あなたはご存知だろうか。

日本国内最難関・東京大学に入学を果たした「東大女子」の生き様を。

東京大学の卒業生は毎年約3,000人。

しかしそのうち「東大女子」が占める割合は2割にも満たず、その希少性ゆえ彼女たちの実態はベールに包まれている。

偏差値70オーバーを誇る才女たちは卒業後、どのような人生を歩んでいるのか。

これまでには隠れにゃんにゃんOLや向上心の塊のような才色兼備、愛人枠に甘んじる文学少女が登場。さて、今週は?




<今週の東大女子>

氏名:坂田百合
年齢:28歳
職業:六本木にある某オフィスビル内 総合クリニック(皮膚科)
学部:医学部
住居:恵比寿のマンションに一人暮らし
ステータス:趣味のダイビングで出会った彼氏と交際中

「東大卒って言っても、みんな信じてくれないんです」

「本当なのに!」と頬を膨らませる百合は、確かにプロトタイプな東大女子のイメージとは違っている。

とはいえ一概に東大女子と言っても、にゃんにゃんOL風からバリキャリのクール・ビューティ、整形美女まで...実に様々なバリエーションが存在することは既出の通りである。

そこで今回話を聞かせてくれる百合に再び視線を戻してみるが...困ったことに、特筆すべき点が1つも見当たらないのだ。

くりくりと大きな目、ふっくらと滑らかな頬など顔のパーツ自体は悪くない。

どちらかと言うと“整った顔”というより“愛嬌のある顔”といった印象で、赤文字系雑誌から飛び出してきたようなファッションに身を包んでいる。が、どういうわけか垢抜けない。

外銀・外コンで働くバリキャリのイメージはしっくりこないが、恵比寿で飲んでいそうと言われればそう見えるし、丸の内OLと言われればそうも見える。

つまり一言で言ってしまえば、どこにでもいる"量産型OL”といった佇まいなのである。

しかし驚いたことに...彼女こそ、東大女子の中でも極めて希少性の高い“理科稽狢粥ε貘臀子"。

彼女がどのくらい優秀であるかを説明すると、東京大学は入学時、文科機銑稽燹⇒科機銑稽爐6つの大きな学科に分かれる。

毎年、日本全国から選抜された秀才たち約3,000人が入学するわけだが、理科稽燹閉名痢藩三”)に入学が許されるのはそのうちたったの100人。

更に女子の割合はそのうちの2割にも満たず、“東大理三女子”の希少性は言うまでもない。(1学年3,000人に対して理三女子は20人弱、その割合はたったの0.6%ということになる)

「東大女子っぽくないよねって言われるのは、嬉しいんです。...だって私、東大女子って苦手だから」

彼女はそう言って無邪気に笑ったが、しかしその声色には軽蔑とも受け取れる微かな棘があった。


東大の中でもわずか0.6%の秀才、百合。彼女が東大理三を目指したワケ。


東大理三を目指した理由は...


