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日本で暮らしていると、大豆の発酵調味料である味噌や醤油を日々口にします。発酵調味料は健康にいいと言われていますが、最近では手作りしている人も増えてきています。

そこで今回は、手作りの発酵調味料について、美発酵食研究家であり発酵マイスターでもあるYURIKOさんにお話を伺ってみました。

手作り発酵調味料の4つのメリット

ーー発酵調味料を手作りすることで、どんなメリットがあるのでしょうか?

YURIKOさんの作った美発酵食

(1)食の安全性を追求できる
手作りの発酵調味料は原材料をすべて自分で選択できるため、完全に無添加のものを作ることができます。オーガニックの麹もネット通販で簡単に手に入ります。

(2)自分好みの味に近づけられる
自分で配合を調整したり、麹を米麹から玄米麹に変えたり、また自分好みの塩を使ったりすることで好みの味に近づけることができます。

(3)酵素活性が高い
多くの市販の甘酒や塩麹は火入れ殺菌や添加物で発酵を止めているものがほとんどです。手作り発酵調味料は自分で火入れしない限り酵素活性の度合いが高く、身体に負担をかけずに効率よく栄養を吸収することができます。

(4)育てる楽しみがある
発酵過程では微生物の存在を大きく感じます。思い通りにならないこともありますが、育てる楽しみがあります。甘酒や塩麹は数時間〜数日でできますが、お味噌作りは数か月から1年。育っていく過程をより楽しむことができ、発酵食と向き合うことにも繋がります。

簡単便利な生塩麹の作り方

ーー初めてでも簡単に作れる、手作り発酵調味料の基本的な作り方を教えてください。

簡単で使用頻度が高い手作り発酵調味料は、塩麹です。麹に含まれる酵素が豊富で食べ物を分解する力が強いので、食材を柔らかくしてくれたり、人間の身体に吸収しやすい形にして胃腸の負担を軽減したりしてくれます。

また、旨味や甘みがあり、和えもの、ドレッシング、炒めもの、漬けもの、漬け床など活用範囲が広く万能調味料といえます。塩辛くなく腐敗や悪臭の心配要らずな塩分濃度は12%で手作りするのがおすすめです。

<材料>

  • 生米麹…200g(乾燥麹より麹本来のパワーが十分に発揮される生麹の方がおすすめ。生米麹は自然食品店やネット通販で購入できます)
  • 天然塩…55g前後(美味しい自然塩をおすすめします)
  • お水…200cc程度(麹は酸性なのでアルカリ性のお水は避けてください)

<作り方>

  1. ボウルに米麹を入れて清潔な手でほぐす。
  2. ほぐした米麹とお塩をよく混ぜ合わせる。
  3. 金属製ではない清潔な容器(タッパーやホウロウなど)に2を移しお水を入れ、スプーンなどで全体をよく混ぜる(麹がお水にギリギリ浸かっている程度)。
  4. フタを軽く開けた状態で常温に置く。 翌日麹がかなりお水を吸ってしまっている場合のみ、ひたひたになる程度に加水。1日1回は空気を含ませながらよく混ぜる。ほんのり甘みが出て、指でつぶれる硬さになったら完成です(夏は1週間前後、冬は10日から2週間ぐらい)。フタをして冷蔵庫で保存します。

塩麹を調味料として使う場合、おすすめなのは「塩麹ナムル」です。 茹でたほうれん草やもやし、人参などを塩麹、胡麻油、白胡麻を混ぜたもので和えるだけ。好みでおろしニンニクを加えてもおいしいですよ。

健康と美しさを導き出す「美発酵食」

ーーYURIKOさんは「美発酵食研究家」とのことですが、「美発酵食」とはどういう意味なのでしょうか?

原材料にこだわり、昔ながらの製造方法で丁寧に造られた本物のお醤油、お味噌、お酒、味醂、お酢など日本の発酵調味料はその深い味、香り、そして色が何とも美しいです。 日本の発酵調味料は豊かな自然と微生物たちによる恩恵を十分に受けながら、職人の方々が醸し出す芸術品。そんな「日本の美しい伝統発酵調味料を使って作る発酵食は美しく」という思いを込めて「美発酵食」という表現を使っています。発酵食は意外と手間要らずで楽なのです。また、美容面でも優れた効能があり、人間の身体を内側からも外側からも美しくしてくれる存在です。

日本の伝統が生み出した発酵調味料。愛情をもって手作りしたら、自分の健康や美容にももっといい影響が出てくるかもしれません。

お話しを伺った方:YURIKOさん
美発酵食研究家/発酵マイスター/味噌ソムリエ。「日本の発酵食は美しい」をテーマとした美発酵食を研究中。「美発酵食を楽しむ会」や「お味噌汁のある食卓をつなぐ会」などで運営者として定期的にイベントを開催。2018年6月23日(土)に自然農法米を使い自然なお酒造りで有名な寺田本家さんとのコラボイベントを予定。[YURIKOさんのホームページ,インスタグラム