意中の彼を振り向かせる。「吊り橋効果」のとっておきの使い方

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片思い中の彼を振り向かせたい! そんなときに有用だと言われている「吊り橋効果」。ドキドキする感覚を利用して、彼に恋をしているような錯覚を起こす恋愛アプローチですが、友だち止まりの彼を「ドキドキできる場所」へと誘うだけでも勇気がいりますよね。それに、「本当に自分を好きになってくれるの?」といった不安もあります。そこで、吊り橋効果をうまく使うノウハウを、心理カウンセラーの杉本まきさんに聞いてみました。

■そもそも「吊り橋効果」とは?

心理学を使った恋愛テクニックなどでよく取り上げられる「吊り橋理論」。なんとなく耳にしたことがある人も多いと思いますが、どんな効果があって、なぜ恋愛がうまくいくのかイマイチわからないという人も少なくない様子。そこで、まずは吊り橋理論とその効果についてご説明しましょう。

◇緊張感や不安によるドキドキを「恋愛感情」と誤認する

吊り橋理論は、ダットンとアロンというカナダの心理学者による検証実験から導かれた理論で、高い吊り橋上で行われたことからその名がつきました。

実験内容は、橋を渡ってきた18歳から35歳の独身男性に、橋の真ん中ほどで女性がアンケート協力をお願いし、「結果に興味があるなら電話をください」と連絡先を渡すというもの。「高さ70m、長さ100m以上の揺れる吊り橋」と「固定された揺れない橋」それぞれで同じ実験を行ったところ、揺れる吊り橋では50%の男性が連絡してきたのに対し、揺れない橋では13%弱と、明らかな差が出たのです。

この差は、「揺れる吊り橋を渡るときの緊張感や不安によるドキドキを、相手の女性への恋愛感情によるときめきだと脳が誤認したのではないか」と考えられています。検証結果によって「好みの異性に出会うと恋愛感情がわいてドキドキする」という一般的な順序のほかに、「異性に出会ったとき、ドキドキしている。『もしかして恋?』と思って恋愛感情がわく」という順序もあることを証明しました。

そして、吊り橋理論を上手に使えば、意中の人と両思いになれたり、付き合っている男女の愛が深まったりする可能性が高まることから、「恋の吊り橋効果」と言われるようになったのです。

◇どんな男性にも効果があるのか

吊り橋効果を期待するには、相手の男性がドキドキしていることが重要なカギとなります。そのため、何があっても動じない冷静沈着なタイプには、効果を期待しにくくなります。「そんな人いるの?」と思われるかもしれませんが、生まれつき物事に動じないストレス耐性の高い人はいるもの。また、スポーツなどで精神力を鍛えている人も滅多なことでは動じないので、効果を得るのは難しいかもしれませんね。

とは言え、どんなに強い人にもウィークポイントはあるものです。「ドキドキ」は恐怖や不安からくるものばかりではないので、彼が興奮するくらい好きな物事をリサーチしてその方向から攻めるなど、ちがう角度から心拍数を上げる方法を探してみるといいでしょう。

■「吊り橋効果」で恋愛を成就させるポイント

吊り橋効果を期待できる場としては、「お化け屋敷」や「ホラー映画」に行くなどのほか、「一緒にお酒を飲む」という方法も一般的です。お酒を飲むと心拍数は自然に上がり、アルコールの作用で少し大胆にもなれるため、恋が生まれやすいというのは立証済みといえるでしょう。

ただ、片思いの相手をそのような場所に誘うのは、簡単なことではありませんよね。そこで、吊り橋効果を期待できる日常的なシチュエーションをご紹介します。

◇「2人で」何かをすると効果的

吊り橋効果を得るには、「彼がドキドキしているときにあなたが一緒にいる」必要があります。ドキドキするきっかけは、緊張や不安のほか、楽しいことでも構いません。ただし、彼の近くにいる異性は、あなたひとりであることが望ましいでしょう。

状況は何でもいいのですが、自然なシチュエーションで実践するなら、仕事やゲームを通して「リミットの迫ること」を一緒にやってみるのはいかがでしょうか。「間に合うかどうか」という不安の中、集中したり緊張したりして心拍数が上がり、間に合ったときには「やったー!」と達成感を味わえる上、開放感から喜びの感情も生まれます。そんな状況であなたがニコッと素敵な笑顔を向ければ、彼はハッとしてあなたを意識しはじめるかも。2人で何かを行うと感情の共有もできるので、理論上、より高い効果を期待できます。

仕事以外では、「2人で誰かに小さないたずらを仕かける」のもいいかもしれません。ばれないように息を潜めて待つ間、緊張感が漂いますからね。

◇小さなドキドキを積み重ねよう

心拍数は、体を動かすことでも上がります。ジムなどで一緒にスポーツをするのもいいのですが、マンツーマンで誘うのはハードルが高すぎると感じることもあるでしょう。そんなときは、「○○までどっちが先に着くか競争しよう!」など、気軽にできるシチュエーションを作ってみることをおすすめします。日常生活の中では、吊り橋を渡るようなハードなドキドキ感はそう得られません。大きな効果を得るためには、そんな小さなドキドキを積み重ねていくことも大切です。

