恋がうまくいくかどうかは、出会った瞬間に大きく決まっているといっても過言ではない。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しないのだから。

どうしたら、最初のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

今回は初対面で男性がやりがちな、女が引いた行動とは?という宿題を出していた。

あなたはこの宿題が解けただろうか?




出会いはお誕生日会で


直樹との出会いは、友人・彩奈が開催したお誕生日会だった。

表参道の『CRISTA』で開催された会には、男女合わせて10名くらい来ていただろうか。ちょうど男女比も同じくらいのメンバーは、皆キラキラとしていた。

「ほら、あの人紹介するから付いてきて」

昔から少々人見知りな所があり、初対面の人が沢山いる場は苦手だ。しかし根っから明るく、社交的な彩奈が次々に皆を紹介してくれたお陰で、徐々に打ち解け始めた。

「直樹さん、こちら私の友達の友理です。ちょっと人見知りなんだけど、多分気が合うと思うから!」

それだけ言うと、彩奈はさっさと別の友達に話しかけに行ってしまった。

「初めまして。直樹です」

オシャレな黒ぶちメガネをかけ、麻のシャツに短パン姿。

いかにも“業界人”という感じがして一瞬身構えたが、実際に話してみると直樹はとても良い人だった。

そんなふうに、最初の印象は良かった直樹。しかし話していくうちに、徐々に私の気持ちはサァッと引いていくことになる。


最初の掴みはOKだったのに。この後、男が犯したミスとは?


解説1:初対面で女性を褒めるのは大正解。しかしあくまで素直な気持ちで褒めよ


「友理ちゃんは彩奈のお友達?」

優しい笑顔で話しかけてくれる直樹と過ごしていると、私の人見知りも徐々に和らいでいく。

「知り合って、もう5年くらいになります。直樹さんも、彩奈のお知り合いなんですか?」

「うん、僕は知り合って3年くらいかなぁ。共通の友人がいて。飲食を経営している堀田さんって知ってる?その人が紹介してくれて」

「堀田さん...お名前は、聞いたことあるような、ないような...」

堀田は、たしか有名な経営者だ。何度か顔を合わせたことはあるものの、そこまで仲良くもないし、他人に知り合いだと偉そうに言えるレベルではない。

「そっか。友理ちゃんはあまりそういう場に行かないのか(笑)」
「はい(笑)緊張しちゃうので」

そんなことを話していると、直樹が不意に嬉しいことを言ってくれた。

「友理ちゃんって自分をしっかり持っていていいよね。流されないというか、芯があるというか。美人なうえに、育ちの良さが伝わってくるよ」

初対面で、褒められて嫌な思いはしない。しかも、決して大袈裟な言い方ではなくさりげなく言ってくれたので、私はますます嬉しくなった。

しかし、そんな会話を楽しんでいた時だった。徐々に、直樹の本当の性格が分かってきてしまったのだ。




「友理ちゃんは普段どの辺りで飲んでいるの?」

「目黒とか中目黒とかが多いですかね...六本木とかにはあまり行かないです」

「そうなんだ!中目黒だったら、知り合いがやっている会員制のバーがあるんだけど、内装がすごくカッコいいから、是非行ってみて。何だったら、僕の名前を出せば入れると思う。オーナーに伝えとくよ」

前から不思議に思っていたことがある。

何故かこういう大人数の会に行くと、その内の一人か二人は必ず“顔が利く”自慢をしてくる人がいる。

今回の場合、直樹は決して自慢ではなく好意で言ってくれるのは分かる。

しかし行くとも限らないのに、オーナーに私の名前を伝えられても、逆にお店側に申し訳ない気がする。

「へぇ〜何ていう名前のお店ですか?気になります」

そう返事をしている間にも、直樹の口からは次々に“知り合い”がやっているお店の名前が次々と出てくる。

そして最後の最後で、直樹は最も“イタイ”行動を取ってしまったのだ。


直樹がやってしまった恥ずかしい失敗とは?


解説2:小物に限って大物を知っていると自慢する。ペラペラ人の話をするのもNG。


「ごめんね、気がつけば僕ばかりが話していて。他の人とも話さないと、だよね?」
「いえいえ、全然。むしろ直樹さんの方こそ、私の相手をずっとして下さってありがとうございます」

一通り話が終わり、とりあえず連絡先を交換しようということになった。私たちは、LINEとFacebookを交換する。

その時だった。

「あれ?佐藤さん知り合いなの?あ、鈴木さんも?」

佐藤も鈴木も有名な経営者。港区界隈で遊んでいる人ならば、知らない人はいないだろう。

「知り合いなんて言ったら恐れ多いかもですが...」

鈴木は昔、私の女友達と交際していた。もちろん私と鈴木の間に男女の関係なんて一切ない。しかし今でもたまに、“元気か?”と連絡をくれ、食事に連れて行ってもらう仲だった。

ただ相手が相手だけに、下手なことを赤の他人の前でベラベラと話す訳にはいかないと心得ている。

本当に仲が良ければ、相手の立場を考えるから。

「そうなんだ!佐藤さん、僕が会社を起こしてから仲良くさせていただいてるんだけど、素敵な人だよね〜。鈴木さんとはなんで知り合いなの?鈴木さんが持っている別荘、行ったことある?」

行ったことは、何度もある。

しかしそれは、自慢げに初対面の人に話すことではない。

「鈴木さんは一時期仲良くして頂いておりまして... 別荘に行かれたんですか!?」

そこから、直樹はとても丁寧に、鈴木の別荘に集う経営者や芸能人の名前を一人残らず挙げてきた。しまいには家の内装やプールのある場所、大きさまで教えてくれたのだ。

しかし奇妙なのは、肝心の鈴木からは一回も直樹の名前を聞いたことがないことだ。

別荘に行っているならば、可愛がっている後輩のうちの一人のはずなのに。直樹の話なんて一度も聞いたことがない。

-多分、鈴木さんからは認識されていないんだろうなぁ...。




鈴木ととても仲が良い風に話している直樹だが、その双方の認識の差が大きすぎて、私は思わず笑ってしまいそうになった。

初対面で、こういう人は必ずいる。“○○さん知ってる?”と、著名人や芸能人の名前を挙げる人。

男性に限らず女性にも言えることだが、そういう人に限って大して向こうからは認識されていなかったりする。

小物に限って、大物を“知っている”自慢をする。そして、墓穴を掘るのだ。

-私も仲良くなったら、どこで何を言われるか分からないな...。直樹さんはゴシップ好きなんだろうな、きっと。

初対面にも関わらず、大して知らない人の話を、さも自分のことのようにベラベラ話すような男性は、全く魅力的に見えない。

むしろ、自分がどこかで話題に出されるリスクを恐れて、距離を置きたくなる。

はじめは良い人かと思ったが、話しているうちに私はこうして直樹への興味を失ってしまった。

-直樹:今日はありがとう!色々話せて楽しかったです^^ 中目黒、いつ行こう?

もらったLINEに、こちらから返信することはないだろう。そう思いながら、私は携帯から目をそらした。

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