たとえば大島僚太だ。アジア最終予選の初戦対UAE戦で先発起用しながら、そこでPKを献上すると、昨年末に行われたE−1東アジア選手権まで1年半近くも外し続けた。

 これとて事実上のB代表だ。「A代表」に復帰したのは3月の欧州遠征で、残された試合は5月30日のガーナ戦のみという段階だ。この段階で選ぶなら、なぜもっと早くから復帰させなかったのか。

 ボール操作術に関しては、Jリーグナンバーワンの選手。しかし、世の中の後押しは思いのほか強くない。海外組ではない。W杯出場経験もない。日本代表出場回数も少ない。彼は先述の3条件から奇麗に外れた選手なのだ。

 Jリーグを軽視するハリルホジッチに異を唱えるメディアは多かったはずだが、それは実はメディアも望んでいたことのように見える。

 大島は25歳。若手とは言えない年齢なのにこの有様だ。それ以下の年齢の国内組は、もっと悲しい立場にある。

 若手で海外に行こうと思えば、中島翔哉(23歳・ポルティモネンセ)とか、久保裕也(24歳・ヘント)とか、注目を浴びにくい場所になる。彼らは幸い出場機会を得ているが、井手口(21歳・クルトゥラル・レオネサ)は、スペインの2部ながら、不遇の身の上にある。功を焦り、無理をして海外組になった感は否めない。

 知名度、ブランド力に欠ける、国内組の若手を西野新監督は、どれほどメンバーに入れることができるか。その数と4年後への期待は、まさに正比例の関係にあるのだ。