ネイマールのレアル移籍報道が過熱【写真:Getty Images】

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PSG会長の説得と、背後にある2022年カタールW杯の存在

 パリ・サンジェルマン(PSG)のブラジル代表FWネイマールの周辺が再び騒がしくなっている。

 昨夏に移籍金史上最高額となる2億2200万ユーロ(約290億円)でバルセロナを去ったことに続き、チームメイトの不和によってPSGを去り、レアル・マドリード加入を果たすのではないかという話が出ている。ただ、そのレアルの贔屓紙である「マルカ」は、ビッグディール最大の障壁が4年後のカタール・ワールドカップ(W杯)になるとしている。

 昨夏に鳴り物入りで花の都パリに渡ったネイマールだが、バルサ時代に比べると恵まれた環境とは言えない。ウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニとのPKキッカーを巡る争いに始まり、チーム内で解け込めていないことがたびたび伝えられ、1年でのPSG退団、そしてスペイン復帰の可能性が噂されている。

 バルサへの出戻りは考えづらく、なおかつネイマール級の市場価値を持つ選手を雇えるとするならばレアルという選択肢しかなく、ネイマールの代理人を務める父がすでにクラブ側と接触を図ったとの報道も出ている。PSGを経由したとはいえ、元バルサのスター選手のレアル加入となれば“禁断の移籍”とも言えるが、そう簡単にいかなそうなのがPSG上層部の意向のようだ。

 2011年からクラブの会長を務めるナセル・アル=ケライフィ氏は、カタール人である。バルサからPSGに移籍した際には同会長の意向が強く働いたが、それは22年に控えるカタールW杯にあったと言われている。サッカーを筆頭にスポーツによってカタールという国のPRに励んでいるからこそ、ネイマールは「宝石のようなもの」だという。


ネイマールとレアルが相思相愛だとしても…

 特に同会長はフランス国内での関係が強く、20億ユーロ(約2610億円)もの総資産を持っていると言われ、移籍金の売却益で儲ける必要性はない。そして何より、ネイマールをわずか1シーズンで退団させるのは、時期尚早ではないかという分析だ。

 もしネイマールとレアルが相思相愛だとしても、アル=ケライフィ会長をはじめPSG側が首を縦に振るのか――。2年連続でのビッグディール成立へのハードルは、極めて高いものと言えそうだ。


(Football ZONE web編集部)