ご祝儀、ドレスコード……。知っておきたい結婚式二次会マナー

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結婚式の二次会は披露宴のような堅苦しさがなく、会場もおしゃれなレストランなどで行われることが多いので、新郎新婦との距離も近く感じますよね。とはいえ、参加する側は「どういう服装にすればいい?」など、マナーに戸惑うことも。また、会費制のケースもあり、「会費とご祝儀は別?」「会費も包んでいくべき?」と悩むこともあるでしょう。そこで、結婚式のマナーに詳しい研修講師の佐野昭子さんに、身につけておきたい「二次会参加のマナー」について聞きました。

■結婚式二次会の参加マナー

結婚式には、挙式、披露宴、二次会と3つのスタイルがあり、それぞれマナーも異なります。ただ、二次会に関してはあまり広く知られておらず、出席にあたり戸惑う人も。大人の女性として恥ずかしくない振る舞いができるよう、二次会におけるマナーを知っておきましょう。

◇披露宴と二次会のちがいとは

☆披露宴とは……

「披露宴」は、結婚を誓う儀式である「挙式」ののち、お客様を招いて行われるお祝いの宴のこと。新郎新婦、または両家が主催者となり、パートナーのお披露目と、これまで自分を支えてきてくれたり、お世話になったりした方々、また、これからもお世話になるであろう方々への感謝を、豪華な料理やお酒を振る舞って表すことが目的です。

そのため、招待されるのは親族、職場の上司や同僚、恩師や親しい友人が中心。会場も結婚式場やホテルが主流で、主賓の挨拶やゲストのスピーチ、余興、ウェディングケーキ入刀、キャンドルサービス、新郎新婦のストーリービデオの上映、両親への手紙など、ゲストをもてなす内容となります。

披露宴に招待された側は、ご祝儀を包んでいきます。友人は3万円、親族であれば5万円ほどが相場ですが、地方によっては会費制のところもあるようです。

☆二次会とは……

一方「二次会」は、披露宴を無事に済ませたのち、別の席を設けてもう少しカジュアルに行われる祝福パーティです。友人や同僚が主催者となり、彼らが取り仕切って新郎新婦をもてなします。出席するのは、友人やなかなか会えない恩師、学生時代の仲間、先輩や後輩、披露宴に招待できなかった職場の人たちなどです。中には披露宴と二次会の両方に出席する人もいます。

会場は、披露宴と同じ施設内の場合もありますが、おしゃれなレストランから居酒屋までさまざま。会の流れも、ゲストが新郎新婦を出迎え、サプライズ演出や全員参加型のゲームを行い、最後は新郎新婦がプチギフトを渡してゲストを見送るスタイルが多いようです。会費制がほとんどで、出席する側は受付で会費を支払います。

■二次会だからって気を抜かない。正しいマナー

披露宴と二次会の意味合いが異なるように、出席する側のマナーにもちがいがあります。服装、ご祝儀などの面から見ていきましょう。

◇どういう服装で参加すればいいのか

二次会の招待状には「カジュアルな服装でご参加ください」という一文が添えられていることが多いのですが、いわゆる普段着を思わせるカジュアルな装いや個性的な服装で参加するのはマナー違反。ただ、こういった勘ちがいをしてしまった話はよく耳にします。

主催者や参加者から直接注意を受けることも少ないため、誤った認識に気づくきっかけがなく、勘ちがいしたままで参加を繰り返してしまいがち。とはいえ、良識ある参加者からは「非常識」のレッテルを貼られることも。たとえ、新郎新婦があなたの個性として理解してくれていたとしても、周囲の人の目にどう映るか配慮することは大切です。祝福するはずの新郎新婦にも迷惑をかけてしまうことになるので、十分注意しましょう。

☆二次会が行われる会場に合わせた服装を心がけて

では、二次会にはどのような服装が好ましいのでしょうか? 原則として、開催会場に合わせたドレスコードとなります。女性の場合、肌の露出を抑えたひざ下丈のワンピースといったフォーマルなスタイルが基本。色は花嫁カラーである白を避け、披露宴とは少々ニュアンスの異なる淡い色合いや光沢のある素材で、華やかなデザインを選ぶのが望ましいでしょう。足元はパンプスを基本とし、サンダルやオープントゥは控えます。

会場がレストランやカフェの場合は、ワンピースにボレロやカーディガンといった羽織物を合わせるセミフォーマルなスタイルが一般的。フォーマルな装い同様、露出を控えたひざ丈くらいが好ましいでしょう。ここでの靴はオープントゥでもOKです。

一方で、居酒屋やカラオケ店、パーティスペースなどで行われる場合は、フォーマルすぎると浮いてしまいますよね。そのような場であれば、柄物のワンピースなども問題ありません。しかし、普段の遊びとはちがうので、カジュアルすぎないよう気をつけましょう。