「東大女子って一緒に居て疲れません?...なんだかいつも、人と競い合ってる感じで。

中学高校と青春真っ盛りの時期にガリガリ勉強して東大入ろうなんて思う女は、やっぱり負けず嫌いなんでしょうか」

百合はそう言うと、「馬鹿らしい」とでも言いたそうに小さく鼻を鳴らした。

ではかく言う百合自身はというと、青春時代をどのように過ごしてきたのだろうか。

「私、中高ずっと女子校だったんです」

そう言って彼女が挙げたのは、誰もが知る都内の名門中高一貫女子校。

毎年、卒業生の4人に1人が現役で東大合格を果たすという。

「学生時代は…ひたすら勉強ばっかりしてました。

華やかなグループと地味なグループに分けるとしたら、確実に地味なグループに入ってたと思います。

華やかな子たちが文化祭で男子校の子とキャッキャしてるのを、くだらない、あんな子たちに負けたくないっていう気持ちで見ていました。

東大に入るのなんて当たり前の学校だったから、じゃあ私は理三に入ってやるって。それで必死に勉強したんです」




「普通」がモテる理三女子


「大学に入ってから、驚きました。

この通り、私ってとりわけ可愛いとか美人とかじゃない自覚はあるんですけど…

圧倒的に女子が少ないので、普通にしてるだけでめちゃくちゃモテるんですよね。

そしたらなんか急に、以前のように“私は違う”って肩ひじ張ってるのが馬鹿らしくなりました」

なるほど、さすが東大理三女子。持ち前の頭の良さは、環境適応能力にも生かされるようだ。

「理三女子ともなると学内でも珍しすぎて、最初はちょっと距離を置かれたりしがちなんです。

だからそこで、ちょっと抜けてて天然な感じを演じてあげれば、逆にみんなすごく親近感を持ってくれるんですよ」

周囲のリアクションを見ながら、自分の見せ方を自在に変えることを覚えたという百合。

そしてそのスキルは研修医時代に更に磨かれたという。

「研修医時代はより一層それを意識するようにしていました。

学内で理三女子が“珍獣”なら、他大卒の人が圧倒的に多い研修先ではもはや“宇宙人”扱い。

しかもお医者さんって大体プライドが高いから、一度でも逆なでしたら大変です。

だったら、その面倒なプライドを無条件に崇めてあげればいい。

そう思って、あえて"抜けてる私"を演じてあげていました。そのおかげで、研修医時代も楽しくやってましたよ」

百合はそう淡々と語り、悪戯っぽくにっこりと笑うのだった。

外見はどこまでも量産型女子であるが、その内面は想像以上にしたたかなようである。


厄介にもなり得る“東大医学部卒”という肩書き。しかしそれを武器に変えた、彼女の秘策とは...?


「“理三卒なのに天然だね”と言われるキャラを演じる。

それから...お医者さん相手の時には、もう1つ心がけていたことがありました」




才女が最後にたどり着いた処世術


「猫を飼うならトラを飼いたい、みたいな感じの人っているじゃないですか。

お医者さん、特に男性の医者ってそういう人が多いんです。

トロフィーワイフって言うと普通はスタイル抜群の美女を思い浮かべますが、見た目は普通でも理三女子っていうのはトロフィーになり得る。

超優秀な女に認められている俺、っていうのが結構プライドをくすぐるみたいですよ。

使い古された"女のさしすせそ"だって、理三女子が言うと威力3倍増しらしくて(笑)」

何かを思い出したように、百合は「ふふ」と笑っている。

聞けば彼女は研修医時代、男性医師たちにこの処世術を駆使して、何かと優遇してもらっていたらしい。

しかし百合はある時、そうして自分を演じ続けることにも疲れてしまったのだという。

「同じ理三卒の子たちは、志高く研究の道に進む人も多かったですが…私はただ人並みの幸せが欲しいだけだって、気付いちゃったんです。

今の職場を選んだのは、ここならバイトみたいな感じで気楽だし他の先生に気を遣う必要もなさそうだったから」

現在百合は、とある六本木のオフィスビル内にある、総合クリニックの皮膚科に勤務している。

定時できっちり上がりアフター6を満喫する生活を、彼女は大いに気に入っているらしい。

「休みの日は毎週、湘南までダイビングに行っています。…あ、実は今お付き合いしている彼とも、そこで出会いました♡

海を前にして、学歴とかそんなものを気にする人はいません。

理三女子だとか女医だとか関係なく、“坂田百合”として見てくれる人にようやく出会えて...本当に幸せなんです」

そう語る百合の表情は、これまでになく柔らかかった。

華やかな女たちに負けたくない、とがむしゃらに勉強した中学高校時代。

そうして東大・理三女子というアイデンティティを確立した後はむしろ"普通"を演じた大学・研修医時代。

しかしそういった鎧をすべて脱ぎ捨てた時...やっと飾らずにいられるパートナーと出会うことができ、百合はようやく、自分らしく生きる術を見つけたようだ。

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