■吊り橋効果を活かして一歩踏み出すタイミング

吊り橋効果を最大限に利用して告白をするなら、効果が続いている間がベスト! 効果が持続するのは最大で1週間とする実験結果もありますが、それはわりと強めな体験をしたケースとされており、また、効果には個人差もあるため、一般的には相手がドキドキしている最中か、その直後くらいが成功率を高めるタイミングとなります。

とはいえ、女性から思いを打ち明けるのはかなり勇気がいりますよね。できることなら彼から告白してもらいたいものですが、吊り橋効果は相手を錯覚させるようなものなので、残念ながらこの効果だけで告白まで導くのは難しいと言えるでしょう。

しかし、すでに何度も会っていて、「きっと私のことを好きなはず」と感じられる相手であれば、告白のきっかけづくりとして活用できると思います。そのような場合、高層階にある夜景のきれいな高級レストランやバーなど、ロマンティックなシチュエーションを演出できる場で時間をともに過ごせば、彼の脳が「こんなにドキドキするなんて、やっぱり僕はこの子が好きなんだ」と思ってくれる可能性が高まります。ただ、不安や恐怖のほうが大きくなると効果を期待できなくなってしまいますので、高所恐怖症の彼を連れていったり、お財布事情に合わない店を選んだりしないよう、注意してくださいね。

なお、男性は成功率が高いと思えなければ告白しない人も多いようなので、「告白すればOKしてもらえそう」と思わせることも大切です。男性は察することが苦手で、はっきり表現しないとわからない人も少なくないので、相手への好意を素直に表すことも忘れずに。

■吊り橋効果の効き目は永久?

吊り橋効果が脳の勘ちがいであるように、私たち人間の脳は意外によく錯覚を起こすことが最近の研究でわかってきています。たとえば、口角を上げるだけで脳は「今幸せなんだ」と判断し、幸せを感じる脳内物質を放出します。

だからと言って、脳はいつまでもだまされ続けてくれるわけではありません。吊り橋効果でめでたくお付き合いすることになったら、彼の脳の錯覚が起こした恋心を本物の恋にしていく努力が必要になります。それにはやはり、話したり会ったりといった接触回数を増やすことが大切。そして、そこで何かしらの共同作業を行うことで、2人の絆を強めることができます。

「一緒に作ること」であれば、料理でもなんでも構いません。さまざまな体験を2人で一緒に行うと、必ずなんらかの情動が伴い、より強く記憶に残るため、絆が深まって長続きする恋愛になりやすいです。

ちなみに、そのときにも吊り橋効果を利用できます。話しながら肩や腕に触れるなど、さりげないスキンシップを図ったり、ときには少しだけ相手を不安にさせたりしてドキドキを誘うことで、関係を深めることができるのです。

◇吊り橋効果は誰でもいい結果が得られるの?

相手の脳の錯覚を利用して恋心を抱かせる吊り橋効果。ただ、女性が使う場合には、重要なポイントがもうひとつあります。それは、「女性の容姿」が結果に大きく関係するということ。魅力的な女性だと成功率が上がり、そうでないと効果は半減するということが実験でわかっているのです。

これは、吊り橋理論とはまったく別のある実験結果とも一致しています。その実験は、男性が恋をしたときに、脳のどの部分が活性化するのかを調べるというもので、視覚分野がもっとも活発だったという結果が出ています。つまり、どちらの実験結果からも「男性が恋に落ちるのに女性の見た目は大事」ということが裏づけられました。

最後に、ちょっとガッカリするようなお話をしてしまいましたが、たとえ容姿に自信を持てなくても諦めないでください! 女性の好みが千差万別なように、男性だって好みはそれぞれ。あなたの生まれ持っての顔の作りが、彼の好みということだってありえます。もし、そうでなかったとしても、相手の好きなタイプにメイクやファッションで近づけたり、清潔感や雰囲気、優しい笑顔などを意識したりすれば、あなたの魅力を引き出すことができますから。

■「吊り橋効果」はあくまでも恋愛のスタートライン

吊り橋効果を上手に使えば、彼があなたを意識するきっかけとなり、一歩前進できるはず。デートに誘うのが難しくても、日常でさりげなくできることなら、すぐに実践できそうですよね。まずは小さな吊り橋効果で、彼との距離を少しだけ縮めてみてはいかがでしょうか? ただ、そこから先はあなたのがんばり次第。脳の錯覚だけに頼らず、恋人になるための努力も忘れないでくださいね。

(監修・文:杉本まき、文:千葉こころ)

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