☆動物に関連する素材や柄はNG

なお、よくありがちなマナー違反として、「ファーやフェイクファーなどの素材を用いたボレロやバッグを使用する」「ワンピースなどに動物の柄を用いる」といったことがあります。動物に関係する物は殺傷を連想させるため、披露宴の際と同様に二次会でも避けましょう。

いずれの場合も、祝福の席へ出向くこと、また、主賓は新郎新婦で、その2人をお祝いする会であることを念頭に置き、洋服はセンス良くおしゃれにセレクトしましょう。新郎新婦より目立ってしまうほどの派手なデザインはくれぐれも慎んでくださいね。

◇ご祝儀は別で包むべき?

ご祝儀については、二次会の案内が「会費制」となっているのであれば、そこに書かれた金額をお釣りのないように用意します。受付にて現金で支払いますので、祝儀袋に入れる必要はありません。ただ、あらかじめ封筒に入れておき、受付ですぐに取り出せるようにしておくと、洗練された立ち居振る舞いに見え、いい印象を与えるでしょう。そのとき、係の人がすぐに金額を確認できるよう、封をしないでおくとよりスマートです。

なお、披露宴と二次会のどちらにも参加する場合は、披露宴ではご祝儀、二次会では会費をそれぞれで払いますが、二次会だけの参加の場合は会費だけで大丈夫。ご祝儀やお祝いの気持ちを込めて少し多めに支払うなどの気づかいは必要ありません。また、会費はご祝儀とちがって新札でなくても大丈夫ですが、しわの多いお札は渡さないようにしましょう。

◇二次会でやりがちなNG行為

披露宴の席で「別れる」「切れる」などのネガティブワードが禁句とされているのは、多くの方がご存知かと思います。しかし、カジュアルな雰囲気になる二次会では、そのようなネガティブワードを平気で使ってしまうことも……。二次会だから許されるということはありませんので、ご注意を。

また、お酒も進み、同僚や旧友などの楽しい余興で盛り上がりを増したときによくあるマナー違反が、元彼や元彼女の話など、秘密にしておきたい新郎新婦の過去の暴露話です。当人同士はどんなに気の知れた間柄でも、パートナーや友人・知人がその話をどう受け止めるか考えましょう。

どんなに楽しい二次会であっても、お祝いの席であるということを忘れずに、発言にも気を配ってくださいね。

■二次会への参加を断るときの礼儀作法

祝福する気持ちはあっても、どうしても二次会に参加できないということもあるでしょう。そんなときの断り方にもマナーがあります。

◇欠席の連絡をするベストなタイミング

やむを得ず欠席する場合、案内を受けてすぐに欠席の返事をするのはタブーです。招待する側が「都合があるのはわかるけれど、調整する気持ちもないのか」と、適当にあしらわれた感じを受けてしまうからです。だからといってあまりにも先延ばしにすると、「優先順位が低い扱いをされている」と誤解されることもありますし、開催日直前では会場や料理の手配などの準備に影響を及ぼしてしまいますので、程よい間を置いて返事をするのがベターです。

◇欠席する場合も祝福の気持ちを伝えて

欠席を申し出る際は、どんなに親しい仲であっても理由を率直に伝えないほうがいい場合もあります。結婚式は、新郎新婦にとって人生における一大イベント。そのため、欠席の理由は少なからず気にするものです。ありのまま伝えたほうがいい理由なのか、オブラートに包んだほうがいいのか、その後の付き合いに差し支えないよう、相手の気持ちや親しい出席者の参加状況なども考慮して検討しましょう。

そもそも二次会は、新郎新婦の新たな門出を、肩肘張らずに気心の知れた仲間たちと分かち合いたいという思いを込めて開催されるもの。そのため、まずは新郎新婦の大切な人として招待されていることに感謝し、やむを得ず欠席する際は、欠席の返事と合わせて、プレゼントやメッセージカードで祝福の気持ちを伝えるといいでしょう。プレゼントは、あなたの気持ちが伝わるものなら高価な物でなくて大丈夫。ただ、「忘れていた」という印象を与えないよう、二次会が開催されるより前のタイミングに贈ることが原則です。

■結婚式の二次会は、大人らしくスマートにこなしたい

スタイルは異なっていても、披露宴も二次会も結婚を祝福する場であることにちがいはありません。また、新郎新婦にとっては一生の思い出となる場でもあります。当人たちはもちろん、ほかの参加者も気持ちよく過ごせるように配慮することがマナーの大前提。その上で、二次会らしいカジュアルさに馴染んだ大人の振る舞いをすることが望ましいですね。

(監修・文:佐野昭子、文:千葉こころ)

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