入社後初の社内セミナーで洗脳?ヤバすぎる講師の正体は…

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 人材育成の一環として、最近はどの企業も力を入れている社内セミナー。社員にとってもスキルアップのいい機会ですが、なかには「本当に役に立つの?」と首をかしげたくなるセミナーもあります。

 子供の幼稚園入園を機に昨年から仕事復帰した小松咲那さん(36歳・仮名・派遣社員)が23歳のころ、求人広告で見つけた健康食品販売会社に転職。そこの社内セミナーは「途中までは普通だったのに、徐々におかしな内容になっていった」と振り返ります。

◆やけに自己啓発色の強かった社内セミナー

「『仕事に生かすポジティブシンキング』という内容で、少し自己啓発色が強いとは思いましたが、それ自体はおかしな内容ではなかっと思います。まあ、聞いたことがあるような話ばかりで、真新しさはありませんでしたけど(笑)」

 ちなみに当時、咲那さんはアパレル販売の仕事から転職して2か月。社員30名ほどの小さな会社で新人研修などはなく、これが彼女にとっての入社後初めてのセミナーだったそうです。

「強制参加で会社の会議室に集められたのは、私を含む20代の社員12名。講師はビジネスコンサルタントを名乗る40歳くらいの男性でしたが社長の知り合いらしく、『直々に頼まれた』といったことを話していました」

 セミナーが始まる前、社長がその講師に挨拶している姿を見たそうだが、彼女によれば普段とは別人のような態度だったとか。

「いつもは高圧的で社員に厳しいことしか言わないのに、明らかに自分よりも年下であろう講師の方に『○○先生、今日はウチみたいな会社に足を運んでいただき本当にありがとうございます』って何度も頭を下げていたんです。挨拶するのは当然のこととはいえ、それがちょっと過剰に思えました」

◆ビジネスセミナーで「大宇宙の摂理」を語りだす講師

 その違和感を裏付けるかのようにセミナーは、中盤から本来のテーマから徐々に逸脱していきます。

「『この世は人と人の縁によって成り立っている』という話はまだいいとして、講師はこの後に『これもすべては大宇宙の摂理なんです』とドヤ顔で言い放ったんです。急に宗教臭をプンプン漂わせるフレーズにビックリしすぎて、思わず飲みかけのお茶を鼻から吹き出しそうになっちゃいました(笑)」

 しかも、これに留まらず、「カルマ(業)が云々……」や「神々との対話」といった話が次から次へと飛び出し、さすがの咲那さんもドン引きしたとか。

◆「このままでは洗脳されてしまう…」と退社を決意!

「会議室の隅にいる社長をチラ見したら、講師の話をうっとりした表情で聞いているし、若手社員も数人はしきりに何度もうなずいている。とんでもない会社に入ってしまったと後悔しましたが、同時になぜか妙に冷静な自分もいて、洗脳ってこういう風にされていくんだなって思いましたね」

 最後には講師が外部セミナーの開催を告知。社外なので自由参加と思いきや社長からも「都合がつく方はぜひ参加してください」と事実上の強制参加が決定したことで、「これ以上はムリ!」と退社を決意。翌週、辞表を提出したところ、しつこく引き留められることもなく、あっさり受理されたそうだ。

「実は、気になって講師の名前を検索してみたら聞いたこともないマイナー団体でしたけど、ある新興宗教の幹部だったんです。同じくこのセミナーの後に辞めた元同僚の話によると、社長や一部の社員はここの熱心な信者で、新入社員を勧誘していたみたいです。特に営業ノルマが厳しかったわけじゃないのに常に求人を募集していた理由がわかった気がします」

 なお、会社は倒産なのか原因は不明ですが現在はないそうで、ホームページも消えているとのこと。

 こんな会社は滅多にないとは思いますが、求人広告を常時出している会社にはそれなりの理由があると考えたほうがよさそうです。

―シリーズ 会社のヘンな「しきたり」 vol.1―

<TEXT/トシタカマサ ILLUSTRATION/鈴木詩子>