目的地に早く着くことが売りのリニアだが、やたらに途中駅を造らせたがったりも…?

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2027年に開業目標のリニア中央新幹線の雲行きが怪しくなっているという。

『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、その原因を探る!

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ホリ 「品川−名古屋」間を走る予定のリニア中央新幹線だけど、なんだか雲行きが怪しくなってるみたいだね。

ひろ 何があったんですか?

ホリ 開業目標が2027年なんだけど、JR東海の社長が工期の順守に危機感を示しているみたい。4月5日の記者会見で「余裕がなくなっている状況」とか言っているらしい。

ひろ 東京オリンピックの需要なんかもあって、建設業界では人手不足だという話はよく聞きますけど、リニアはその余波を受けているんですかね? それともほかにネックになっている部分があったり…?

ホリ ニュースとかを見ている限りでは、環境対策をめぐる静岡県との対立が続いていて、着工にメドが立っていないってことらしい。

ひろ え? そのレベルの話なんですか? リニアってトンネルの中を走るわけですけど、環境対策ってのが具体的になんなのか気になりますね。

ホリ どうもリニアの静岡区間は大井川の上流部と重なるらしいんだよね。んで、リニア用のトンネル掘削を行なうと大井川の水量が減ってしまうらしい。で、JR東海側はその減水分を川に戻すと言っているみたいだけど、静岡県側は湧き水をすべて大井川に戻すように求めているんだって。

ひろ ほう。

ホリ JR東海は、着工の前提となる利水団体との協定が結べていないから、想定より遅れているんだってさ。

ひろ てか、湧き水をすべて戻すとか、ほぼ不可能な条件を突きつけていますよね…。それに従わないといけないとすると、リニアを日本で造るとか元から無理だったって話になりますよね?

ホリ そそ、根本的にヘンな話なんだよね。

ひろ そもそも、リニアって目的地に早く着くことが売りなのに、やたらに途中駅を造らせたがったりもしているじゃないですか。

ホリ 結局、神奈川県相模原市、山梨県甲府市、長野県飯田市、岐阜県中津川市に造るって話になっているらしいけど、そのほかにも「ウチの町にも停車駅を造れ!」みたいな声もあったようだからね。

ひろ リニアってうまくいけば海外に輸出できる技術なのに、もったいないですよね。

ホリ 「こういったことに対応するには、その地域が潤(うるお)うようにお金を出すしかない」という意見もあるみたい。

ひろ それ以前に「一部の利権団体」と「日本が技術立国として技術でお金を取っていく国になること」のどっちが大事なのかを考えたら普通はわかると思うんですけどね。

ホリ 普通に考えたらわかるけど、そう考えられない人も多いから。しょーもないよな。

★後編⇒リニア事業の停滞でホリエモン×ひろゆきが「もう日本でやらなくてもいいんじゃない?」

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)

堀江貴文(ほりえ・たかふみ)

1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『10年後の仕事図鑑』(SBクリエイティブ)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき

1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)