12日の横浜FMvsG大阪で、東口順昭はフェイスガードを付けてフル出場した。4月21日のC大阪戦で右頬骨骨折、右眼窩底骨折のケガを負い、医者から「(復帰まで)3、4週間」と言われたそうだ。その最短期間で東口は復帰を果たした。

右の眼球にはまだ出血が見られる。そんな状態でも、何度も混戦の中に飛び込んでボールを弾きだし、左右に飛んでゴールを守った。「まぁ出てるからには飛び込まないと」と事も無げに言うが、どうしても復帰したかった理由はもちろんワールドカップのメンバー入りだった。

「全然大丈夫です。全然痛みはないです。これで完全に復帰です」「(ワールドカップのメンバー入りを)もちろん狙ってるからです」。東口は鬼気迫る表情で語ると、記者たちの前を後にした。

フル出場した東口とは違い、倉田秋は後半途中から投入された。試合を視察に訪れていた、かつてのG大阪の指揮官である西野朗日本代表監督の前で、倉田は追加時間まで含めて30分しかアピールできなかった。

倉田はG大阪時代の西野監督に対して複雑な思いがあるという。

「使ってもらったり、厳しいというか(メンバーから)外されたこともあって。うれしいときとしんどかったときを作ってくれて、それを糧にして今があるから。しっかり選手のことをみてやってくれたし、あの時代があるから今があるんで」

だからこそ、この試合では90分出て自分を見せたかったそうだ。

ワールドカップのメンバー入りについて聞くと「自分はやれることをやって、それで選ばれたらうれしいし、無理だったら、それは自分が足りなかったと思うだけなんで」と覚悟を決めている様子だった。だがそれでも「やれることをもうすべてやりたいです」と意気込む。

監督交代があったため、今はまだすべての選手が当落線上にいると言えるだろう。それぞれの選手たちが最後まで必死のアピールを続けている。

【日本蹴球合同会社/森雅史】