性情報を出し、10代の投与を原則中止にした。

 18年の調査では、約15万の全医療機関で、インフルエンザ患者で飛び降りや駆け出しなど異常行動を示した症例が137件あり、そのうち6割がタミフルを服用。年齢別では10代が42人と最も多かった。

 一方、厚労省の研究班による18歳未満の1万人を対象にした調査では、タミフルを使用しても、使用しない人と比べて異常行動は少ないとする結果があった。

 タミフル投与の原則中止後は、吸入薬のリレンザやイナビルなど他の治療薬が活用されたが、タミフルは飲み薬で使いやすいため、専門家から投与再開を求める声が上がっていた。